コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ ツーリング記2016.10.18

秋はバイクツーリングに絶好の季節だ。
夏の暑さがやわらぎ、幾分ひんやりとした風が心地良い。
走り出しても暑くも寒くもなく、首すじや胸から入り込む秋の涼風が全身を桃源郷に誘う。
田舎の山路にこぼれる落ち葉を蹴散らしながらゆっくりと我が愛する鉄馬を操っていると、ますます気分が高揚してきて一種の陶酔感に浸れるほどだ。

月に1回の集団ツーリングは近所のバイク屋さんの主催だ。
夜半から朝にかけて降っていた弱雨が集合車を減らしたが、それでも8台のオートバイがいつもの時刻、いつもの場所にとりあえず集まった。
それぞれにレインウェアを着て・・・。

午前9時。
簡単なミーティングを済ませると、とりあえず西方にオートバイの鼻先を向けて走り出した。
切り水のような小粒のパラパラ雨もいつのまにか止んでしまい天にはチラホラ青空ものぞいている。
路面も一気に乾いてまさに絶良のツーリング日和だ。

最初の休憩所、物産館を兼ねた「道の駅」で目覚ましの微糖の缶コーヒーと500tの水を一気に胃に流し込むと人吉市のほぼ真西に位置する水俣市という有明海に面した海岸街を一望できる高台の公園に目的地を定め再び出発。

皆と離れて、コスモスの群生する小さな丘の見学をパスして、一人だけ広場の草原に寄り添って建つ屋根付きの休憩所で大の字になってしばしのうたた寝をした。
最高だったね。

陽射しも強くなりレインウェアを脱いで白いショートパンツとレーヨンの黒いフード付きのパーカーだけになった。
上下ともにバイク用の黒いプロテクターを下につけたまま足元は重く黒いバイクブーツ。
一種異様な風体ながら奇妙に違和感がない。
レインウェアを預かってくれたビッグスクーターのタンデムの夫妻に丁重に礼を言い再出発。
今度は昼食だ。

水俣市をさらに南下して鹿児島県出水市。
丸亀うどんというチェーンのうどん専門店で食事をした。
トロ玉うどん、並、温に野菜のかき揚げ。
おいしいのかまずいのか良く分からないが、まずは腹ごしらえ。
次は同県の伊佐市に向かう国道の途中に上場公園というこれまたコスモスの花園に向かった。
アイスクリーム屋、まんじゅう屋などが並び駐車場もほぼ満杯だ。
仕方なしに公衆便所脇の駐禁スペースにバイクをそろってならべた。

広々とした丘一面に群生するコスモスが秋風に吹かれて波のように揺れている。
白、真紅、薄紅、ピンク・・・意外に彩りのある花びらがふわりふわりと柔らかい綿菓子のような軽さで波うっているのがとても美しい。
その時その場で見ている時にはそうでもないが思い出してみると結構貴重な映像と思えてくる。
不思議なものだ。
いかに普段心が「今ここにあらず」ということがあらためて自覚される。

伊佐市のコンビニで最後の休憩。
どうでも良いバイク話、ヨタ話をしてひと時を過ごし、そのまま人吉市へと北上した。
山越えの長いトンネルが少し寒かったが防寒の必要を感じるほどではない。
帰宅し入浴して野球のクライマックスシリーズ(日本ハム−ソフトバンク)を観ながらひと寝入りして夜の打ち上げ会場へ向かうタクシーの車上の人となったのが午後7時。

秋の夜は早くおとずれる。
街には夜風、天空には満月。
何ということはない。
或る意味、無為な秋の一日が幸せに過ぎてゆく。
皆さんお疲れ様でした。

ありがとうございました
M田朋久



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