コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ バイク旅行記 2016. 8.16

そもそも旅行は嫌いであるし、旅行に行って写真を撮ったり名所巡りしたりして景色や景観、名画や遺跡やとにかく観光というものに興味がない。もちろん旅行してそれを記録するという習慣はない。けれどもふっと思いたって簡単な旅行記なんぞを書いてみた。
精神科医で作家の斉藤茂太先生はこの旅行記を何よりも大切にされていて、これを失くされた時の嘆きようは半端なものではないらしい。自分には理解できない。

何の因果か国外、国内問わず、数限りなく旅行する羽目に立ち至り、何故か「観光」をさせられることが多い。
どうしてだかよく分からない。
興味がないのに見せられるワケであるから神様の采配も面白いなあとは思う。
「勉強」をさせられていると解釈はしている。

今年のお盆休みも3年目の恒例になったバイク旅行に行って来た。
仲間4人と8月14日、日曜日の午前6時に人吉市を出発。
大型バイク5台で高速に入り地震の被災地を避けて宮崎方面に抜けて大分県の臼杵港に到着。
11:35分発、四国・愛媛県の西端、八幡浜行のフェリーに乗り込んだ。
船賃5300円也。

フェリーは定刻に出港し約2時間30分で到着した。1時間余りの仮眠を取れたのは有難い。
お盆で乗客を満載した2等客室はほぼ満席で、仕方なく優先席にスペースを取って港で買った幕の内弁当をたいらげ横になっているとあっという間に強力な睡魔の虜となった。
枕がわりのバイクバッグを濡らしたヨダレを軽く拭って下船準備にとりかかり無事四国島に仲間と共に降り立った。

総勢5名、5台のバイク一団は、美しく穏やかな瀬戸内海を左手に見ながら灼熱の炎天下の湾岸道路を汗だくになりながら一路、四国松山までひた走った。

途中、海岸沿いにあった「道の駅」に入ると、そこは何と海水浴場であった。酷暑の中、水着姿の女性も浜辺や駐車場を半裸で闊歩するのがチラチラと目に鋭く突き刺さる・・・凄い・・・。
バイクジャケットを脱いで、木製の欄干にもたれながらサングラス目で涎を垂らしながら「目の保養」を済ませると、名残惜し気に件の「桃源郷」を後にした。

ガソリンスタンドが見つからず焦ったけれど何とか給油でき午後6時にホテルに到着。
「道後温泉にぎたつ会館」、公立共済安らぎの宿・・・。
教育関係者向けの施設らしい。子供の集団がいてかしましい。

40代2人、50代1人、60代2人、男ばかり5人部屋の和室。
聞いただけで息苦しくなるような宿泊構成であるが温泉に入り夕食にビールを飲みながら談笑し純白の清潔なふとんに睡眠薬を服んでもぐり込むと8時すぎには心地良い眠りに落ちた。
日ごろから好意好感を感じるバイク仲間だけに心地よさはひとしお。目覚めも絶好調。意外であった。

翌15日、午前8時には、朝風呂に入りバイキングの朝食を摂り、身支度をしてホテルを出発し、一路、広島県呉市、旧呉軍港へ。

広島の友人3人が迎えてくれたのが午後12時過ぎ。
海上自衛隊の潜水艦くろしおの中を見学(無料)し、次に最終目的である大和ミュージアムに入館する。
戦艦大和の巨大な1/10模型やゼロ戦、特殊潜水艇・回天が飾ってある。
大和はさすがにその威容というより美しさに心打たれた。ゼロ戦と同じく終戦前に悲劇的運命を辿ったという背景も手伝ってか、その芸術的造形美には圧倒された。入館者も盛んにカメラのシャッターを切っている。
他さまざまな陳列品があったけれどもじっくり眺める時間はない。

広島の仲間が順番を取ってくれていた海軍カレーをそそくさと胃袋に流し込んで、午後3時前には呉市を出て広島道−中国道を経て九州道へ入ったのが夕闇のせまる午後6時前。

中国道は涼しくて空いていて快適であったが九州道は熱帯夜。
走っても走っても涼しくならないしトラックや乗用車で混雑している。夜の帳もすっかり降りてしまい、独特の恐怖感も沸いてきて、不快指数も半端ではない。

帰りの高速道路に入ったら休憩も給油の2回だけ。
人吉での小料理屋の予約に間に合わせるべくバイクを飛ばしたが人吉到着は何と午後9:30.毎年恒例の花火大会も終わっている。

打ち上げのお店でビールのジョッキで乾杯したのは夜の10:30であった。
体中が痛み息も絶え絶え、1時間かそこらで宴を切り上げ帰宅し速攻入眠した。

帰路は何と約700kmだそうである。
あ〜疲れた。
でも楽しかった。
無事に帰って来れたのが何よりも有難い。

仲間一人の言葉が耳に残る。
「辛いと分かっていてもツーリングには参加してしまう」。

まったくそうですなあ。
皆さんお疲れ様でした。
そして広島の皆様、同行の皆様本当にありがとうございました。
おかげさまでとても楽しゅうございました。

感謝。謝謝。
M田朋久



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