コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ 真夏の夜の夢 2016. 7.23

梅雨が明けて突然に真夏になった。
ギラギラと照りつける太陽、入道雲、地面からたちのぼる陽炎、夕立、蝉の声・・・7月も下旬になるともう夏の真っ盛りだ。
微かな秋の気配も、短くなった日や、朝や夕に鳴く蜩や静かに首筋を撫でる爽風の中に感じ取れる。

夏の夜は寝苦しい。
クーラーは冷たいし扇風機は肌を摩擦して心地悪い。
この微妙な調整を怠るとあっという間に不快指数MAXだ。
クーラーの為に死人のように冷たくなった肌。一方で下着を濡らすベタベタの汗・・・。
全身の不快感の為に深夜に何度も目覚め、そうして再入眠に手こずる。
部屋中を移動して涼を求め、時に暖を取り、我が肉体は七転八倒し精神もそれらにつられて煩悶しつづける。

それでも不思議なことに夏の夜は悪夢が少ない。
浅い眠りの中で映し出される夢の物語は甘くロマンチックだ。
少年時代の海水浴。
水着姿の女達。
磨き込まれたホテルのバーのカウンターの甘いカクテル。
ワンピースの女。
アロハシャツをはだけ裸足で歩く高級リゾートの夕暮れの街路。
コーラの瓶を砂浜に突き立て潮風に吹かれながら喫うタバコ。
夕日の沈む浜辺のかなたの水平線。

夏のイメージが・・・、映画や懐かしい思い出が創り出すイメージが次々と湧き上がり真夏の夜の不眠症は苦しいようでいて悪い感じはしない。

じっとりとかいた全身の汗が下着やふとんを湿らせていても一杯の冷水、一口のコーラで生き返る。
冷水入りのペットボトルを片手に裸で徘徊する深夜のベランダ。
明々とした月光や雲や星空が心慰める。
白々と明度を増す薄闇の東の空に浮かぶ明けの明星。
8月に向かってゆっくりと、そして素早く熟れ、枯れてていく夏。

真夏の夜に見る夢は冬のそれよりも白日夢に近く自分の意図やイメージが入り込みやすいように思える。

夏の夜、ウィークデーは仕事の時間が待ち遠しく休日には車やオートバイ、海や山が待ち遠しい。

表題のシェークスピアの恋愛劇も夏の夜の森が舞台となっている。
日本の夏の森なんて入ったら蚊に刺されまくってロクなことはない。
クーラーをガンガンに効かせて部屋の中でひたすら惰眠をむさぼるか、一人で思い切り自由奔放な淫夢に耽るか・・・。
多くの大人の日本人の「真夏の夜の夢」にちがいない。

ありがとうございました
M田朋久



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