コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ 警視 2016. 6.27

かなり昔のテレビドラマで勝新太郎制作の「警視K」というのがあって、数年前にビデオ化されたらしい。
モチロンDVDはない。
放送当時は低視聴率(5%前後)でいかにも不人気であったらしいが、個人的にはこの番組を楽しみにしていた記憶がある。

街路に止めたキャンピングカーを自宅にして当時発売されたばかりのマツダRX7を乗り回し、事件を解決していく物語で、中身はアドリブだらけでリアリティを出したいが為に現場の録音(アフレコでない)という手法を取ったために物語としての面白さが楽しめなかったのであろうか。
テレビ番組の連ドラとしての成果はほとんど得られなかったようである。
作品の出来としては、最近は少し見直されているらしいけれど・・・。

本来警視という身分は殆ど管理職で現場の仕事はしないそうだ。
地方の県警でも警視庁(東京の警察)でも署長クラスか本部の課長とか各隊の長としての身分であるらしい。
それでも高い身分の人が庶民にまぎれて現場の仕事をするというのは昔からある設定ではある。

江戸町奉行の遠山金四郎こと桜吹雪の「遠山の金さん」などがその典型であろう。
町奉行というと今の警察署長さんであるからそこら辺の一般ピープルの感覚で「警視K」のようなテレビドラマが制作されたのであろう。
とにかくお奉行様の活躍する時代劇は数多い。
現代でも「警視庁捜査一課長」とか「モズ」とか「相棒」とか「踊る大捜査線」とか数限りなく警察ドラマがある。

中でも「警視K」は個人的に特別なものを感じる。
とにかく現実離れしたヤクザな警察官なのである。
ライフスタイルからしてカッコイイ。
暇な時には別室にこもって麻雀をしたりゲームをしたりして過ごしている。
ちなみに警視の上には警視正、警視長、警視監、警視総監、警察庁長官と上がっていく。
一般庶民と直接接することができるのはせいぜい警視(署長さん)クラスまでで後は雲上人、雲の上の人である。

全国にある「警察官友の会」というのがあって、この会に席を列すると1年に1回くらいは県警本部長として来座される警視長か警視正のご尊顔を拝することができる・・・という程度である。
各県警の本部長は国家公務員上級試験に合格した「キャリア」がなるのがしきたりらしく、「東京」から派遣されるお殿様みたいな存在であるらしい。キャリアに合格して警察に配属(?)志願(?)するといきなり現場警察官のほぼ最高出世身分「警視」を得られるらしいけれど、以前は最初から「警視正」の身分が与えられたらしい。
ちなみに、これらの知識の殆どは横山秀夫の小説から得たものである。

往年のフランス人美男俳優、アラン・ドロンが70歳代前半に制作された「刑事フランク・リーバ」も身分は警視だったが、若い女性警視である署長さんの下で現場の仕事をするという設定である。
この主人公の友人が警察庁長官という設定であるのでこれも少し無理があるがこれまた年を取ったアラン・ドロンが白髪でカッコヨク、DVDを購入して見ている。
フランス製の警察映画はすぐれた作品が多く、実話を基にした「あるいは裏切りという名の犬」というのが結構面白い。

この主人公も確か警視だった。
警察という組織が強力な縦社会、強固なヒエラルキーを有していると考えられるが、警視という身分が一番設定するのに面白いのかも知れない。

一方イギリスの作家R.Dウィングフィールドの創作したフロスト警部シリーズでは署長のことをスーパー(警視)とやや侮蔑的に呼称していくらか官僚的で融通の利かない人物として描かれている。
こちらの作中警視の方が、より現実に近いのかも知れない。

実際は管理職でも一般人から見ると警察の署長さんというとやはりスターであり名士なのではないだろうか。
少なくとも学校の校長先生より数は少ないようだ。

ちなみに医者の方が警視よりはるかに数が多いのでエリートが10万人に100人以下とすると警視の方がエリートと言えるかも知れない。

ありがとうございました
M田朋久



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