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■ シェルブールの雨傘 | 2016. 5.31 |
昔のフランス映画のタイトルである。 1964年に製作公開され世界中でヒットした。 完全なミュージカルで台詞はすべて歌。 監督はジャック・ドゥミ。 音楽はミシェル・ルグラン。 現在では映画よりも音楽、主題曲の方が有名である。 イージーリスニング、映画音楽、ジャズのスタンダードナンバーなど世界中のアーティストがこれを演奏する。 シェルブールとはフランスノルマンディー地方の地名で、イギリス海峡の突端に位置する。 その位置関係から(イギリス本土との距離が近く港の深度の問題)ノルマンディー上陸作戦の重要確保拠点となった街で戦後のアルジェリア戦争時にも軍港としての価値が高かったらしい。 このロマンチックな響きの表題どおり、とてもメロディアスで哀調を帯びていて、心を落ち着かせ、クラシック音楽の定番、G線上のアリアと同じく不思議に精神を安定させてくれる曲だ。 ワールド・ドリーム・オーケストラ(W・D・O)を指揮して久石譲がこの曲を収録しているが、あの宮崎駿のアニメ映画の主題曲の行進曲のようにダイナミックに奏でられる部分が好きでジャズ風のカバー曲と同じように気に入ってよく聴いている。 5月ももう下旬、来月から本格的な梅雨である。 毎日のように降る雨。 所謂雨季と言えなくもない梅雨前線の日本列島の停滞がもたらす約1ヶ月の降雨月。 雨傘、レインコート、雨除けキャップのお世話になる機会も多い。 都会の雑踏に咲く色とりどりの雨傘を見る度にこの映画と音楽を思い出す。 そうしてその甘いメロディーは少年時代の少しく酸味のある郷愁の海に心を浸していく。 ダニエル・リカーリの澄んだ歌声とミッシェル・ルグランの音楽は秀逸であるけれど、ミュージカルは苦手で真剣にとおしで鑑賞したことはないのに、このテーマ曲だけがいつも頭の中に流れている・・・雨の日はいつも。 ありがとうございました M田朋久 |