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■ 震度6 | 2016. 4.21 |
人吉とは目と鼻の先、同じ県内の北東部に位置する熊本市と南阿蘇を地震が襲った。 それは平成28年4月14日夜半9時半頃の前震、4月16日深夜午前1時半に発生した本震だそうである。 何事もない春のおだやかな宵・・・であった筈なのに一夜にして九州のほぼ中心部に位置する活火山とその裾野に広がる南阿蘇、益城町、熊本市と東北部から南西部にかけて存在する活断層に沿って震度7を最強に震度6、震度5と小さな余震を含めて3日間で数百回もの頻度で今も大地を揺らし続けている。 それ(地震)は寝入りばなに起こり、深夜に起こり、人々を恐怖のドン底に落とし入れた。 家具や家電を引き倒し陶器やガラスを砕き、家を押し潰し、電気を止め、水を断ち、ガスを止め、道路を分断し、橋脚を崩落させ、山肌を引き剥がし、人々の平穏な日々を不自由極まりない避難所生活へと誘い車中の寝起きへと導いた。 警察と自衛隊とマスコミのヘリコプターが空を去来し、テレビは地震速報を繰り返す。 震度6は自衛隊の待機出動の目安であるらしい。 震度5と6の間は結構大きいのだろう。 震度5弱の我が町人吉での平穏無事ぶりにくらべ震度7、震度6強の熊本市の惨状はあまりにもひらきがある。 交通路の断裂によって起こる往来の途絶はコンビニのパンと弁当、おにぎりの空棚をうみ、情報の取得がテレビやラジオに頼らざるを得ず、熊本市内に在する身内の肉声を電話で聞くまでその惨状をリアルに実感できず軽い顰蹙を買う始末。 いつもそうであるがテレビというものはありありと報しめてくれるので知っているという錯覚を人々の頭の中に生じせしめるのではないかとさえ思う。 人命救助が一番で交通渋滞を惹き起こすのでボランティアは自粛してくれとのお知らせまであったりして益々近隣大都市の窮状が他岸の火事に感じられる。 何となく見栄えの良い画像、それは橋、幹線道路、山の崩落など仰々しい類の繰り返される報道で、どうしてもカスんでしまう被災者となってしまった多くの人々の困窮。 ・・・そんな風な感想を強く持った。 阪神淡路・東日本大震災、新潟中越地震等々いい加減日本人も慣れてしまうものなのだ。 政府・行政の対応も相変わらず自衛隊より悪い。 届かない水や食料、避難所の不具合、設備の貧弱さなどなど先進国とは思えない行動の遅さだ。 当事者の警察、消防も頑張っているのだ。 けれども見ていてイライラするほどスピード感がない。 そしてリアリティーさがない。 地震、台風、水害、日本国はどこもかしこも災害国家なのである。 戦争などしてなくてもまるでそこは一気に戦場にしてしまう天災という名の自然災害。 自衛隊が即対応するスピードが早いのは当然かも知れない。 いつ起こるか知れぬ有事の時の為に存在している組織であるから。 国民と国土を守る唯一無二の自己完結型組織が自衛隊なのである。 不気味な夜を2晩も経験し徐々に収束している余震は少しずつ復旧・復興の石鎚の音と入れ替わっていくような気配も感じる。 永遠に続く夜はない。 永遠に続く地震もない。 先の2度の大震災に比べたらやはり軽微とも言える死者数、負傷者数。 多少不謹慎と受け取られてもよいけれど、先の大戦の戦災、数え切れない天災を経てきた日本人の遺伝子がこれらの災害に勝てぬ筈がない。 祈ろう、応援しよう、そしてできることから始めよう。 絆というものは傷から生じるのだ。 痛みから生じるのだ。 震度6などに負けまい。 ありがとうございました M田朋久 |