[戻る] |
■ フィルムノワール | 2007. 7.17 |
暗黒映画。フランスの犯罪映画。 ジャン・ギャバンとかアラン・ドロンとか大スターも結構いましたネ。 日本で言うとヤクザ映画に近いかもしれないが。趣が少し違う。 警察が主役だったりもするし、その世界を美化することも無くどちらかというと重苦しい。 共通点はどちらも「男の世界」。 友情、裏切り、女、金、酒、ギャンブル、クルマ、銃、戦い、復讐、世の多くの男どもの大好きなものや事柄が散りばめられている。 そしてキーワードは、「仁義」「侠気」もっと具体的には「秘密を守ること」「掟をを守ること」。 一般の社会はどちらかというと正直、卆直、白日堂々と何でも明らかにすることを好むように見える。 まるで正義であるかのように「暴露趣味」が横行しているようにも思える。 「真実を明らかにする」なんてマスコミに言われると、普通の人は沈黙してしまうだろう。 職業柄、若い時から「秘密保持」には結構気を使っている。 「愛情を持つ」のと同じくらい重要視している。患者さん、クライアントはモチロン、職員スタッフの秘密についても同等。 それでも法律に抵触する場合もあるから、「何かあったら」カルテには一切手を触れない。触れさせない。つまり「隠さない」。 微妙なところだ。「不正」と「秘密保持」を「当局」から混同視されたくないからだ。 ただし、患者さんや職員を守るという姿勢は貫く。 医者の仕事は、真面目に考えると、結構ヤバイ仕事だ。 「健康問題」「愛情問題」「金銭問題」集約すると、殆どの人間の悩みは、この3つに限定される。 その1つか3つ絡んでくるのが医療のあやしい側面だ。 だからこそ、「秘密保持」は重要。 人の秘密を嗅ぎまわったり、暴露したり、捏造したり、さらには中傷したりするのを趣味のようにしている人がいるが、最終的には、その「不徳のツケ」を自分が払うことになるようだ。 私自身は他人の秘密には、殆ど興味はない。 キレイごとに聞こえるかも知れないが、「幸せになって欲しい」「楽になって欲しい」と願って仕事をしているだけ。 周囲の人は、どう見ているか知らないけれど、「野心」「野望」「功名心」というのも殆どない。 ただ、医者の仕事は好きで好きでタマラナイ。 難しい仕事だけれど、一生つづけたいと思っている。 不特定多数の人々に幸福になってもらうのが純粋に喜びなのだ。 だからこそ、甘くもなれない。厳しい時も多い。 「天職」とも「生命」とも言える。 またまた前置きが多くなりましたネ。 久々に見た傑作フィルムノワール、「あるいは裏切りという名の犬」 主人公の男には深く共感する。とても真似できない。尊敬できる人間というのを映画で初めて見た。(少々タバコを吸いすぎるが) 極限まで追い詰められても、「裏切らない」即ち「秘密を守る」男。どこまでも人に優しい男。 最近は「守秘義務」なんて軽く言いまわしているが、それは「義務」などというものではなく、「倫理」とか「信義」に属するものに思える。 ありがとうございました。 たくま癒やしの杜クリニック 浜田朋久 |