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■ 春立ちぬ | 2016. 2.27 |
黄土色の冬枯れの草木に眩しいくらい明るい陽光の降り注ぐ春となった。 2月4日、立春。 暦の上ではもうすっかり春である。 梅の花もほころび、待ちわびていた春がようやく大寒波の後に休日の昼の見知らぬ訪問者のように季節の入り口に立っていた・・・といった按配である。 光りに満ちあふれた夏のソレと違い、田舎の風景は全体に黄色が勝っていて初夏の陽射しよりもかえって明るく感じる。 昨年12月よりつづいた鬱気も今年の1月いっぱいはまるでギューギューに詰め込まれた土嚢を全身に乗せられて暗く長いトンネルをトボトボと独りで歩いているように感じられたけれど、立春を機に一気にそれらが吹き払われたような気がする。 それはあの長く重苦しい冬が懐かしく感じられるほどの爽快感を伴うもので、自分の心に、脳に,体に何が起こったのか今分析中である。 状況も環境も人間関係も殆んど変化がなく、逆に悪化しているようであるのに自分の感じ、受け取り方の変化が劇的であったのには驚かされる。 季節の気、大気の状態が人間の心に多大な影響を与えているのは何となく理解できるが、これほど明瞭に感覚されたのは今年が初めてである。 人間の心に最も影響を与えるのは意外にも食べ物だそうである。 次に何を考えているか、後大事なのが霊的行動。 以上3項目をとりあえず調べてみるのも心身不調時の最初のステップであろう。 アルコールをガブ飲みしたり野菜を食べなかったり、糖分や肉類を過剰摂取したりしないで睡眠や休養を充分にとって考え事をやめてできれば瞑想なんかを集中してすればずい分と人生や生活全般が落ち着いてくる。 これもまた不思議なことである。 人間の心と、特に潜在意識という無意識の心は偉大な「何か」(great something)、神と繋がっていて物事をスムーズに進ませてくれるようである。 一部の人が万唱するように「人間は神の顕現」と仮定するなら、自分のことを大切にするとは神を大切にすること、王者のように振る舞い、神のように考え、聖人のように話し、英雄のように行動すればこの世界はもっとおだやかで平和になるのであろうけれど・・・。 まず人間のひとりひとりがもっと内面的になり、エゴの持つ特有の感情である恐れを手放し、愛を選択し、それに基づいて言行すればこの世界はさらにより良いものになるであろう。 寒風吹き荒れる荒野に舞う春の雪も、まるで人類の混乱のように見える。 “春立ちぬ、陽は明々と巨玉を照らしむ” 世界を覆う邪気悪気、不正義、不平等、混乱、気候変動等々をよそに春の陽光はいつものように青い地球の極東の島国・日の本を明るく照らしてくれているのだ。 ありがたいことである。 ありがとうございました M田朋久 |