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■ 虚 | 2016. 1.27 |
家は空間をもって使用可となる。 ソレは家具よりも重要である。 心も似ている。 何があるか、つまり思考や感情や欲望も家の家具のように大切であるが、空間即ち“すきま”もまたとても大切なのである。 心の中身(実)ばかりに意識がとらわれてばかりいると、空間(虚)の大切な機能を忘れてしまう。 多くの悩める人々を観察していると、心が「虚」でなく「実」すぎるように見える。 「心を虚しくて・・・」なんてよく言うではないか。 立派な人、落ち着いた人、幸せそうな人、素敵な人にこの「虚」を多く感じる。 澄み切った青空に浮かぶ月や太陽、満天の星々ですら宇宙の空間の方がはるかに広大で巨きく無辺であるのだ。 宇宙、この世界のありようとはすべてこのように成り立っているように思える。 易や道教における陰陽も虚実と捉えることができるが、太極という偉大な無の世界、言葉にはできないほど素晴らしい世界は心と物質界とをつないでいて、無限の宝庫としてこの宇宙空間以外の一種のパラレルワールドに存在していると明言している成書も多い。 何のことかよく分からないけれど、今生きている生者の数よりもはるかに多い死者の数、星々の体積をはるかに凌ぐ宇宙の空間。 心の世界も生よりも死、音楽や騒音も含めて音の世界も静寂とか静穏とか、行動の世界でも待機とか、言葉より沈黙とか、何かしら陰の方にシフトして生きていった方がすべからくスムーズで安全で実りも多いような気がする。 ワンダーランド、不思議の国はこのどちらかというと実ではなく虚、そうして虚実(陰陽)を創造する無の世界、不思議いっぱいの世界を虚無の世界と同視して認識し楽しんでいるし、割りと大切にしている。 何と言っても動じない心、所謂不動心を得られるから・・・。 このチョットしたヒントが悩ましい事態を、一気にこの世を、天国に変えてくれることがある。 ありがとうございました M田朋久 |