コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ マザコン研究2015.11. 4

人類の殆んど、イヤ殆んどの哺乳類は男女、オス・メス問わずマザコンなのである・・・と考えられる。
人間の男性の場合だけ多少侮蔑的に呼称されるけれども、敢えて分類すれば
@女性に嫌われるマザコン
A女性にモテル、マザコン
になるかと思える。

先日NHKで所謂、典型的なマザコン青年の日常をドキュメントした番組が放映されていたので録画して観てみた。
見かけも内面も見るからにマザコンの20代後半の男性が「出演」していて、何と本人に全く自覚がないくらいチョット若作りの美人の母親に飼いならされて誠に気の毒であった。
典型的な@のタイプで4人の若い女子との対談ではかなり「ヒカレテ」いたように見えた。
個人的には2人の友人との飲み会でマザコンについての会話が興味深かった。

このマザコン男性の特徴がいくつか明らかになっている。
@母親の選んだ服を着ている
A母親と一緒に買い物をする
B母親に自分の部屋の掃除をさせる・・・というより母親が勝手に部屋に入ってきて掃除をする
C母親のことをしょっちゅう話題にする
筆者からするとビックリ仰天、驚天動地。
20代になっても母親と一緒に住むというだけでキモチワルイのに、上記4項目には心から驚かされた。
母親と一緒の部屋に寝るという体験を18才のときに大分市で(大学受験のためにホテルで)した時には今でもありありと思い出せるほど不気味であったのに、件の番組では母親と一緒にクッキーを焼いたりとかして、失礼ながら近親相姦的猥褻さであった。
「アリエヘン」。

さらに母親というより、とても綺麗な女性として映像されておられたので妙な気分になった。
まぎれもなく「女」の状態であられたのだ・・・。
物腰、仕草、ファッション、プロポーション等々。

その容姿たるや「オレもマザコンになりたあい」なんて思わせるほどであったから、件の男性のマザコンは母親のはかり知れないほど強く大きな「力」のせいに他ならないのだ・・・多分・・・。
そうして筆者の勝手な予測では、この母親が生きている間、一生涯この男性はその偉大な支配下に置かれるのだ。
本当にご愁傷様と言いたい。
余計なお世話であるが・・・。
何せ当人達はいたって平和で幸せそうであったから、それもひとつの男の人生のただのバリエーションなのである。

筆者もまごうことなく真性のマザコンである。
ただ前記したタイプではないというだけ。
表現形の問題なのである。
或る意味こちらの方がヤヤコシイ。
次から次へと理想の母親を求めて女性から女性へ渡り歩く放浪癖バリバリ、住所不定、無印のどちらかと言うとヤバイ女蕩しマザコンであるということに最近気づいた。
先述した「善良」なマザコンとの共通点は本人の自覚がないこと。
あっちへフラフラ、こっちへフラフラとまるで根なし草のように水面(世間)を浮遊している。
自覚がないので故意ではなく、多くの男女、とりわけ女性を傷つけてしまうことがあるようだ。
優しさ、情深さが仇となると言っても良い。
援助とか奉仕は一過性で継続的、永続的でなければ、されたほうはされた方は「裏切られた」と感じられるようで、こちらから見ると結果的には「逆恨み」。
物事というものはすべからく時間の経過と共に変容していくものであるのに、人々はまるで人間の心や若さやエロスも永遠不変のように思い違いをする。
この「時間と共に変容する」という真理を理解できないと「約束が違う」みたいに腹を立てる。

マザコンの真理も或る意味で同じだ。
母親の愛は自分が独占するべきで、そうしてそれは永遠不滅で宇宙の運行のように当たり前で普遍的で・・・というような身勝手で自己中心的な思い込みが潜在意識に固く深く刻み込まれている。
少しでも「母親」の愛が他に向けられると寂しがり、怒り、時に嫉妬しイジケルなんてことを平気でする。
マザコンはこれらの状態に対する免疫性が基本的に弱いので、その心は常に散々に乱れ、風に舞う秋の枯葉のようにはかなく、か細く不安定だ。
その不安(愛の喪失)から酒やギャンブル、SEX、薬物、危険なスポーツなどに依存する。
中には仕事に依存(ワーカホリック)して表面的にはマトモな人、有益有能な男として認められているが、心の中は寒風吹きすさぶ未開の荒野にポツンと置き去りにされた独独地獄に突き落とされた無残な老兵のような状態だったりする。
・・・結果、お金をいっぱい稼いでも気が狂ったようにギャンブルや種々の色事、たとえば高級クラブで散々尽蕩したり、愛のない不毛の女性遍歴を重ねたり、最終的には悲惨な全き孤独の中で野垂れ死ぬ・・・なんていうタイプのマザコンだってあると思える。
そう考えるとNHKの番組に登場したマザコンの男性はより健康的に思える。

母親に捨てられた経験を持つホッケー選手を木村拓哉が演じたテレビドラマ「プライド」の中でも、どちらかというと女性にとってはやや魅力的にうつるタイプAのマザコンであるけれど、心の中の寂寥には見ていて痛々しくある(コラム「マザコン万歳」参照)。

母親と息子の関係のバリエーションの多さには、その影響力の大きさには驚嘆すべきレベルであるけれど、これらに対する知識や経験の無さ、洞察の浅さが付き合う女性の側に欠けているとその関係性もとても脆弱で不安定なものになる。
モチロン、ファザコンとマザコンの付き合いなんていうケースもあるが、この関係性はお互いに子供のように楽しく遊んでいる時には良いが、仕事とか金銭とか結婚とか物事を現実的、即ち大人の世界で存在しにくい関係性へと落ちて行くようだ。
何しろ両人共「子供」、それも父親や母親の愛に飢えた子供であるから・・・。

以前にも書いたが父親との関係性の悪かった女性(ファザコン)と母親との相性、関係性のあまり良くなかった男性(マザコン)の組み合わせは結末として先述した理由から最悪なものになり得る。
いずれにしてもマザコンのバリエーションは無限にあって、定型的・表面的なマザコン男性は比較的相当に安全な男と言えなくもない。
いかがであろうか。

ありがとうございました。
M田朋久



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