コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ バイク旅行2015. 8.22

去年と同様お盆休みには泊りがけのツーリングに出た。
昨年は2泊で広島と四国の道後温泉。
今年は山口県周南市。
錦帯橋とか萩とか秋芳洞を観る・・・というワケである。
実のところ炎天下のバイクはとても辛い。
少しくらい走っても全然涼しくならない。
その上、ビッグマシン(1400cc、300kg近く)が結構重く夏の暑さがそれをひどく増幅させる。
つまり夏に好もしい軽さ、薄さ、涼しさと丸反対の状況で、灼けつく太陽に熱せられた密度の濃い空気を突き抜いて走る重量級のオートバイの重苦しさはまた格別に暑い。
そのような前提があっても気の合った好きな仲間との真夏のバイク旅行はとても楽しいものである。
激しい暑気による多少の苦痛も逆に心に残る良い思い出だ。
好きで決断して行動していること自体を「苦」と感じることは或る意味矛盾した意識だ。

初日は曇天の朝。
高速に入ると雨が降ったりやんだりでめまぐるしくレインウェアを着たり脱いだりと忙しくて面倒臭かったけれども翌日の2日目の炎暑と比べると天国のように涼しい。
総勢4人のツーリング仲間もなんとかかんとかブツブツ愚痴を口にしながらも楽しそうだ。

広島のバイク仲間3人がクルマで待っていてくれた山口県境の合流地点でミートすると、そのまま鳥肉とオムスビで有名な某店で約1時間並んで待って30分をかけて食べ、また30分かけて会計をして計2時間あまりの昼の計7人の会食であったけれども、広島の仲間のバカ受け面白トークで時間を忘れ、まるで夏休みの少年たちのようにそれを楽しんだ。
聞けばその広島3人組、小学校時代からのトモダチとのこと。
「仲良きことは美しきことかな」。
ホントに少年のまま大人になって立派に仕事をしているというのは羨ましい限りだ。
男同士の友情というものの或る種の軽快さ、楽しさを垣間見たようで心癒される思いであった。

山口県周南市は広島県よりに位置する人口14万人程の中都市だ。
我が故郷、人吉市よりはるかに大きく、九州で言うと宮崎県の県庁所在地・宮崎市、同じく佐賀県佐賀市とほぼ同じ規模に感じる「都会」だ。
そこのビジネスホテルは朝食付きで何と4,700円。
7時過ぎに投宿し、ビーチサンダルにハーフパンツ、白いリネンの長袖シャツをはおってホテルのフロントに紹介された居酒屋で名物のフグカツ定食を食べ、4人で楽しく語り早々に就寝した。

朝7時に起床し、体操し入浴をして和朝食をそろって食べてバイクを引き出し、9時には出発した。
ガソリンを入れ、走り始めるといきなり暑気当り。
とにかく頭がボーっとして倦怠感が凄い。
次の休憩地点でツーリングのドロップを仲間に宣言した。
病院や老健も気になる患者さんがいて心配でしょうがない。
本音は2才年上の歯科の先生と35才年下、16才年下の仲間のスピードにとてもついていけないと思った・・・というものである。

2日目の晴天は辛かった。
元々カンカン照りは苦手なのだ。
仲間と別れると早々に水を買って道端の木陰を見つけ横になって眠った。
木陰とは言えあまり涼しくはないが、バイクで走っているよりはマシ。

起き上がって高速に入り次のPA、次のSAと休憩を頻繁に繰り返しながら復路を帰路としてノンビリと重いバイクを転がすように走った。
ひたすらに・・・。

PAごとにバイク乗りに話しかける。
若者、オジサン、ハーレー乗り、さまざまの人々が皆心優しく温かい。
色々な情報交換もできる。
言わば同好の志である筈なので同じバイク仲間同士、バイク談義に花が咲く。
これこそバイクツーリングの醍醐味だ。

水とコーヒーと鎮痛剤と耳栓とサングラスと携帯電話の音楽で自分を慰めながら何とかかんとか自分の家まで辿り着いた。
総走行距離約900キロ。到着時間はゆっくり観光して帰って来た仲間と30分しかちがわない。
いかにゆっくり休み休み帰って来たか分かる。

地元に帰って打ち上げのパーティーを焼き鳥屋でしてお盆休みの最初の2日間が疲れながらも楽しく過ごせた。

それにしても歯科医の2才年上の先輩は早いし元気だ。
とても筆者にはついていけない。
その好奇心、情報収集への意欲などなど自分に無いものをいっぱい持っておられるが、何よりも羨ましいのはその気力・体力である。
浜辺に打ち上げられた魚のように、簡単に夏の暑さに日干しになってしまう、自身の軟弱虚弱さをあらためて感じさせてくれる旅ではあった。お疲れ様でした。

ありがとうございました
M田朋久



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