コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ 野菜食2015. 8.10

野菜を中心にした食事で、肉や魚など動物性の食品を摂らない人をベジタリアンと呼ぶ。
晩年のスティーブ・ジョブズがベジタリアンだったが、そのこと(ベジタリアンであったこと)が膵臓疾患の原因のように述べる人がいるけれどもそれは違うと思う。
氏の病歴がどのようなものであったか詳しくはないが、病気になってからベジタリアンになって病気の重さ(膵臓癌)にしては割りに長く生きたと思う。

先日スポーツサイクリストでツール・ド・フランスで7度優勝を果たしたランス・アームストロング氏はドーピング問題で永久追放になったが脳転移と肺転移もあった重い睾丸の癌で、その重い病を克服してサイクリストとしてプロスポーツ選手として最高度の偉業を成し遂げたワケであるからたかがドーピングごときで彼の人の偉業が全面的に否定されることはない・・・と筆者は考えている。
このアームストロング氏も癌からの生還者なのであるが、治療の為に一時ベジタリアンになってブロッコリーを大量に食べて乳製品や肉類を一切食べなかったそうである。
その上に強力な化学療法、放射線療法の施用を受け見事に生還したのみならずスポーツ選手として最高級の栄誉を得るような大活躍をしたのであるから英雄といっても過言でない気がする。

氏の場合、薬物によって生命と健康を得て元気になったという貴重な経験がドーピングという薬物使用を容易にさせたという背景が推測される。

友人奥さんも重い舌癌になってやはり治療目的でベジタリアンになったところ本人も驚くようなスムーズさで完治して現在もピンピンしておられる。
筆者の中学校〜高校の同級生は42才で早逝下のであるがその食生活たるや惨憺たるもので、野菜は一切口にせず毎日ラーメンを食べ、タバコを喫い、焼酎を飲み、焼き肉を食べていたがこれまた見事に喉頭癌で喉を失い肝硬変になり果ては悪性リンパ腫という別の癌になって死んでしまった。
このような例は枚挙にいとまがない程数多くの症例を披露できるがキリがないのでやめておきます。
いずれにしてもベジタリアン云々よりも野菜を食べないことが、こと人間の健康にとっていかに良くないことであることを皆さんよくご承知のようでも、何となく軽視している向きがある。
こうは多分にマスコミの影響であろうと思える。
「野菜をいっぱい食べましょう」なんていうキャンペーンは一度もない。
あの日本広告機構ACですら言わない。
テレビや新聞などのメディアの背後には食品メーカー、酒類・肉類や製薬メーカー、医療関連・健康関連の業種・業態が山のようにあって絶えず「売り込み」をかけているし、メディアは新聞なら販売部数、テレビなら視聴率を稼がないと、それこそ広告料収入を稼げないNHKは公共放送だからと言って油断はできない。
逆に巧妙に企業活動を妨害しないように「野菜キャンペーン」などしたことがない。
先日観たNHKの特番でも腸内フローラ(100兆あまりの細菌叢)についての放映があったけれど、その本質的改善法については「食物繊維」としか報じなかったし、またそれは極めてチラリとしか伝えていなかった。

腸内細菌の重要性については以前から注目されていたが、あらためてそれを科学的に証明する内容でナカナカ見応えのある番組であった。
けれどもやはり「野菜を食べましょう」という具体的な情報発信はなかった。

25年ほど前、即ちバブル以前に佐々木ベジという若手経営者の講演テープを聞いたがこれはチョットした哲学的問答みたいな内容で、特に老荘思想とか日本の武士道などを披瀝したもので素晴らしいものであった。
この変わった名前「ベジ」はベジタリアンのベジで、父親が菜食主義・自然食主義者で長男である息子に強烈に伝えたいメッセージの込められた命名と思うが、この人物はバブル崩壊後に再起した唯一の経営者として今でも50社あまりの企業価値数百億円の会社グループの総帥であり再生事業にも携わって成功させているそうだ。

一方筆者の友人の1,000億円企業の社長は毎日に肉と酒のベジタリアンとは程遠い生活を送っていたが、やはり多くのバブル紳士同様再起できないでいる。

ハワイ・マウイ島での心理セミナーに付き合った時には連日肉中心の夜のパーティーに参加した結果、帰りのホノルル空港で高熱を出してソファーに寝込んでしまって空港職員の方に助けてもらって何とか日本に帰って来た。
クワバラ、クワバラ。
ごく身近な例でも仕事しないでゴロゴロしている夫、勉強も遊びもしないでこれまた家でゲームばかりしている子供など、多く肉ばかり食べているか甘いお菓子やジュースなどを頻繁に食しているのでやめさせる・・・ことは難しいので、とにかく「野菜をいっぱい混ぜて食べさせてください」とその家の主、つまり主婦(妻・母)にお伝えし素直に実行してもらうとみるみる改善して「仕事に行くようになって」「学校に行っている」など嬉しい報告を受けることは何度となく経験している。
とにかく騙されたと思っていただいて構わないので野菜食を試してみてください。
すべてが順調に行くようになるかも知れません。
以前にも書いたように江戸時代の有名な観相家・水野南北に寄ればどんな悪運も厄災も飲食を慎めば退けられると断言しておられて「万に一つのハズレなし」とまで極言していたそうで、ご本人もそれを守り高い身分に引き立てられ倉を何棟も建てるほどの富を築いたとのことだ。
「飲食を慎む」とは酒や肉を控え野菜や穀物などを食べよということで健康長寿食の基本であるのにテレビなどで百寿者が毎日ステーキを食べているとか、肉食などの蛋白質食が人間の寿命を伸ばしたとか誠しやかに放映しているけれども重ねて述べるようにそれらメディアが個人の健康増進を目的に情報を発信しているワケではないことをキッチリと理解しておきたい。
いずれにしても習慣的に野菜を食べないとさまざまな心やカラダの不調が生じるようである。
実際に筆者の子供に対しての助言のほとんどが食事についてのもので、体調不良や成績不振があるときには必ず近々に「何を食べているか」を訊ねることにしている。

とにかく皆さん何としても野菜を食べましょう。
多少高くても何よりもかけがえのない生命にはかえられない。
心やカラダの調子を整えるのに野菜食ほど良いものはないと考えている。
今や国民病とも呼べるほど増加している糖尿病もその殆どが正しくない食事にもとづいていて、その中心は野菜不足で炭水化物の過剰摂取は副次的なものに思える。
ためしに周囲を見回してみて肉や魚だけ食べている人の体調や運気を質問してみられたら・・・と思う。

ありがとうございました
M田朋久



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