コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 単車愛2015. 7.25

現時点で最高最大の趣味はオートバイである。
先日は同じく筆者の趣味であるバスケットボール。クラブに顔を出して練習に参加したが、やはり寄る年波に、心は勝ててもカラダが勝てず、我が62歳の肉体は悲鳴を上げる。飛んだり跳ねたり走ったりと、とりあえず動くことはできるものの、すぐに息が上がって苦しくなる。
ヘタに一生懸命プレイし過ぎると翌日にまで動悸や息切れがつづき仕事がきつくなる・・・ので最近は専らオートバイにまたがってストレス解消を兼ねた個人的には極上の趣味を楽しんでいる。

KAWASAKI ninja ZX14Rという大排気量のBIG Machineはモンスターと呼べるほどハイパワー(200馬力)と絹のように滑らかでスムーズな走りを体感させてくれる駿馬であるけれど、ライディングポジションがロングツーリングにはチョットキツイということから、もう一台所有のKAWASAKI 250TRに乗って月一回の集団ロードツーリングに出かけたところ物凄〜く「楽」であることに気づき、これはチョットパワーを上げて乗ればさらに快適なバイクライフを送れるのではないかと同じくKAWASAKIのW800Black Editionというのに乗り換えてみた。つまりてっとり早く楽をしようと目論んだわけである。

このW800は、14Rとは違う意味で、ナカナカの完成度。少しも疲れないし、それなりの走行性能と中くらいのパワー(48馬力)で300km〜400kmのツーリングなら殆ど疲れを感じずに走れる。

初ツーリングは7月19日(日)。
梅雨の晴れ間の曇天の朝。
8:30に阿蘇方面に向けて総勢15台ほどのオートバイでしずしずと出発した。
スピードもまずまず、走行安定性と爆発的な加速感は14Rに程遠いけれど実用的にはまったく問題がない。
総黒塗りの塗装もノスタルジックでナカナカよろしい。

デザインもややクラシックで映画「大脱走」で魅せたスティーブ・マックイーンの軍用バイクの曲芸的な走りや、若い時の超イケメン革命家チェ・ゲバラの、南米オートバイ旅行を描いた「モーターサイクルダイアリーズ」という映画とかを思い出させる。
イギリス車トライアンフと似た風貌を持つので、「oneceダブリンの街角」という映画も良かったなあ。
オートバイというよりも「単車」と呼ぶにふさわしい味わい深いフィーリングの新しい鉄馬であった。

走行時に最も良い感触を得るのはそのエンジンの鼓動感。低速時にはトゥルル〜高速時にはウィ〜ンといった漫画的擬音がピッタリの優しい響きが耳と股間、全身に心地良い。
二気筒800ccのパワーユニットは単純ながら適当な振動でハンドルやシートを震わせて乗者の脳をホンノリとした快感ゾーンに導く。
それは天空を駆ける龍のような類ではなく、やはり草原を行く馬のそれであるけれど、風と戯れ路面を滑らかに舐める感触はクルマでは決して味わえない。

黒光りした単照灯と先端のメッキ部分が少しの高級感と懐古趣味を満たし、阿蘇の山々の緑とのコントラストがまた絶妙の音と空気と色と振動のハーモニーを奏でる。青空と雲。風にそよぐ草原の緑野。その中をなめらかに這う直道坂道曲道。それらの織り成す世界のすべてが深い快楽を生み出さないはずがない。

それは生まれて初めて経験したオートバイの快楽を最高潮に味覚させてくれた、知人から借りた乗ったYAMAHA RD350の感覚をも想い出させてくれた。
当時の激しくて硬いバイブレーションとと共に、瞬発的な加速力をを、同じく阿蘇のハイウェイの路面を一気に駆け抜け、全身に痺れるようなスピード感と涼風の羽をはためかせ、少年の心を桃源郷へと飛翔させてくれたあのYAMAHAの名車だ。
さらに名車と言えば、HONNDA dream CB750。当時ビッグバイク大排気量マシンの代名詞、所謂ナナハンにも友達に乗せてもらった。その頃はまだ高校生であったけれど裕福な家の友人はそのナナハンを所有していて、タンデム(二人乗り)で制服のまま、跨り熊本市内の繁華街をウイリーして走ってもらった時の快感は天にも昇るほどであった。そのとてつもないハイパワーそして重量感、優越感。あぁん。(笑)

あれから50年。
当時と殆ど変わらず少年の心のままに、さらに自由に駆け巡る草原の曲線道路はまるで緑色雲にすべらせた白灰色の絨毯のようでもあった。

その後大人になって自分の稼いだお金で手にした素晴らしいバイクライフは、暴走族の日常を著した近々の青春映画「ホットロード」に出てくる白のホンダCBR400から始まった。
主人公の男は若いイケメンで、相手役にNHK連ドラ「あまちゃん」の能年さん。
ストーリーは特段変わったものではないがバイクだけを観てしまって物語を把握できていない・・・。
つまりどうでも良かったのだ。
若者の恋愛など中年、老年のソレに比べると実に他愛がない・・・。
ご当人がいかに真剣で生命懸けでも「若さ」が純粋さを表出しているように見えて、性の衝動と純愛の区別をどうしても曖昧にしているように見える。
ちなみにバイク遍歴を順記してみると以下になった。
HONDACBR400(白青)
KAWASAKI GPZ400(赤白)
KAWASAKI エストレア250
KAWASAKI TR250
大型免許を平成10年に取得。
KAWASAKI ZRX1100(緑色)
YAMAHA TDM850(黄と銀)
KAWASAKI GPZ900R(緑)
KAWASAKI GPZ1100(灰色)
YAMAHA MT01(1700cc 銀と黄)
そうして現在のKAWASAKI 14R&KAWASAKI(グリーンメタリック) W800(黒)に落ち着いた。
やたらに気に入っているけれどもこれからも買い替えるんだろうなあ・・・と思う。
愛はどんな愛も永遠不変ではないというのがこの現世のならいなのだ。
ところでいったいいくつまで単車に乗れるんだろうか?仕事と同じく死ぬまで乗っていたい・・・というのが「病膏肓に入った」単車オヤジの本音である。

ありがとうございました
M田朋久



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