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■ 悲しみ | 2015. 5.27 |
映画を観ていて近頃気づいたことがある。 それは殆どの人々の人生と同じように悲しみの含まれないモノはないということだ。 程度の差こそあれ、いくらかの悲しみの彩りがそれぞれの作品に必ず塗り込められていて人々の心を動かす。 悲しみには過去を忘れさせ、痛みを柔らげ、苦しみを甘味に変え、傷ついた心を癒やす力があるように思える。 群青に染まる夜空に浮かぶ星々のきらめきを浴びながらビールを飲んで浮かんできた他愛もない考えであるけれど、いくらか鬱気を帯びた最近の我が心の痛みをいくらか柔らげてくれる「考え」ではある。 仕事をして悲しみ、映画を観て悲しみ、酒を飲んで悲しみ、本を読んでは悲しむ。 とにかく何をしても何とはない悲しみの色が心を染めていて、それは夏の夜空のように重みがなく、はかない青色だ。 そう言えば実写版のシンデレラの舞踏会でのドレスも鮮やかなブルーであった。 ロイヤルブルーと言ってイギリス王室の正式な衣装は青色が基調となっていて、公けの式典の時には大概エリザベス女王もブルーのドレスかツーピースを着ておられるようだ。 ロイヤルブルーというクラブ(夜の店)があって、王室の憂欝と冗談めかして呼んでいた知り合いの弁護士がいたけれど、紺とかブルーとかの色を着ていると気分が落ち着くしジメジメと冷たく湿って重くなった心は61才の肉体までも気だるくさせるようだ。 この美しい星空に溶け込むようにこのまま逝ってしまえば楽なのではないかと思うこともあるけれど、イヤイヤこの世にもまだまだやり残したこともあるし楽しむことも極めたワケではない・・・など多分にエゴイスティックな欲望を満たす為だけに生きているようで本当に情けない。 人前では高潔な人格とか高邁な思想とかを偉そうに説きながらただのエロオヤジそのものではないか。 何を隠そう正真正銘のエロオヤジブルー。 男性更年期うつかも知れないけれどそれにしても性欲・情欲が強すぎる。 いったい我が肉体と心に何が起こったのかは知らないが、激しい煩悩と喪失の痛みとぬぐい切れない悲しみがまるで月夜の晩の自分の影のように決して離れようとせず、表現のできない苦しみを味あわせられている。 そうしてそれこそが生きる、生きているという証かも知れず、どこか諦めにも似た自暴自棄な考えも浮かんだりして相変わらずどうしようもない混乱した頭脳を冠した暗愚な男として生きているように思えて、一日の内に何度も自分に対して「バカバカ」「どうしようもないバカ」と愚言を吐きながらその言動にいくらかの喜悦も感じていて、自虐とか混乱とか悲しみという感情や思考にはいくらかの甘味があるように思える。 文章になってないなあ。 流石に睡眠薬とビールで書き始めるコラムは分けがワカラナイ。 まっ、いいか。 ありがとうございました M田朋久 |