[戻る] |
■ なぜ美人は幸福でないのか | 2015. 2.27 |
かなり以前のアメリカの統計によると或る女子大学生を対象に行った追跡調査で、若い時に美人だったと思われる人々の少なくとも中年から初老までの人の人生の軌跡を見るとあきらかに平均的な幸福な女性のものではなかった・・・らしい。 20年後、30年後、つまり40代、50代になった時にその人がどんな境遇にいるのかと調査したもので、年令を重ねた美貌のままであってもたとえば失業中であるとか今でいうバツイチ、バツニ。 つまり複数の離婚歴があって幸福でない結婚生活を経てきたことがうかがえるし、はたまた独身のままであったなんてのもあった。 少なくとも統計上、美人はみな世間的に言う幸福な境遇ではなかったという結果であって、これについての解説が無く、現在でもそれらの事例を時々経験するので勝手な仮説を交えて考察を試みてみた。 第一に美人と言われる人の多くが心理学、それも交流分析で言うところの「敗者の人生脚本」を持っていることが多い。 即ち意外に思われるかも知れないが、自分は「ダメな人間で自分の人生も決して幸福にはならない」という無意識の思い込みを持って、自然にしていてそれらの方向に人生が流れてしまっているというケース。 それは「美人」というものが幼児期の強烈な愛情不足によって、それを補うために「美しい子供が美しい女性」になる無意識的な魂や潜在意識の要請が生じ成長の過程でそれが具現化し結果的に多くの人の注目を集める魅力的な女性へと進化させられたのではないかと思われる。 これをちがう側面から見ると美人にはいかなる理由があるか不明であるが親の「愛情不足」という人生最大の心の危機を経て深い心の傷を負っているという可能性があると考えられる。 実際に多くの美しい女性へのインタビューを通じて思うのは概ねそれらの人の持つ強い「自己否定」的な感情である。 「私は愛される価値のないツマラナイ女です」という思い込みである。 結果、皮肉なことにとてもオモシロイ女性、かわいらしい女性へと自らを変えていることで生命を永らえてきたのである。 「そんなこと考えたことないです」なんて反駁されそうであるけれど、丹念なカウンセリングでこれを発見することはそれ程難しい作業ではない。 強い「自己否定」が幸福な人生を創り上げるとは思えないので「美人は幸福になりにくい」という結論が導き出される・・・という考えである。 一方「美人」というだけで起こり得る不幸というものがある。 それはタレントになる、芸能人になる、AV女優になるなど何でも良いが美人の向けられやすい芸人というとやはりAVがトップであろう。 とにかくその道での需要が美人にはあるし求められている。 これは風俗然り、夜の店然りであるし、これらの誘惑に美人が乗りやすいという心の側面もある。 何せもともと自己の価値を低く見積もっているのであるから当然の帰結であろう。 また若い頃から男にチヤホヤされるということが心理的な成長にとって好もしい筈がない。 結果的に知的な成長、人格の陶冶という意味でも不利な状況に置かれやすい。 自らの美貌に気付き始めた時にそれを安易に売ってしまうということがあるからだ。 その上若い男で女を追いかけまわしたり、女にモテたりする男にロクな者はいない。 本当にいい男は女に若い時からモテたりしないし、たとえモテたとしても勉強や仕事や趣味の世界に忙しくてそんな暇がないというのが若い良い男の状況である筈である。 若い時から男にチヤホヤされて男たちの目的が自分のカラダであることに気づいた「美人」はさらに良くないことに心の中で男を見下すということを始める。 男というものが元来性欲のカタマリであることは真実であるとしても、そのことを若い時に知ってしまった「美人」は或る意味瞬間的に人生に絶望するのである。 結果的に「美人」は「私はダメな人間ヨ」ということを証明する為に「男はケダモノヨ」みたいな自分の人生ドラマにとって極めて都合の良い「結論」を導き出すのである。 男性を真の意味で愛せない、尊敬できない女性が男性に真から愛されることはないであろう。 男女の間に生じる愛と尊敬の気持ちが人生の幸福の基本であることは言うまでもない。 幸福な女性の物語の例を挙げるならばたとえばこんな風だ。 仕事や勉強やスポーツに真剣にマジメに取り組んでいる立派な男、カッコイイ男性に惹かれる健康な心、勝者の脚本を持った女性。 猛アタックする女性と、或る意味流されて素直に乗せられる男性と女性。 この間には強い恋愛感情ではなく優しく落ち着いた、どちらかというと静かな男女の愛があって、結婚しおだやかな結婚生活を通じて少しずつ愛情が育まれ絆が深まっていく・・・みたいな物語である・・・けれども今の世の中ではまるで絵空事のような話ではある。 今はチョット魅力的な女性であっても簡単に性的関係に発展し、長い不倫関係とか幸福な結末に至らない腐れ縁とか結婚とかとにかく見当ハズレの自惚れとか自己否定とか誤った自己認識によってメチャクチャな人生を歩んでおられる方が多いが、これらのことに全く自覚のない方も数多くおられて悲劇的である。 ついでにこれらの「病」からの脱出法として「あいうえお」の法則というものを作ってみた。 あ:愛すること(自分と相手を) い:癒やすこと(自分と相手を) う:敬うこと(自分と相手を) え:エロスを肯定すること(自分と相手を) お:恩を忘れない、御礼を言うこと(自分と相手を) これらは別に心から思う必要はなく、ごく表面的で良いから、まず自分へのメッセージとして伝えつづけて行くことだ。 何の条件付けもしないで。 ついでに自己否定というのは他者否定である。 自己愛も他者愛も愛は愛で共鳴し合うので、どうか美人の方もそうでない方もありのままの自分を愛しましょう。 ありがとうございました M田朋久 |