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■ カンペル平面 | 2014.12.10 |
バイク雑誌で出逢った言葉である。 フランクフルト平面という言葉と対比されるようで、どうも歯科・口腔外科で用いられる頭部の側面における姿勢の名称であるようだ。 顔を真側面から見た時に耳の穴と鼻の穴を結んだ線が水平になった状態の顔面構造の二次元平面をカンペル平面と称し、耳の穴と目を結んだ線の作り出す平面をフランクフルト平面というらしい。 詳細は割愛するが、このカンペル平面でオートバイのライディングフォームをつくると、良くリラックスして視界も広がって安全かつ“速い”らしい。 一方で、フランクフルト平面で走ると、つまり顎を引いて上目遣いに前方を見る姿勢になるので、ライディングすると緊張して視界も狭まり危険であるそうな。 確かに上目遣いで仰向いた頭位でのライディングを勧めるバイク教本もあったりして実践してみたが何だか戦闘態勢というか攻撃的というかチョットオソロシイ感覚がする。 つまりかっ飛ばして危険カーブに突っ込んでいくという感じになる。 ついでに仙骨(尾てい骨のうえの平たい三角形の骨)を背骨に沿って垂直に立てる・・・てなことをするとさらに良いらしい。 これらはオートバイのライディングフォームについてのアイデアであったのであるが頭の中に少しひらめくものがあって日常生活全般にわたってこれを応用すべきではないかと思いこれについて書きます。 カンペル平面を意識すると顎が少し上がる感じになる。 顎は自尊心の象徴で外見的には威張った印象を与える一方で、身内や親族、特に子供から見ると顎を少し上げて背筋を伸ばした父親もしくは母親は見栄えも良くとても頼もしく映じる。 社会的、精神的問題を抜きにして根拠なの無い自尊心は自分にも他者にも思いのほか好印象を与えるようだ。 顎を上げると視線も自然に上方に向くので青空や星空、街の看板や良いアイデアや気分の良くなる妄想とかも思い浮かびやすくなる。 ついでに歩き方にも影響を与えるようで、自然に背筋が伸び、膝が伸び、歩行の速度がゆったりとしてくる。 セカセカ、コセコセとした歩き方は「俯き」「猫背」の人の特徴と言える。 このカンペル平面を意識していると歩くのが楽しくなってくる。 ドイツ人の巨匠ヴィム・ベンダース監督の「パリ・テキサス」という映画では流れ者の主人公が立派な父親演じる為に「顎を上げること」を指導されるシーンがあって、何故かとても鮮明に記憶に残っている。 またリチャード・ギアの出世作「アメリカンジゴロ」でモテモテのジゴロ役リチャードさんがモテナイ刑事に教えを乞われて顎をス〜っと上げることを勧めるヒトコマもあったりして、このカンペル平面に関わる数え切れないエピソードや知識が記憶の海から次々と浮かび上がってくる。 以前瞑想を毎日していた時期があって、この姿勢と通ずる気分にも浸れる。 ありがたい「カンペル平面」というkey wordではある。 何せ気の通りが物凄く良くなるのだ。 思考が明瞭になりリラックスし、呼吸が楽になり、ついでに明るい気分もしてくる。 どうかお試し下さい。 あらゆる場面・状況に応用できると思います。 ありがとうございました M田 朋久 |