コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ ロマンス2014. 8.21

最近はあまり語られなくなったけれどロマンスグレーという言葉があって、いつも二谷英明という俳優さんを思い出す。
中年以上の男性の髪が白くなっていって逆にロマンチックになっている男性をさす。
つまり女性から見て魅力的ということだ。
ケーリー・グラントというアメリカの男優さんのように黒々とした髪の若い時より、50代になって白髪になってよりハンサムになっている人を欧米人には、時々見かけるが日本人の場合、白髪はあまりに合わないそうで、それは肌色とか顔の骨格に理由があるそうで、普通の日本人の男性で見かけを気にする人は白髪染めをしている。
岩城滉一とか坂本龍一とかは白髪にしていてもカッコイイが、やはり少数派ではないだろうか。

時々やたらに年上の男性を好む女性がおられて、ファザコンならぬジジコンみたいな人がいて白髪だったり加齢臭があったりすると逆にその男性に強く魅かれる・・・ということがあるそうだ。
一般に女性は父親をとおして男性全体を見てしまうので、父親にたっぷり愛された女性の場合ファザコンになって年上の男性を好み、祖父に愛育された女性の例では極端な年の差婚に至るような恋愛にハマることもあるようだ。

筆者の場合、35才の時から白髪染めしており、かれこれ25年間も毎月染髪してきたワケであるが巨人の監督の原辰徳もそうだそうでさらに親しみを感じる。
一回だけ白髪のままにしたことがあって、これは茶髪にした時と同じくらい看護師さん達に不評ですぐ染め直しをして今でも月1〜2回染めている。
とても面倒でイヤなのであるけれど仕事の為だ、仕方がない。
医者、役者、芸者、易者、・・・どれも人気商売だ。

ヴィジュアルも大事なのである(そうじゃないかも知れないが)、特に際立った高度な技術を持った外科系のドクターとちがって医者の技術のみならず一般開業医としては人間関係能力、言葉の能力、知識、情報、知恵、サービス精神、身なり、マナーなどあらゆる側面における人間としての魅力を備えておかないと安心できないという個人的な考えもある。
多分臆病なのである。
自分を飾ることが好きなのである。
それをオシャレというならそうであるけれど以前にも書いたようにおしゃれは仕事のモチベーションアップに結構な比重を持っているので仕方がない。

ロマンスの語源は「ローマ的」ということらしい。
ローマ的イコール恋愛的と言えるのであろうか。
欧米の芸能人、とりわけ映画スターなどはかなり御年を召されても華やかなロマンス話やスキャンダルの種を撒き散らして結婚、離婚を繰り返してその道ではとてもお元気な方がいっぱいおられて頼もしいが、日本人の場合はどういうワケか年齢が上がるにしたがい「年甲斐もなく」とか「いい年をして・・・」とか世間的な批判や悪評のネタにされることが多い。

その点、先日亡くなった作家の渡辺淳一氏は自らの純文学から官能小説への変遷と同期するように不良ジジイ「いい年をしても一生懸命遊びましょう」なんていう主張をされていて「元気な人やなぁ」なんて羨ましくもあったけれど、自分も60を過ぎてあまりエロスの減弱を感じないし、ますます女性への興味・関心について研ぎ澄まされた感覚がさらに磨かれた感じで、日常のささやかな事柄に強いエロスを感じている始末で少々それらの欲求を持て余し気味である。

これは全く想定外の事態でロマンスグレーならぬロマンスグルイと言った按配である。

少年時代、それも中学生時代に学校で学業成績のトップだった男で東京大学に入学した同級生は寮での勉強時間にロマンス小説を熱心に読みふけっていて不思議であったけど、真似をして読んでみたがチットモ面白くない。
晩年は官能小説家として名を馳せた富島健夫という作家の作品だけは小学校就学前に読んでいて、卒業したのかやはり週刊プレイボーイのようなヌード写真が載っている雑誌の方に凝っていてかなりコレクションをしていたが母親の突然の家探しにあって没収されてしまってこの時には軽い憎しみを感じる程のショックを受けたものだ。

ロマンス小説と官能小説はマッチングがとても良いらしく、ハーレクインロマンスなんて言うどちらかというと女性向けの書物はこの両方を備えた優れモノであった。
今はフランス文庫とか妻たちの性体験シリーズとかコンビニでも売っているお手軽な官能小説も今ひとつピンと来ない。

もともと小説というものはどこかしら官能的で、本屋に行くとエロスの匂いがムンムンしている。
本を立ち読みしている女性がいると何だかとても煽情的に見える・・・のは自分だけだろうか。

ロマンス、色恋というものには必ず苦しみ、悩ましさがあってこれは官能の喜びを凌駕するものではないが嫉妬とかの妄想とか独占欲とか愛欲のバランスの悪さなど時としてその個人に相当の苦しみを与えるようで、その苦痛から逃れる為に盗撮したり、下着を盗んだり、特定の女性(男性)を追いまわしたりとストーカーかストーカーもどきの行動に走るものも中にはいる。

一定の認耐力、即ち恋の苦しみに耐える力がない人には恋愛をする資格はないと思うけれども、身を焦がすような恋心を持つ人というのは考えてみると幸せな人間であるとも思える。
そのようなエネルギーを持っているということは若さと健康な肉体(精神については不明)のなせる業であろうし、人生においてロマンスのなさというものが如何に殺風景なものであるかは想像に難くない。

夫婦間でも恋人同士でも、即ち家庭でも職場でもほのかな恋心ほど人生生活に心地よい色どりを与えるものはないと思うのだけれども、それがギャンブルであったりグルメであったり贅沢な趣味や遊びであったりする人々も多いので断言はできないけれどロマンスというものが芸術とか文学とかの大切な構成要素であることはマチガイない。

この世に存在するありとあらゆる物質(?)の中で女性の肉体に勝る美しいものはないと思えるけれども、それは金銀宝石と較べてとてもはかなく、うつろいやすく一瞬の輝きを放つ花火の光芒のようなものであろうけれど、だからこそその美しさに魅せられ、心狂わされ懊悩する・・・。
あぁ悩ましいにゃあ。

ロマンスグルイのつぶやきでした

ありがとうございました
M田朋久



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