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■ 痩せたい! | 2014. 7. 3 |
今は「痩せる」というのと「ダイエット」が同義語になっているけれど、本来の意味は「痩せる」は疒(やまいだれ)になっているように、一種の病的状態でダイエットとは食餌療法全体、中でも制限食・規定食のことで健康保持の為に食事の量や種類を制限することである。 現代は肥満の時代だそうで先進国、とりわけ米国の肥満度は極めて高く60%とか80%とかと言われている。 スポーツ番組などでもメジャーリーガーの3割から4割は肥満で、観客にはもっと多く言葉は悪いが肥満者が恐ろしいほどおられる。 幸い日本人の場合、肥満率は先進国中最低のレベルで3%以下である。 これはお隣の韓国よりも多いが大した差ではない。 外国で見かける韓国人の女性は確かに日本人と同じように痩せておられる。 痩せている=美人みたいな美的感覚が両国民の中に強くあるのであろう。 女性の中にはとにかく異常に痩せたがる人が多いようで、病的に肥満していない人ならそのままで良いのではないかと思うのだけれどもダイエット=健康志向という世の中の流れもあったりして、これらを支援するサプリメントや運動器具の会社は大盛況のようである。 昔の人、即ち昭和初期から20年代の男性においては「痩せている」というのが男としての魅力を減ずるという感覚があって、恰幅が良いとか軽い肥満体を良しとする時代があったようである。 今でもそれらの世代の方々は太りたいと言って来院される方も時々おられる。 幸か不幸か筆者の場合、子供の時以来一度も肥ったことがなく、久々に会った人などからは常に「痩せたネ」と言われることが殆んどで、それも数年間言われ続けたので理論的にはガリガリの骸骨か針金みたいになっている筈であるけれども確かに標準の体質と身長のようで中年特有の腹部の膨満(?)や太鼓腹も無い。 これは遺伝もあるかも知れないけれど、食事の後に気分・テンションが下がって眠くなるということがあって仕事とか大事な用事の時には極端に少食にするか食べないようにしている。 ただし「借金の申し込みをする時には腹いっぱいメシを食べて行け」という知識があって、人に頼み事、特に借金などの場合、食事をしてからの方が良いらしい。 顔つきが卑しくなるからであるようだ。 とにかく年がら年中ダイエット(食事のコントロール)をしているような按配なので肥満しないのは当たり前である。 ちなみに普通のウィークデーの食事の仕方を披露してみると、まず朝は野菜ジュースにオリーブオイルを20〜30ml入れたモノを看護師さんに用意してもらって飲む。 これはオリーブオイルの良い効果、肌のうるおいとか便通の良さを狙ったものであると同時に著しく食欲を削ぐので朝食や昼食を食べたくなくなるので痩せたいと思われる方には好都合と思われる。 昔は昼休みには昼食をとっていたが今は昼休みにまるまる長い昼寝をする。 食事をして眠ると起きた時の気分が物凄く悪いし、午後中不調だったり夕方に強い疲労感が出たりするので自然にこのやり方になった。 一日の食事の一回目は午後4時である。 冷めた病院食を腹六分か八分くらい摂る。 結果的に宴会とか会食とか晩餐会とか、とにかく普通で言うところの夕食はしない。 時々そういう機会が生じた時には午後の食事をパスしたりする。 夕食を6時とか7時に、それもアルコール付きですると8時から9時頃には気分が絶不調で、あちこち痛くなったり頭の働きが鈍くなったりして最悪になる。 特に10年以上前から歯が痛くなるから不思議だ。 ・・・というワケで益々人とのプライベートにおける交流が少なくなった。 生活のパターンの中心である食事の大切さが如何に大きいか分かる事実である。 夜食は食べる。 就寝前に食べると肥るという説があるが、これは多分嘘だ。 少し目のおいしい夜食は甘い眠りを誘い、寝心地も目覚めも良い。 万人向けのアイデアではないけれどこんな風であるので肥満とか糖尿にはならない筈だ。 恐らく1日の摂取総カロリーはせいぜい1000kcalから1200kcalくらいではないだろうか。 糖質(炭水化物)もそれ程制限しているワケではないけれど、少なくとも血液検査の数値は何もひっかからない。 当然と言えば当然、年中ダイエットしているワケであるから。 「痩せたい」の為ではなく健康保持の為に・・・。 気分よく生きていく為に・・・。 暴飲暴食、大食大酒が出来る人がいるけれど、余程体力やスタミナがある人で元気で健康な人と思える。 筆者のように虚弱体質の人間には食事の制御というのは良質な人生にとって必要欠くべからざるものである。 母親がとにかくウルさかったからこうなったと思えるので、今思えば本当にありがたいことである。 「食育」という言葉があるが母親はこれのカタマリみたいな人でしつこくクドクドしく子供に説いて強いた人であった。 女性の中には体重を気にする人が多いけれど、それよりもプロポーションの方が余程大切であろうと思える。 「痩せたい」より「スタイルが良くなりたい」「美しくなりたい」と置き換えた方が良いのではないか? 筆者の理想とする女性のプロポーションは陸上競技の短距離走者のそれで、これに日本人の優しげな顔がのっているともう最高である。 彼女らが「痩せているか」というとそんなことはなく、とにかく丁度良いし筋肉が適当についてい素晴らしく美しい。 同じ陸上でも長距離走者になるとこれがまた全員痩せておられる。 ・・・とすれば痩せたいと願う人は長距離走者になれば手っ取り早いのではないかと思える。しかし基本的に有酸素運動であるから酸化つまり老化を促進する・・・理論的に・・・。 筆者の友人の中でも○○マラソンとかに出場されるアマチュアランナーの方はとにかく可哀そうなくらい痩せておられるけれどいたってお元気そうであるが若々しいということはない。光線老化という皮膚の老化の最大の原因が日中のランニングに襲い掛かる。日本中のマラソン大会がなんで盛況なのかわからない。少なくともアンチエイジングには不向きなスポーツである。ちなみに若く見える人はデータ的には長命であるそうな。であるなら「見かけ倒しの若作り」にも健康増進には意味があると言える。このような理由から女性がゴルフやテニス、サッカー、ウォーキング、ランニング(昼間)などのアウトドアのスポーツを日常的に親しむのには反対である。 運動が痩せるというアイデアはこれくらいしか思い浮かばない。 1日3食を食べて痩せたいならば、やはり今大流行の糖質制限ダイエットが効果はあるが、その安全性については良く検証されていないそうだ。 筆者のように食欲の薄い人間とは違い「食こそ人生」みたいな人々にとって「食べる楽しみ」の意義は大きいと思える。 それらの人への提案としては食事表を作ることをお勧めしている。 自分の口に入れるすべてのものを全部書き出して時系列で記録しておくのだ。 写真を撮るというのはもっと良い。 それらを眺めながらその量と質と回数をあらためて検討するのである。 量と質については肥らない食物を選択し良質の脂肪と共に摂食すると良い。 満腹感も得られるし効果が高いと思える。 食事の回数も大切で理想は1日1食であるけれど栄養と労働との問題もあるのでできるだけ間食の甘食、つまり甘い物を朝昼夕の食間に摂らないことだけでも結構効果がある。 お湯を飲むというダイエットもある。 お湯は油ほどではないが空腹感をかなり軽減してくれる。 油をそのまま食すると気分が悪くなり胃にドカッとくるので、これを食欲制限に使おうとワケである。 高度肥満、たとえば体重100kg以上、BMI異常高値に限って処方されるマジンドール(商品名:サノレックス)も効果が高いがこれは邪道と見ている。 何よりも正しい食事療法が一番だし健康に良い。 胃腸を手術して吸収を抑えるとか脂肪吸引とか、とにかく「痩せたい」という意志さえあれば普通の肥満なら割と簡単に実現しそうに思えるけれど・・・。 テレビで出てくる人のような高度肥満の人々にとっては深刻な問題で、先日観たスーパープレゼンテーション「肥満予防」では余命6年とか言われた少女が出て来て結構ミゼラブルである。 現代の食事事情の不健康さには目も当てられない程である。 コンビニやスーパーに並んだ数々の添加物にまみれた加工食品の数々には圧倒される。 油と塩と砂糖とでとろけるほどおいしく加工された牛乳とか菓子パン、冷凍食品を日常的に大量に摂取していたら健康を害するのは当たり前だ。 また痩せたい人はすぐに「運動」と考える方がおられて、医療関係者も糖尿病治療と同じようにこれを勧める傾向があるが、これには基本的に反対である。先述したように特に歩くというのには強い抵抗がある。人間の歩行は地球の強力な重力に抗して二足でするのであるが、これは膝と腰にかなりの負担を強いるだけでなく、筋力をつけるという側面からも時間と労力の割に効果が薄い。 さらに交通死亡事故のデータ的にもバイクの100人に対して歩行60人クルマ3人飛行機0.02人とかなり危険な「運動」となっている。ちなみに歩くことを中心にしているゴルフもスポーツ死亡事故の第一位となっている。さらに循環器疾患などのリスクも考えると走るなんて持っての他と思える。いかがであろうか? 実際に糖尿病や肥満を治そうと一生懸命歩いておられた方が2〜3年で老け込んで果ては病気になっちゃったなんて例も結構多い。 痩せるには、何よりも1に食事2に食事3にも食事と考えた方が良いと思える。 「痩せたい」という欲求が「健康になりたい」につながれば良いのになぁと思いながらこれを書いている。 「痩せたい」という切実な欲求を持つすべての人々に祈りを込めて一筆してみた。 お役に立てれば良いのであるが・・・。 ありがとうございました |