コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ マメ2014. 6. 7

多くの男にとって女性の愛や好意を受けることが、いかに重要であるかは、生物の繁殖の本能として当然のことである。また生下時から一定の年齢を生きるまで、母親の愛情を確信するか否かは、その生死や健康に関わる重大な問題であるので、母性の絶対的具現者である特別の女性、即ち母親の愛を獲得しようとして人間、とりわけ男が頑張るのは至極自然なことであるのだ。一部の女性にとってもこの傾向をもつこともあるが、男にとって程差し迫った問題ではないような気がする。それは繁殖という側面が女性ではやや弱いからであると想像される。何よりも女性であることが即母親としてのポテンシャルをその身に満々と秘めているのであるからそのような性向は不必要なのかも知れない。

元祖モテ雑誌、レオンという中高年向けのファッション誌のコンセプトであるーモテル何とかーというような類も、全く奇異なことではなく、絶対多数の男たちにとって普遍的なモテたいという性向を正直に表現したまでなのだ。

昔から女性にモテる男性の特徴を「ナリ、マメ、カネ」と表現する。
ナリとは服装、ファッションのこと。
清潔感があり、今風に言うとダサくない、感じの良いオシャレであることが大事であるそうである。
要するに見た目、ルックスは結構大切なモテる要件となるようだ。
物凄くオシャレ、たとえばあまりにファッショナブルだと逆にヒク女性もいるらしい。
男性からすると少し女性的なくらい着る服にこだわるのがオシャレの基本であるが、あまり凝りすぎると男らしさの特徴である素朴さ、素直さ、単純さ、野性みたいなものを毀損してしまうこともあるらしい。
いずれにしても男女共、見た目は大事であるし、ことファッションについてはその人物の知性とかセンス、教養まで表出されたりするので或る程度磨いておくことが望ましい。
またビジネスシーンにおいてもそのファッションセンスはマナーの洗練でもあるし、仕事の出来る人の服装のコーディネートがクライアント、営業先、取引相手、上司・部下との人間関係などで多くの仕事の要件として結構重要なものと考えられる。

仕事のできる男という印象はモテる条件でもあるので、この「ナリ」の重要さも見逃せない事実でもある。

モテる要件としてのカネは、特に日本人の場合は先進国中最高の重要度であるらしい。
特に女性の年齢が高くなるとこの傾向が、少なくとも結婚の対象を求めている女性については強くなるようである。
ごく若い時、つまり思春期から20才前後までは男女共性欲が著しく亢進するので「若気の至り」という感じで、或る意味後先考えず衝動的に相手を選択してしまう傾きがあって、これは社会的には決して悪いことではないと思える。
若い男女がその経済性を根拠にせず「愛」とか「情欲」とかで発作的に婚姻の契りを結んでしまうのもあながち悪いことではない。
若い女性が、ひょっとして少し美人だったりして「夜の道」特に高級なクラブとかのホステスかなんかを経験すると、それらに出入りするロクでもない男に引っかかったり、またお金持ちの男性とかデキる男とか鑑定する眼力がついたりして、結婚相手について「目が肥えて」きてしまって所謂「いかず後家」、昔で言うハイミスとかになってとうとう独身で大切な時期を過ごしてしまったナンテことがママあるようだ。
それはそれでご縁であるから仕方が無いが、若い娘を持つ親としては少し心に留めて置きたい情報である。
すべての社会勉強が必ずしも有益ということはなく、有害なものもかなり世間にはあるものだ。

その年令に応じて段階を踏んで経験を重ねていく方が最終的には人生を安定させ、しっかりしたものにするらしい。
若い男女があまりにも無知でも困るが、ある程度素朴で幼稚で幼いというのもあながち悪いことではないのだ。

現代のように若い時にネットやテレビやケータイで「大人の情報」が子供や若い人に流れるのはあまり好もしいことではないと思える。
現代の、特に日本社会の金銭、経済的価値を基準とする人間判定について問題が多いし、またそれらとの情報処理能力、受容力について未成熟であることは否めない。
R15R18禁とかで、ある程度の「情報隔離」はことに子供にとって必要なことなのである。
正しい適切な時宜に応じた勉強をしてもらう為に・・・。

前置きが長くなったが表題に掲げた「マメ」について書いてみたい。
男性の場合、女性についてのマメマメしさは結構その付き合いについて重要であるようだ。
実際に色事に長けているというカ、その道ニ熱心な男性の多くがケータイ・スマホなどの通信機器を手にしてメールなるものを頻繁に打っておられるが、これなど殆んど女性に対してであろうと容易に推察される場合がある。
その人物の服装、物腰、態度、雰囲気にあきらかに漂わせており、且つまたその頻用性において他に仕事や用事でもあるまいに・・・と思えるからだ。

これは女性に対する情熱の証であるので、その行動そのものに問題は無いけれど、ここで述べる「マメ」とはそのような行動を含めて女性に対する努力と工夫とか即ち好みの女性を獲得する為の働きかけのすべてを指している。

つまり女性と付き合うことについての油断の無さ、用心深さ、心理的やりとりについての敏感さ、センス、工夫など総合的なその男性のポテンシャルと行動の全体について一言で「マメ」とひっくくっているという考え方である。

これらの性向や気質は恐らく子供の時に育まれ、ことに母子関係(母親と息子の相性)が不調であった男性の場合、女性(母親)の心理についての或る種のおびえに基づいた推測、母親の表情や態度の背景にある真の意図や隠された感情などを読み取る癖が自然についてしまい、それが長じて女性全体に対しての或る種の緊張感、鋭敏さ、それに因した情報収集などの行動が生まれ、自然的にそのようなマメさが生じているのではないかと考えている。

実際の母子(母親と息子)の相性が極めて良好であった場合、息子の側の女性への安易な考え方、即ち「自然な状態で自分は異性(母親を代表とする女性)に愛される筈である」というマチガッタ(?)認識が生まれ、適切な努力や工夫を怠ってしまい結果的に女性にモテないという現象を招いてしまうようだ。
この理論は女性の場合は丁度真逆となってしまい、基本的に女性は受け身で恐れが強いので父子関係(父親と娘)の相性は良好なほど「自分は黙っていても自然にしていて異性(父親)に愛される筈だ」という根拠のある自信になって表出され結果的に異性(男性)にモテる女性となるようである。
この理論は毎日の診療を通じて割と正確に顕出され実際に「枚挙にいとまがない」というほどである。
そのような「御縁」のない方に対しての助言として、男性については、マメさや「頑張る」ことを勧め、女性については、「安心」や心配しないこと、自信を持つことなどを奨励したりする。
いずれにしても、男女とも異性に異様に人気がある、即ちモテル人々の多くに何らかの心の病を抱えているケースがあり、世間の一般的認識のように、穏やかで円満な人格の持ち主にはそのような傾向の見られにくいとみている。男女関係の華々しい人々はやはりビョーキなのかも知れない。
男の場合「ケンカが強いのと女にモテルのは自慢にならない」という言葉があって全くそのとおりとは思うけれど、何かしら気の毒な生い立ちのためにそうならざるをえない理由があることも知っておいて損はないと思える。

筆者の場合、別の理由があって母親に心理的に長く苦しめられた(強く愛される)経験や思春期に負った深い傷によって女性の心理についての強いおびえと用心深さから多くの女性の心理についての研究を書物で実践し、恋愛の度にこれらの本を多読して情報の収集を怠らなかったことはない。
それでも女性の心理については我ながら物凄く疎くて、今でも色々な女性から責められ説教をされる。
こういう女性の心理についての洞察が生来的に気質として長じているという男性も時々おられ、このような男性は大した努力もなしに女性にモテるようであるが、若い時はいざ知らず60代の筆者から見て羨ましいと思ったことはない。

以前、ヘレン・ハントとメル・ギブソン共演の「ハート・オブ・ウーマン」という映画があって、主人公の男性(メル・ギブソン)が何かの拍子に女性の心をありありと鮮明に正確に知ることのできる能力を備えて大変便利であるなぁと瞬間的に羨ましいと思ったけれど今はそうは思わない。

何故かというに以前も書いたことがあるが男女の心理的齟齬そのものが恋の物語や人間ドラマの中心であろうと思えるし、このズレこそが人間関係の妙味であろうと思えるし、男性が男性らしく適当に愚かであることの方が何かしらの「男の魅力」と思える。
勘違いかもしれないけれど・・・。

ありがとうございました
M田朋久



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