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■ 風防 | 2014. 5.21 |
五月。 風の季節だ。 田舎の草木を撫で、川面を揺らし、街路樹の青々と繁った新緑をわたる五月の風は一年で最も心地良い感覚を身体中に呼び覚ます・・・。 筆者はバイク乗りであるので、風には強い親しみを感じるけれど、モチロンその対策として防風性の強いバイクジャケットを身にまとい、堅牢な造りの高級なヘルメットをかぶっているがそれは防寒と同時に防風としての機能を持つことに最近気がついいた。 全ての乗り物には、たとえば自転車や牛馬やラクダを除いて風よけというものがついている。 またついていなくても最低限、人間の目を風から守る為にゴーグルという便利なものもある。 いずれも風を意識したもので、この時期つまり薫風の頃の眩しい光あふれる大気には心とろかす喜びが満ちている・・・ように思える。 けれども風は、大気は飛行機を空中に浮かべ、帆船にながく永久的な航海をさせると同時にロケットや自転車、オートバイ、人間の走歩には強い抵抗を生じせしめる。 それはそのスピードと共に加速度的に増幅され、風をさばく流線型や種のエアロパーツとしての形状をその移動の道具、乗り物に強いる。 最近日本の新幹線が再び世界最速を記録したそうであるが、その最新型の先頭車両の形状は極端に長く、細く、大きく人々の想像を超えるエアロデザインになっている。 あらためてスピードを出すということについて風の抵抗の重要性を感じさせる ところで風防という言葉には筆者の感覚で何かしら甘いノスタルジックな感興を呼び起こす響きがあって、それはゼロ戦のあの当時は画期的であったその形状とポルシェの初期型のオープンカー(ジェームス・ディーンがそれに乗って死んだ)の小さな風防とオートバイのカウル(風防)と映画「アラビアのロレンス」の導入部でオートバイに乗り、ゴーグル(風防)をはめてイギリスの田舎道を疾走し動物を避けそこねて転倒死する場面が最も心に残る。 ちなみに筆者の場合、オートバイの出てくる映画は殆んど100%好きになり、最良はトム・クルーズの出世作「トップガン」、次に「ドラゴンタトゥーの女」以下アラン・ドロンの「あの胸にもう一度(この作品はオートバイそのものが主役となっている)」、「愛と青春の旅立ち」「モーターサイクル・ダイアリーズ(世界的革命家として名を遺したチェ・ゲバラの若い頃の冒険を描いた作品)」などがある。 話を戻すが風防の役割はその名のとおり風を防いでくれる装置で、オートバイに乗るほとんどの人はこれを意識することはない。 特に日常の足、日常の道具としてのクルマにはフロントガラスとして全く当然のように存在していて、その威力や効果について人々の脳裏に意識されないでいる。 結構重要なパーツであるにもかかわらずだ・・・。 風に限らず世の中にはさまざまな種類の抵抗や攻撃的な事柄について防ぐ、守る為のささやかな道具・機器・装置・システムは存在している。 そうして多くの人はソレに気づかない。 意識しない。 そのアリガタサに・・・。 筆者はオートバイに乗る時に耳栓をする。 この小ささ、柔らかいグッズは高速走行における快適性をバツグンに高めてくれる。 それと同時にヘルメット、カウル(風防)、バイクジャケットなど風にまつわる多くのイヤラシイ不快適さを取り除いてくれる。 風の心地良さもモチロンある。 日本の五月の風はまた格別だ。 それでも台風、ハリケーン、突風、竜巻など水と同じように風もまた物凄い脅威ともなりうる。 風水という呼称のひとつの占いがあって、人類や地球にとって風水の働き、流れについての人間の洞察が物事や日常生活の快適性、つまり運気や気の流れの重要性を語ってくれている。 これに光という要素が加わり、方角とか家相とか土地や地形の選択で大切な示唆を与えてくれる。 これらの考え方を取り入れずにたてられた建造物や家内の部屋や家具の配置が人間の「気」に影響を与えない筈がなかろう。 仲間との楽しいバイクツーリングを通じて風の心地良さと同時にその厳しさ、激しさについて思いつくままを書いてみた。 人間は多くの自然・人工物によって驚くほど絶妙に守られている。 地球には大気があり、水があり、引力があり、食物(植物・動物)があり、光があり、人間生活には家があり、門があり、法というシステムと警察があり、医療のシステムがありさまざまの社会制度がある。 先年、法律上経済上の苦境に立たされた時に、我が法人、筆者個人を救ってくれたのは、意外にも弁護士さんであった。それも正義漢の・・・。優秀な・・・。企業とか会社というものが、もともと法的に規定された存在で、法律家の守護というものが必須であることを初めて知った次第ある。社会のさまざまな外圧をはねのけ成長発展しつづけるためには、有能な法律家の防護即ち「風防」風よけは大袈裟な表現でなくときに「守護神」そのものなのである。 それらの「風防」ついてひとつひとつを分析し、改善していくのも時に大切であろうし、またそれらに意識して感謝することも忘れてはならない・・・と思える。 ありがとうございました M田朋久 |