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■ 家出少年 | 2006. 3.17 |
小学生の時は、しょっちゅう夜中に家出をしていた。 原因は親の夫婦げんかだ。 今で言う、ドメスティックバイオレンス。怖いですネ。 弟や妹によると、父親は私にもかなり暴力を振るっていたそうだ。 全然覚えていない。 多分、父親のことが大好きだったので、無意識に記憶の底に沈め、思い出さないようにしているのだろう。 自分への暴力は、いまだに少しも思い出せない。 2階の便所の窓から「逃亡」して、街をうろつく。 もちろん裸足だ。 深夜の戸外は、夏でもかなり寒くなる。 最終的に落ち着くのは、自宅の車の中。 かわいいものです。 ガタガタ震えながらも眠ってしまう。 しかし悔しいけれど、朝目覚めると、必ず家のふとんの中だ。 プチ家出少年物語。 だからかもしれないが、家族とか、家庭とか言うと、甘く強烈なあこがれと同時にオドロオドロシイ恐れも混じる。 反射的に逃げ出したくなる。 なんだか悲しい話ですネ。 お涙ちょうだいではないですけど、案外その当時はもっともっと悲惨だったのではないかしら? 何せ年端もいかぬ子どもですから。 少年時代の顔を見ると、オドケた表情の底に恐れと悲しみが見て取れる。 この頃気づいたことですけど。 ありがとうございました。 濱田 朋久 拝 |