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■ 涼しい冬 | 2013. 2. 6 |
毎月1回の仲間との日曜バイクツーリング。 楽しみにしていて、集合の朝2時間前には起きてルーチンワークの体操・筋トレ、墓参りを済ませてみんなでミーティング。 いざ出発・・・と思ったら携帯がブルブル。 「先生、患者さんです」「何それ・・・」「イヤ、今日は当番医ですけど・・・」「・・・ハイ」トホホ、何じゃこの事態は?何も聞いとらんぞと思いながらそれ程ガッカリしていない自分の心に気づいて怪訝な心持ちになった。 何しろ職員の人たちにも公言しているように「仕事は好き」なのだ。 バイクか仕事か問われれば、仕事と即答する。 これは本心である。 だからツーリング参加なんぞより日曜日であろうと診察室で患者さんを診ている方が明らかに心理的上位にあるので、逆らわずただちに気持ちを切り替えてライダースーツをビジネススーツに着替えて、わが診療所の診察室に自らの身体を坐させた。 とにかくホームポジションというのは居心地が良い。 いつも温かく迎えてくれるスタッフがさらに心地よい。 当番医がたとえ暇であろうと、多忙であろうと心おきなく自由な気分で過ごせる「自分の居場所」があるというのは誠に有難いことである。 ところで今年の正月に、たまたま気紛れに寄ってみたバイク用品屋さん、南海部品宮崎店で新しいバイクジャケットを衝動買いした。 白地に今年のラッキーカラー、黒と金の横線。 ロゴはBrave。 その下に小さくknight of patriot愛国者の騎士、勇気・・・何のことか分からないけれど、このmade in chinaの安物のジャケットはナカナカの優れモノであった。 紙のようにペランペランで、軽くいかにも安っぽいのだけれども、ちゃんとプロテクターらしきものが内装されているし、とにかく暖かい。 その軽さと暖かさのギャップがとても新鮮であった。 本革のブランド品、国産のブランド品よりははるかに性能が良い。 このジャケットの入手によって、夜のソロツーリングにさらに拍車がかかった。 今冬は例年より寒気が鋭い・・・にもかかわらず、高性能(?)のバイクジャケットと、ホームセンターで手に入れた980円の防寒暴風グローブで厳寒の冬がバイク乗りにとって嬉しい、涼しい冬になった。 割にチープな装備であるのに、その効能が高いのには驚かされる。 軽装でスポーツするのは或る意味カッコイイ。 上手に見えるからだ。 スキーのウマイ男はジーンズで滑る。 滅多に転倒しないからだ。 同じようにバイクも、ウマイ連中はとても軽装。 夏はTシャツなんいていう男もいる。 真冬にヘルメットとバイクジャケットとグローブ以外、全くの普段着で乗れるのもユニクロのヒートテックのおかげとも言える。 冬のファッションが全体に薄着になれたのは暖冬のせいばかりではない。 防寒装備が整っているからだ。 Made in Chinaが防寒において優れているのも当然と言えば当然。 中国北方地方の寒さは半端なものではない。 その地で作られた防寒グッズが高い機能を持つのは理の当然であろう。 気温10℃以下が本当のバイク乗りのナイスコンディションだ。 ピリッとした寒さが空腹な肉体に心地良い涼しさをもたらす。 首と肩と腕さえ冷やさなければ冬のバイクは快適そのもの。 名刺2枚分ほどしかない僅かな接地面で地上を滑る二輪の自動車は、50代最後の1年の男の心をしびれるような陶酔感へと導く。 素晴らしい高性能オートバイと軽く暖かい防寒装備、そして何よりもまだまだ軽反応をとれる我が肉体に感謝しながら「涼しい冬」を楽しんでいる。 本当に有難いことである。 ありがとうございました M田朋久 |