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■ 商売と法律 | 2013. 2. 2 |
本来は政治と経済と銘打って大仰に書いてみても良かったのだけれども、物事の捉え方として、より身近に法律というものの一般庶民に対しての影響力のリアルさ及び国際的な影響力について感じていることを思いつくままに書き述べてみたい。 ドイツのメルケル首相が安倍総理の経済政策、所謂アベノミクスに対して「懸念」を表明していたが、そりゃあそうだろう、円安・ユーロ高・ドル高はドイツにとっては商売上、結構マズイ事態であるからだ。 ちなみにメルケルさんと安倍さんは同年であるが、メルケルさんの方が姿勢も悪く少し老けておられる。 どうでも良いことであるが・・・。 日本とドイツは自動車産業を頂点にした工業生産物を世界中に売って商売をしている国だ。 特に自動車についてはトヨタ・ニッサン・ホンダに対してベンツ・BMW・アウディ・フォルクスワーゲンなど、言うならばライバル関係にある。 最近ではドイツの高級車の代表格であるベンツの地位も少しずつ下がって来ていて、今やレクサスというトヨタから派生した高級車ブランドに押され気味に見える。 先日借りてきたドイツとノルウェーの合作映画を観ていたら、黒いレクサスが高級車然として取り扱われ、成功したビジネスマンがそれを乗りまわし、オンボロのベンツ車をビンボーなお友達が乗っているという設定であったのはオカシカッタ。 何せ、イギリスの超有名セレブ、ポール・マッカトニーの3度目の結婚式でもシルバーメタリックのレクサスに乗っておられたシーンがニュース番組で出ておったくらいだ。 アメリカ人のブランド好きは日本人と同様で、ややミーハーであるらしく、相変わらずベンツかBMWをお金持ちが乗ってコーチやヴィトンやシャネル、グッチなどのバッグや衣装を着ておられるのが滑稽である。 ベンツ、BMWの悪口ばかり書いているが「走り」とか「重厚さ」についてこれらのクルマの優秀さに異論は無いが、何せ故障が凄い。 イギリス車と同じく走行距離が10万kを超すと殆んど完全にポンコツで、部品の多くを大々的に取り換えないとただの鉄屑みたいになってしまう一方で日本車の代表格、わがトヨタ車の場合、数十万k走ったくらいでは殆んど全く故障というものが無く、また乗り心地それなりに結構よろしい。 「それなりに」と表現したのは運転する楽しさ、面白さにはガイシャにヒケを取るということであるが、こと快適性「乗り心地」に限定すればロールスロイスとかベントレーとかの超高級車をのぞけば世界最高と言っても過言では無いだろう。 安心して手軽に乗れるという意味では国産車(日本車)に優るクルマは未だ存在しないのではないだろうか。 オートバイについても恐らく同じような現状であろう・・・と思える。 話を戻すが、安倍首相の経済政策については筆者の書いてきた論と同じくするもので、概ねというか殆んど意見を異にするものは無い。 まっとうな経済政策に見える。 何しろデフレ地獄から早々に脱却することが日本経済再生の急務であるし、国民生活も疲弊しているので当然の施策と考えられる。 ところで色々な「法律」が実は或る種の仕事をつくったり、消滅させたりする力があることに気づいて、時々は腹が立ったりしているワケであるが、そのひとつに調剤薬局制度というものがある。 これは薬剤師に仕事を与える制度で、患者さんのサービス向上、医療の質の向上にはあまり寄与していない。 薬剤師会の親玉がいて、政府に強引に働きかけて「医薬分業」の美名のもとに、きわめて作為的につくられた法律である。しかし仕事を創出するという意味では決して悪いこととは思わない。なんでもお互い様である。 ドラッグストアチェーンとか調剤薬局チェーンとかは規制緩和と同時に薬剤師に仕事を与えるという意味では別に悪いことではない。 ただし、いちいちイチャモンをつけて行政が口を出しやすいビジネスが医療関係のそれだ。 我々医師は政府のつくる法律によって操られるミニチュア人形のようなものであるが、そのことを深く自覚している人は少ない。 法律と商売というテーマでその他ランダムにその事象を列挙してみると ・駐車違反取り締まり強化→駐車場ビジネス ・タバコ自販機自粛(タスポ)→コンビニの売り上げ増 ・飲酒運転取り締まり強化→夜の店の売り上げ減 ・脱原発→火力発電ビジネスの盛業 ・学校教育の質量低下ー>学習塾の興隆 アメリカなどもっとどぎつい ・銃規制法案却下 ・劣悪な公的医療保険制度 いずれも利益団体の露骨な反対で実現しない。 書き上げたらキリが無いので、ここらでやめますが、あらゆる商売・ビジネスの背景に何らかの法律が絡んでいて、それは国民の為になっているか、企業の為になっているか、公務員の為になっているか必ず損をする人々と得をする人々をつくるので、その本当の受益者をよ〜く分析して、誰かの意図が見え隠れしてそれが悪ドイ商売を生みだしたり、善良な商売を潰したりするものかどうかマスコミに操られたり騙されたりせず、自分の頭で良く考え判断して、時々は文句を言ってみてはいかがであろうか。 少しは風をつくることができるかも知れない。 ありがとうございました M田朋久 |