コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ ドラゴンタトゥーの女2013. 2. 1

2012年に日本公開されたアメリカ映画のタイトル。
米国アカデミー賞に主演女優賞としてルーニー・マーラがノミネートされ、助演女優賞にあの「サウンド・オブ・ミュージック」のクリストファー・プラマー氏が御年82歳で受賞し話題となった。

この年の作品賞は、アメリカのハリウッド無声映画を題材としたフランス映画「アーティスト」であったが、こちらは全くヒットしなかったし、面白くも無かった。
ちなみに同年の主演女優賞はメリル・ストリープ。
「鉄の女 サッチャー首相」を演じて受賞したが、これも全くの駄作であった。サッチャーさんの老後の認知症シーンとかウイスキー依存気味の映像とかが多く退屈であった。それこそ「鉄の女」を期待したのに、あのイギリス訛りの力強い弁舌期待したのに・・・どちらかと言うとマイナスイメージを醸成する作品で、ご本人が見られたら多分ご立腹であろう。

「ドラゴン・・・」以外は退屈な映画が多く、途中で映画館を退出する作品が多かった年であった。

その点「ドラゴン・・・」は面白かったし、主演のルーニー・マーラはとにかく超カッコヨカッタ。「超絶カッコイイ」というのが上演前のキャッチコピーであったが、裏切られなかった。

あの「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジョニー・デップを観た時に近い衝撃的な妖しいカッコヨサで、全く好みでない若くて痩せこけて猫背でモヒカン刈りの昔のイギリスのパンクファッション風の女性の生活ぶりと才能と何とも言えず魅力的であった。
何せバイク乗り、バイクのシーンが何回も出てくるのが嬉しい。

ピアスだらけの顔と大きな竜の入れ墨(ドラゴンタトゥー)、黒ずくめの衣装、無表情、素晴らしく機敏で天才的頭脳、行動力、激しさ、暴力性・・・など日頃の理想の女性像とかけ離れているところがワクワクする程良い。
「ボーンシリーズ」
「パイレーツシリーズ」
「タクシーシリーズ」
みたいにシリーズ化されることが望ましいが、今のところその気配はない。
恐らく一般受けしないキャラなのであろう。

2012年は特に映画の駄作が多かったので目立って面白い作品ではあった。
この映画が1,000円でビデオ化されたので早速購入して毎日観ているが、さらに面白いと感じる。

元々、複雑で難解なストーリー展開であったのをひとつひとつ丹念に考えながら鑑賞することができるし、画面のディテールを細かくチェックできて色々な意味で非常に満足できる作品であった。
レンタルビデオ店というのは、昔はとても有難く、便利であったが最近「面白そうな映画」はネットで安く買って観るようになって、殆んど借りなくなった。
今はレンタル料も100円とかになって郵便返却もできるようになって物凄く借り易くなったのに皮肉なものだ。

レンタルは返すのが面倒臭いし面白くない作品が多く、何回も観られる作品しか観ないので結果的に買って観ることになってしまった。
興味深い個人的な現象である。

映画館とかレンタルビデオとかネットの映画情報とか購入の為、チェック機能しか果たさない「存在」に成り下がってしまった感がある。
本・書籍も図書館で借りるべきではなく、買って読むべきであるそうである。

良書というものはいつも身辺に携えて何回も読むべきものだし、筆記具を使って書き込んだり書き写したりと思う存分読みこなし、使いこなす必要があるので、これも実に理に適っている。

読むべき価値、見るべき価値のある良書、良映画というものは所有してしみじみと味わうもので、読みながす、観ながすような駄作、不良作を観たり読んだりする時間は余程ヒマ人でなければ無い・・・というのが筆者の見解である。

田舎暮らしでなくても娯楽の中心は書店とビデオ屋が外、ウチではテレビと読書と何だか単調で心寂しい気もするが、今さら好きでもないゴルフやギャンブルやグルメに走るワケにもいかず、殆んどの時間をバイクとクルマの運転、それの目的としての本屋・ビデオ屋めぐり、せいぜいスタバとかマックとかコンビニとか、チェーンのファミレスとかチャンポン屋とか行動のパターンが単調になって来たのは事実であるけれど、内心ではとても満足している。

「ドラゴンタトゥーの女」という映画もまた自らの生活上の変化、行動様式や美意識を肯定されたようで、購入以来毎晩毎晩観ているが飽きることが無い。コカコーラ、カップ麺、タバコ、パソコン、バイク、等々からだに悪そうなライフスタイル、でも楽しそうみたいな。
監督のデビッド-フィンチャーによればこの映画の物語は、社会から逸脱し心を閉ざした男女が協力してお互いを救い出すというものらしい。結構深い映画なのだ。そこら辺も筆者の心を打つのかも知れない。
しかし良い映画はディテイルに物凄く凝っているようで、ルーニーマーラさんの演技も鬼気迫るものがあった。
やっぱり映画っていいですね。
ありがとうございました
M田朋久


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