コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 解散2012.11.19

子供を育て終わって無事に自立させ、夫婦二人だけになり、どうもウマが合わないということが実感されて離婚という流れになった時に、筆者の表現としては「家族の解散」・・・つまり発展的、未来創造的に家族のメンバーのそれぞれの独立を期しての行動は必ずしも悪いことではない・・・と常々考えている。
それがどんなに名家であろうと旧家であろうと、放浪の民、たとえばヨーロッパに散在するロマ(ジプシー)とかエスキモーとかネイティブインディアンとか中東砂漠の各部族など以外の大家族を無理矢理に維持しようとすることは良いことでは無いと思える。
特にそれが裕福であったりすると通常の倫理観を維持継続するのは極めて難しく、不徳、不倫、犯罪(多く薬物依存)、心の病(自殺、アルコール中毒)など一般に貧しい人々に生じやすいと考えられている曲々しい事柄が生じやすくなりそうな気がしている。

アメリカの代表的名家ケネディー家はアイルランド系であるので、イタリア系移民のマフィアと同じくその宗派はカトリックで、JFK(ケネディー大統領)の父親ジョセフとマフィアの深い関係は良く知られていることだ。アメリカの移民社会でアイルランドとイタリアの差で一方は表舞台、一方はアンダーグラウンド・・ただそれだけ・・みたいな
映画「ゴッドファーザー」とケネディー家の家族情景がめちゃくちゃ似ていたのも決して偶然ではないのだ・・多分。
ジョンとロバートの暗殺はCIAとマフィアのどちらかの謀殺説が有力であるが、いずれにしても「身内」に殺されたのは事実であろう。

身内というのは結構怖いものなのだ。
最近報道されている複数の殺人事件は同一親族の内部で引き起こされたらしく、殺人事件の50%が尊属殺人(肉親、兄弟間の殺人)という統計からも充分うなずける事実である。

さてこの度、政界でさかんに取り沙汰されていた「解散」が国議で決定されたようである。
そもそも民主党も自民党も元々の出自は殆んど似たようなもので、アメリカの共和党・民主党の差程度しかない。
昔の政治体制、社会主義・共産主義とか自由主義・資本主義とか、右とか左とかの差異は無いように見える。
黒白的でないという点では国民に迷いが生じやすいが、民主党総裁・現総理大臣の野田氏の表情、態度、言動には何かしら好もしいものを感じる。
とにかく政治家にしては「誠実」「実直」そうではある。

「解散」という政治手法がいかなるものかは知らないが、第三極やら離党者やらの出現で、何かしら人間としての「節操」の無さを感じて、同じ日本人として情けない。

大昔から政というのはそのようなものであろうけれど、近々は政治家を含め日本人全体に「志操堅固」とか「痩せ我慢」とか「武士は食わねど・・・」みたいな美意識が欠けているように思える。

「議員生命を賭して・・・」件の野田総理は政治課題の解決を願って公に明言し大したものである。
個人的感覚では「男を上げた」と言えると思う。
一方、安倍晋三氏・自民党領袖もその表情には以前には無かったそこはかとない自信が感じられた。

解散とくれば選挙。
この選挙という制度。
人間が創り出したリーダー選出の方法として妙手ではあろうけれども絶対のものでもない。
世間では世襲が悪いことのように言われているけれども、徳川300年も天皇制の歴史をふりかえれば2,700年近くも、言うならば絶対的世襲によって平和を保ち、国体を存えてきたワケであるから、4年ごとに大統領を変えるアメリカとかフランスとかがとても危うく見えてしまう。

日本の政界に第三極とかが出現してきてますます騒がしくなったが、それこそ第三国(外国)、それも敵対的外国から見れば国情が不穏であるとか政局が不安定とか官僚を含め、行政府の分裂というのは大きなツケイル隙ということができる。
つまり侵略とか攻撃とかの対象国家の政情不安などは格好の餌食としての国家状態であることを国民として念頭に置いておきたい。

それにしても民主党の「政治」についてはほとんどの国民の感情は一言で表現するなら「失望」というものであろう。菅直人氏の震災時の対応など些細な言動行動に人間の本性が露出するそうで、これは米国の大統領選挙中に起こったニューヨークのハリケーン時のオバマ、ロムニー両候補の行動に剥き出しになったエゴがオバマ側に有利に働いたように、菅氏の場合、それが「否」と出てしまったようだ。
外交問題、経済問題等々マニフェストとか「仕分け」とか何かしら耳新しい言葉で反官僚、脱官僚を目指したが国民全体からすると世界経済不況という悪環境も向かい風、国民の評価結果は惨憺たるものであった。

そもそも官僚ってそんなに悪い存在なのであろうか?確かに官僚的・・つまり物事を硬直的、前例主義的、「上から目線」的に処するという特徴を有することについては、一定の改善が必要と思えるが、このような官僚の人々の性向というものは元々この職業の本能的、本質的性向であって、それを上手に「使いこなす」のが政治家の本来の役目であろう。官僚や霞が関を敵視悪視する言動が菅さんを中心に述べておられるが、「官僚破壊」はある意味「国家破壊」につながるのではないか?筆者の場合「官僚亡国論」などより「メディア亡国論」のほうがはるかに深刻なのではないかという印象を持っている。いまやマジメな官僚さんたちは、マジメなお医者さんとか日本医師会のようにサイレントマイノリティー。
マジョリティーを堂々と演じるマスメディアの極めて巧妙に大衆心理を操るテレビ、新聞、インターネットの方がはるかに怖い・・・感じがする。

いずれにしても自民党が政権奪還の向けて仕掛けた「解散」の罠。日本の政治の流れが吉と出るか邪と出るか明々とした頭で眺望していきたい。

ありがとうございました
M田朋久


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