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■ 映画 | 2012.10.21 |
最近の公開された映画は、邦画・洋画を問わず「凄い」というくらい面白くない。 映画館に入場しても、予告編を観て10分〜30分で退出してしまう程だ。 お金よりも時間が大事だ。 面白くない、役にも立たない映画を観て、夜の貴重な時間を過ごすのは人生の無駄だ。 早々に中断して本屋か、帰宅する・・・ことにしている。 こんなに面白くない映画を、お金をかけて製作して採算が合うのかと思いきや、今はビデオ化し販売されたり、テレビ放映されたりして意外に利益が出るらしい。 昔のようにキッチリとヒットしなくても採算割れしないような仕組みになっていると聞く。 多分そのような功利的な観点、つまり、あまりにも商業主義的映画製作に走り過ぎて、言うならば粗製濫造のような状態に堕してしまったのが今の映画産業というものなのであろうか。 映画が「芸術」ではなくなって単なる「商品」になってしまったのだ・・・多分。 全く楽しくないから「娯楽」でもない。だって目も耳も楽しんでないもの。単なる時間潰し? 溜池ゴローという監督のアダルトビデオのほうが余程目も耳も下半身も喜ぶから娯楽性ははるかに高い・・・チト言い過ぎか・・・。 仕事を自己実現の手段ではなく、「生活の為」と捉える現代の風潮と同調しているのと似ている。 ハリウッドの大スターを集めた「エクスペンタブルズ2」高倉健の「あなたへ」・・・ひどかったあるね。やはり製作者、監督の力量?。映画ではないが、NHKの大河ドラマ「平清盛」も全くひどい・・気分が悪くなる・・。絶望的。 筆者の映画に求める要件というものがいくつかあって、何かしら人生や生活に参考になる事柄が含まれる作品で、特にクルマやバイクが出てくるとだいたい面白く感じる。 それにファッション。 好みの男女が出演していて、音楽が素敵ならさらに良い。 それに芸術的な観点も大事な要素だ。 それに音と映像、会話、ファッション。 物語(ストーリー)はあまり重要でなく、それよりもキャスティングの方が大事だ。 感動は物語から生じるが、音楽と言葉が盛り上げるので、このあたりの工夫はとても大切である。 キャスティング(配役)の重要さ、人生も映画も同じで出逢い・めぐり逢いというものが映画の出来不出来に決定的な影響を与える。 これらの要件に芸術性、つまり映像美・音楽が加わって初めて面白い映画が完成するのであるのに、最近のソレは明らかに手抜き・・・というより、正直言って製作担当者の才能の無さを感じる。 情熱の無さと言っても良いかも知れない。 ツタヤの親会社(?)であるC.C.C(カルチャーコンビニエンスクラブ)の社長の増田宗昭氏によれば、人生の参考になるのは映画と本しかない・・・とのことである。 このお説には、首肯せざるを得ない。 多くを学ぶのに人生は短い。 自分の人生生活が幸福か不幸か、悪しきものか良きものか、いずれも基準が無ければ不明である。 多くの人々にとって、その基準はテレビからのソレであろうけれど、中には素晴らしく日常生活にとって好もしいものもあるものの、概ね低俗である。 だいいち、選択権が無い。 その点、本や映画は自分の好み、精神のレベル状態に応じて「選ぶ」ことが出来、特に本については古典を中心に選べばかなりハイレベルで高尚なものも豊富にあり「生き方」を学ぶのに本に勝るものは無い。 モチロン立派な「先生」という幸福な人もいるかも知れないが、普通の一般庶民にとっての先生はやはり映画やテレビということになろう。 この点で映画の質の低落は実に大問題であるのに、それらについての一般の危機感は薄く、気づきも無く、無頓着で鈍感である・・・ように思える。 映画で学べるものの第1は恋愛である。 恋愛の人生における重要性は軽視されがちであるが、人生の本質を含んでいるので大いに恋し、大いに失うことが心を鍛える為に不可欠である。 逆に言うと恋の喜びや苦しみ(こちらの方が大事)を知らずして人生の妙味を味わうことはできない。 ジェームズキャメロン監督の超メガヒット映画「タイタニック」は豪華巨大客船の沈没劇のリアリティーを画像的に追求しながらも、その主軸には身分の違い、貧富を超えた若い男女の悲恋物語を据えている。 ちなみに筆者の最も頻回に観る映画は「いつかどこかで」。 これはミュージシャンのBig name、小田和正の処女作品で ・クルマ ・ファッション ・仕事 ・恋愛 ・野球 ・音楽 ・気の利いたオシャレな会話 ・美しい景色(都会の夜景、山、海) ・男気(侠気おとこぎ) すべての条件をそろえていて、さらに観ていて「見たくない場面」が全く無いので、何回観ても厭きない。 要するに音と映像が優れていて、暴力シーンがないというのがとても観易いのだ。 何回も観ていると映像美や音楽に物凄く「凝っている」というのが分かるがチョット見では見えて来ないので、駄作に見えるのかも知れない。 一般の評価が低すぎる・・・と思える。 DVDが出ていないが、個人的には大傑作と思うのだけれど・・・。 できればブルーレイで観たい映画の最良の作品である。 これらの条件を満たさない作品が最近特に多く、余韻というか後味の良くない映画ばかりで何だかとても淋しい。 ためしに昔の傑作名作映画を・・たとえば「ローマの休日」(初めて観た)なんかを鑑賞すると最近の映画の駄作ぶりをまざまざと感得することができる。クルマもバイクも出てくるし、オードリー・ヘプバーンのエレガントで可愛らしいファッションと演技、それにユーーモラスで軽妙な会話が素晴らしい・・・不朽のの名作とはこのような作品であろう。 ありがとうございました M田朋久 |