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■ やっぱりなでしこ | 2012. 8.27 |
ここにNumberというスポーツ雑誌がある。 表紙のインパクトで久々にコンビニで買ってしまった。 とても感動的なshotだ。 女子サッカーのオリンピック決勝戦後。 すがりつくキャプテン宮間を昨年のワールドカップ優勝時のキャプテン、言うならばチームのカリスマ、澤選手がまるで慈母が愛娘をいたわるように優しく抱きしめている。 澤の落ち着いた表情が、頼もしく美しい。 とにかく美しく、強く、激しい闘いであった。 世界女子サッカーの頂点に立つ、強敵で最大のライバルであるアメリカとの決勝戦は2012年のオリンピック選手日本勢大活躍、大健闘の中にあってもやはり「なでしこ」のそれは、最も感動的であった。 日本女子サッカー。 昨年に大震災の後のワールドカップ優勝がどれだけ多くの日本人の心を感動させ、勇気づけたことであろう。 その1年後に日本中の「期待」という重圧と、世界中の打倒「日本」の圧力に耐えて、限りなく「金」に近い「銀」のメダルを勝ち取ったことに選手たちだけでなく、多くの関係者、殆んどの日本国民が安心し、喜んだことであろう。 対戦相手のアメリカは、宿敵とは言え、近隣極東アジアの同人種の国よりはるかに良好な国家関係を持つ同盟国である。 佐々木則夫監督の相手をリスペクトする、審判もリスペクトする真正のフェアプレーの精神は、リーグ戦2位通過をめざした戦略的「引き分け」でも少しも傷つけられたワケではなく、逆に選手たちの士気を高めるキャプテン宮間あやの試合前のスピーチ内容を漏れ知るにつけ、本当に日本人って素敵なだなぁと思わせるなでしこ達の大活躍であった。 先述したNunberの記事も少し抜粋して載せてみたい。 『・・・スタジアムに響く「ニッポン!」の声はアメリカ人観客による「USA!」の声に少しも負けていなかった。日の丸を持った、あるいは顔にペイントした日本人でない人たちが自分とは関係のない国を、それもアメリカよりはるかに地理的、歴史的、心情的に遠いところにある国を心から応援してくれたのである。「パパ、ニッポンってどういう意味?」「ああ、それはジャパンっていう意味さ」。後ろから聞こえてきた英国人と思しき親子の会話は、そして試合終了まで途切れることのなかった幼い声によるニッポンコールは、試合を観る上で大いなる妨げとなった・・・クリアでなければならない視界が幾度となく滲んでしまったがために。 試合終了後、スタンドに向かって深々と頭を下げたなでしこたちに、手もちぎれんばかりの拍手を送っていたのは、隣で「USA!」を連呼していた米国人家族であった・・・。』 伝統のある、あのウェンブリースタジアムに8万人もの観客を集めたオリンピック女子サッカー決勝戦。 2012年、ロンドンオリンピック。 日本人選手たちの大活躍の頂点に立ったのもやっぱり「銀」メダルの女子サッカーだったように思える。 少なくとも個人的な贔屓目からかも知れないが、そんな感想を持った。 明るく ひたむきに 芯が強い あきらめない 日本女子サッカー、なでしこの四信条であるらしい。 涙の決勝戦負けの後の、うって変わった表彰式のお茶目で愛らしいなでしこたちの爽やかな笑顔は、長いオリンピックの歴史に刻まれる、晴れがましくも美しいテレビ中継映像なのではないだろうか。 ありがとうございました M田朋久 |