コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 正しい食生活2012. 8. 9

個人々々、それぞれの条件を考慮しない食生活指導は間違っていると思う。
年齢・性別・労働(学業)・活動レベル・精神状態・環境(気温・湿度)・季節等々、さまざまな条件の変化や個人の状態に応じて食事の仕方・内容を変化させるべきであるのに、世間ではあれが良い、これが良い、あれは悪い、これは悪いと何だか姦しい、いい加減な諸説があって人々を混乱させている。

これらの条件、個人の状態(年齢など)について少し検討してみたいと思う。

まず年齢。
乳児が母乳で育つ。
母乳以外は、またはそれに類似した人工乳以外の食物が0才時に不適切であることは周知の事実だ。
これを同様に成長期から少年少女と、青年期、壮年期、老年期では自ずと食事の仕方、内容に変化をつけるべきであると思うが、あたかもこのような「バランスの取れた食事」がすべての人にあまねく、望ましいかのように、この大切な前提条件を無視して推奨されていることが不思議でならない。

栄養士、管理栄養士という職業・資格があって、先月NHKの放送大学でこれらの「先生」が出演して講義をなさるモノを拝聴したが、筆者に言わせると一見理にかなっているようで全体として「俯瞰」するとメチャクチャであった。

要するに、最新の栄養学を取り入れていないうえに、この条件というものを殆んど無視している・・・ように思えた。
当施設にも栄養士の方がおられて、概ね内容は合格点であるものの、管理栄養士の若い奥さんは、年齢(40歳前半)であるにもかかわらず、悪性の病気を患われて、後でその方の食事の内容をお聞きした時の筆者の驚きは筆舌に尽くしがたいものであった。
つまり筆者の教えているカラダに悪い食品をたくさん、毎日食べておられたということで驚いたと同時に、現代の栄養学の浅薄さ、根拠(心理学という意味ではなく統計的、経験的に)の無さについてあらためて感得したワケである。

当然この方は肥満しておられて、肥満者の方の罹患する疾病群を持病としておられ、その当然の帰結として悪病を得て病悩しておられ誠にお気の毒であるので、ここにあらためて少し啓蒙的に自説を述べておきたい。

まず蛋白質、特に肉類を油で揚げたものを青壮年期に食べてはイケナイ。
典型的なのはトンカツ、メンチカツなどである。
これらを常食する人は糖尿病、高脂血症、高血圧、果ては消化器、特に大腸を中心とした悪性の病気にかかるリスクが上昇する。
女性には乳癌なども多くなる。
できるだけ日常的には食さないことである。

若い人では肉腫などにもなりやすいようだ。
小〜中学生以下の子供には、比較的害は少なく見えるが、高校生を過ぎると便秘や大腸炎、疾病などに悩むことがある。
野菜を多く食するとこの害を少し薄めてくれるが、やはり人間が好んで食べて健康に良い食品ではない。

まだ成長期の子供、及び肉体労働、即ち農作業建設作業など肉体労働に従事する人以外はご飯を大量に食することもカラダに良くない。
デスクワークの人、所謂、頭脳労働の人々はパン、ご飯、めん類などの炭水化物の多量摂取は肥満と糖尿病のリスクを高める。
「朝食を食べなさい」というのも多分嘘である。
これも子供と肉体労働をする人かか受験生など、激しい頭脳活動を要する人意外には、有害な気がする。

実際に「朝食抜き健康法」というものもある。
朝ごはんを食べないことで、午前中の活動が全て「朝メシ前」即ち、簡単にてきぱきと片づけられるというその語彙のとおりになる。
これは冗談ではなく、本当の話である。

何でも大事なことは朝食前にやってしまうべきで、その方が能率も良く「はかどり」気分も良いし、健康にも良いということが立証されているのに、その道の専門家、特に大学の先生などは自分たちの持っている数値・データを元に「朝ごはんを食べたほうが良い」と盛んに言っておられるが、これは絶対という意味ではなく「正しくない」。
つまりそうとは限らないということである。

「運の悪い人は朝メシを抜け」という説もあるが、それは何故かというに、ひとつは午前中の気分の良さ、空腹による免疫力の向上、気分の良いことによる人間関係の円滑さ、一食抜くという世の中について奉件(生命を食すること、律節するという意味)と言った意味があると思う。

これは青壮年期には是非試して欲しい健康増進、運気向上法と考えている。
老年期に入ると、食事のとり方・内容についてはさらに万全の工夫を要する。
高栄養を3回程度分散して、規則正しく食べる必要がある。
特にタンパク質、ビタミン、ミネラル、炭水化物、豊富な野菜を多く食べること。時々肉を食べることも良い。
肉は血液を増やし、カラダを元気にする力があるようなのだ。
ついでに言えば、しっかりと体を鍛える必要も生じている。
高齢者はその活動力の低下によって、特に筋肉が衰えるからだ。

閉経前の女性は、定期的な出血の為に貧血になりやすく、男性よりも鉄分や蛋白質や野菜など、より神経質なくらい摂取した方が良い。
女性のマチガッタダイエットなどモッテノホカである。
質の良い蛋白質を多目に食べて、今流行りの痩せ美人よりも、健康美人を維持したい。

さらに女性の場合、脂肪が多いが、これを男性なみに少なくしてはイケナイ。
女性に脂肪が多いのにはキチンと健康上の意味があるのだ。

そもそも女性美的にも、乳房というのは脂肪そのものであるので、女性のアスリート、特に長距離ランナーや筋肉を鍛え上げるボディビルダーなどは見事に「ペチャパイ」である。
女性美を極言するなら脂肪と「くびれ」であるのだ。
これに異論を持つ男性は少ない・・・と思える。

つけ加えると女性の場合、中年期に太るのは不健康なことではない。
自然現象なのである。
女性の場合、体重が「若い時と同じ」と威張っている人が時々おられるが、このような女性は一般に年齢よりも老けておられる。
何故なら肌が水気・油気が無く、シワが多いという傾向があるからだ。用心したい。

季節の問題もある。
夏に食べる食品と冬に食べる食品は明らかに異なっている。
今は栽培法の向上によって、さらには経済文化のグローバル化によって年中季節を無視した食物が店頭に並ぶ状態になっている。

一時期、バナナダイエットなるものが流行って、年中バナナを食べる人が多くなったが、そもそもバナナとかパイナップルとかは南国の食品であるので、日本人の場合、冬には食べない方が良い。
カラダを冷やす作用があるからだ。
日本の冬はコタツにみかん、冬果物のリンゴというのが定番である。

夏は冷やしソーメン。
冬は鍋物。
このような日本の食文化の典型例に倣って、できるだけ季節の旬のモノを食べるようにしたい。
夏にこってりした油っこい食物や、甘い物を食べると殆んど例外なく肥満する。

南洋地方のハワイやタヒチに行くと極端に肥満した人を数多く見ることができるが、これは欧米人の食生活を南の国の人が食べることで起こる当然の帰結で、それこそバナナやパイナップルや魚貝類以外に食べない方がかの地の人の健康には望ましいと思える。

個人差の問題もある。
酒に弱い人、強い人、肉食が合う人、合わない人、菜食が良い人、悪い人と少しずつ異なっていることは念頭に置きたい。

それと体型だ。
俳優の西田敏行みたいな所謂、縄文系の人と、田村正和のような弥生系人では食物の摂り方・内容は絶対的に変えなかければならない。

体型的に胴長短足の人は、内臓が強く丈夫であるので大食過飲に耐えられるが、細い人は消化器、特に胃腸が弱く肝臓も小さいので飲んだり食べたりを控えなければならない。
即ち西田敏行と田村正和は食卓で同席しても、同じような飲食を避けるべきなのである。

ただ、内臓の強い人は過食過飲が災いして心筋梗塞や脳梗塞、癌などに罹患しやすい傾向がある。
実際、西田さんも近年狭心症かなんかになったと記憶している。

胃腸が弱いことがカラダを守るということもあるが、概して胃腸の弱い人は体型が細身で、大食すると便秘や下痢をしやすく、さらに少食・繊維食を心がけたい。
このように書き出したらキリがないくらい食生活についての条件があるので、単純な栄養学とかダイエット法を無闇に取り入れてはイケナイ。
自分の年齢、体型、遺伝体質、職業、季節、住居、地域などを考慮して正しい食生活を常に考慮して変化・向上・進化させていくべきなのである。

ゆめゆめテレビや雑誌、書物(健康本)などを盲信して、簡単に取り入れてはならない・・・と考えている。

ありがとうございました
M田朋久


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