コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ 松山千春2012. 6.21

6月6日に、地元人吉でコンサートがあり、友人に付き合って、とりたてて大ファンというワケではなかったけれど仕方なく鑑賞した。
流石に音楽業界のBigname。
カリスマとオーラと、何かしら、その存在感には圧倒された。
こんな田舎町でのコンサート。どうやら地元国会議員の「引き」で実現したらしい。先々月にはGLAYというこれまた大物が人吉カルチャーパレスで初登場。今年は地元もコンサートづいている。

中身は歌よりトークが面白かった。
3万5千の田舎町の地元ネタで聴衆の心を掴み、綾小路きみまろ風のブラックジョークで会場いっぱいを笑わせた。
まるでお笑い芸人である。

7,800円の入場券があまり高く感じられない。
松山千春は筆者より2つ下の56才。
筆者の大学時代に「季節の中で」の大ヒット。
当時はフサフサした長髪に痩躯。
こけた頬に大きい、黒いサングラス。
とってもカッコ良かったあるネ。

一発屋で終わりかと思っていたら、次々とヒット曲を飛ばし、同世代のファンにとってはその素晴らしい歌唱力と素朴でメロディアスな曲調で、今でも人々を魅了しつづけているようだ。

日本放送のラジオ番組、オールナイトニッポンでは歯に衣着せぬ率直な、例のタメ口本音トークで結構な人気を博したようだ。
一度も聞いたことは無いけど・・・。

最近は心臓病の発作で倒れたり、北海道のスキャンダル政治家、あの鈴木宗男の支援者として堂々と自らの政治論をブチ上げたりして、今でも意気軒高であるようだ。

「コンサート」なのに政治談議を25分も延々と聞かされた。
まるで歌付きの「松山千春政治討論会」だ。
聴衆の中には不満気な人もいたようだが、筆者にとっては歌よりも楽しかったあるネ。


消費税、TPP、脱原発と、現在最新の政治課題についてキッチリと、持論を少しもたじろぐことなく、とうとうと述べておられた。

或る意味、大したものである。
その粗暴とも言える剥き出しの言動、振る舞いは一種爽快痛快であった。
今時の男にはいない、言わば珍人類だ。

甘いノスタルジー(大学時代の思い出に浸る)を期待していたワケではないが、評判どおりの千春キャラに2時間あまりがアッという間に過ぎた。
熱気あふれた田舎町の初夏の宵であった。

少しダサ目のファッションとスキンヘッドに顎ヒゲ。
少し出っ張ったお腹と完全にオジサンしていて、同年で同じ歌手の郷ひろみより潔く、男らしくて余程好もしい。

芸能人、特に演歌歌手や昔の流行歌手に多い「無理な若作り」には目をそむけたくなる痛ましさがあるが、松山千春にはそれが全く無く、逆に清々しい。
年齢相応の「若さ」を感じる。

「自分ネタ」は天才歌手という以外は徹底して「お笑いネタ」、つまり自分を笑いの対象にしているところも見習いたい。

笑いと歌と、しみじとした深いトークで勇気と元気をもらった、個人的には素晴らしいコンサートであった。

それにしても件の松山氏は面白い生い立ちであった。
父親が売れない新聞づくり、母親が土方で出稼ぎ。
11月から3月は北海道の季節的状況の為に失業保険で暮らす・・・はずのところ、花札バクチにそれを投じて、家族にお金を持って来ない・・・。
トバクの現行犯で逮捕されたという猛女である。

或る意味で「英雄の陰に孟母あり」の逆説的証明のような気もする。
「この母ありてこの子あり」だ。

父親が千春たち3人の子供を愛育したことは、この大歌手の社会的成功の根元的バックボーンになっているのではないかとも考えられる。

ありがとうございました
M田朋久


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