コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 虚心と己捨2012. 4.19

月刊「致知」という雑誌があって、これは経営者の人々を中心に、日本人のあらゆる年齢層に読まれるべき類のものと思える雑誌である。
残念ながら、一般の本屋さんの店頭には無い。
通販的購読のみとなっている。

表紙はB5版で、一般週刊誌と同じ装丁であるが、1,050円と値段も高く、ヌードグラビアをはじめ、エンタメ系は殆んど無く、全ての記事が啓蒙的教育で、極めて真面目な雑誌となっている。
それでもこの雑誌の、社会や個人の人生にとっての有益性においては、一般週刊誌・月刊誌とはくらべものにならない価値を有すると思える。
つまり「為になる」ということだ。

この出版社の社長は、藤尾秀昭と言ってS20年生まれ。
元ニュースキャスター、桜井よし子さんや、アメリカのABCのニュースのアンカーウーマン、サラ・ダイアン・ソーカーと同年で、それぞれとても知的でエネルギッシュ。
全然関係ないけど、記憶しておくと思考や志の方向性がどこか共通していて興味深い。
この雑誌を読んでいると、筆者のコラムなど書いているレベルは駄文・拙文というか、ゴミに等しいと思えるので、我慢して読んでいただけることが少し心苦しくなる。

最近、精神的にも、肉体的にも、経済的にも激しく鍛錬されているという感覚があって、現在一所懸命、元気でいるべく格闘奮闘中であるので、これら事態への対処法を探る参考書としての月刊「致知」はとても有難い。
とんでもない苦難・困難を乗り越えた人々、高い志と目標をかかげ、それらを乗り越え、成し遂げた人々の話がいっぱい出てくるからだ。

「いったいどう生きていけば良いのだろう?」という疑問を持った時に、ひっそりと自己主張をせず、手近にあって無意識にそれをめくってみた雑誌が「致知」であった。

それが今、この表題にかかげた虚心と己捨(本来は喜捨と書くべきなのだが、とても喜んでという気分ではないので・・・)。
「己を捨てる」なんて・・・
「心を虚しくなんて」なんて、口では簡単に言うけれど、実際には結構難しいのではないか・・・と思える。

人間には必ず「エゴ」「自我」というものがあって「己を捨てない」よう「心は考え事や悩み事でいっぱい」、欲望や理屈やさまざまな感情が入り混じって、アタマの中はまるでゴミ溜めのようで、カラダの方は性欲と食欲と睡眠欲、怠惰欲、時には飲酒欲、自由欲の虜となって、現代人とは名ばかり。
精神的にはまるで原始人のように生きているのが、日常生活における筆者自身の実態なのである・・・?
少なくとも筆者自身のレベルというのはその程度であろうと、しみじみと考えている。

ところが色々な難局、困難に出会った時に、何だかウロたえずにしっかりと自分の持ち場、役割、義務を果たす為に、或いは道をマチガエナイ為に自己を握りしめず、手放して仕事のリズム、世の中のリズム、もっと言えば大自然のリズム、宇宙のリズムに乗っていくことが運を拓く為に大切であるそうな・・・。
これは数冊の「致知」を読みふけってみて、筆者に対するそのようなメッセージが聴こえてくるような気がしてこれを書いている。

京セラの稲盛さんとか、この方が尊崇する地元の偉人、西郷隆盛とかは「敬天愛人」とばかりに我欲を捨て、世の為、人の為、公の為に生きよ・・・、経営の真髄も虚心であり己捨であると述べられているようだ。
これらの言葉は、非常に救いを与えてくれてて、自分を抱きしめて愛育していく、愛敬していくことも大いに大事と思えるけれど、人生を拓いていく為に己を捨てること、心を虚しくすることはとても有益であるらしい。

うららかな春の夜に、静かに瞑目して、自分の心に対峙してみると、己の心の中は妄想、雑念といってもよい理屈や言葉が、膨らませ過ぎた旅行バッグのようにパンパンしているし、カラダの方は年齢相応の怠惰欲と、まだまだ激しい情欲とで、何かしら「身の置きどころの無い」不安定感があって実に悩ましい。
若い時に想像していた50代後半の男ではなくて、まるで、思春期に逆戻りしたみたいな奇妙な「苦しみ」が、とても虚心とか己捨のレベルではなく、ましてや「高い志」のレベルでは無い。
これは嬉しく、喜ばしいことであろうか。
或いは悲しむべき、嘆かわしい事態なのか良く分からない。
60にして「まどいまくる」・・・そんな予感がしている。

人間というものは、年齢を重ねる程、ますます自己鍛錬に精を出していかないとマトモに生きていくことはできないのではないだろうか。

禁欲、自己抑制、生活律節などなど、モノの本に書いてある著名人のお説とは少し違う意識の必要性を感じている。

それで表題の虚心と己捨は、とりあえず生活信条にかかげておかないと、ただの年を取った「エロジジイ」に成り果ててしまって収拾がつかなくなるのではないかという恐れでもって、敢えてタイトルに銘うってみた。

ありがとうございました
M田朋久


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