コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 最新がん予防術2012. 3.24

こういう話題は、とっても嫌なんだけれども、筆者にもうっすらとある「医者としての義務感」めいた動機で書いている。

今夜は、胃癌検診医講習会というのがあって、いつものように嫌々参加したのであるが、これを受講しないと検診医資格を喪失してしまうので仕方ない。

嫌々な割には、内容は結構面白い。
講師の先生も最新の情報を、興味を誘うように、巧みに、短く話してくださるので、あまり退屈はしない。
約1時間で終了するのも有難い。
今回のテーマは、食道癌と頭頸部癌(喉頭癌、上中下咽頭癌、口腔癌、歯肉癌)などの合併率の話題であった。

それは10%〜40%の合併率とのことで、耳鼻科、口腔外科、一般消化器科に食道や胃を診る内科内視鏡医は、そのことを充分に頭に入れて検診しなさい・・・ということであった。
考えてみれば、この数字は当然のことである。
食べ物や飲み物の入り口「近辺」の癌発生であるから、発症のメカニズム、発生機序からすると、当たり前のような気がする。

さて本題に入る。

先日のNHKの特集番組で、表題のテーマが放映された、その録画を観ながらというより思い出しながらこれを書いている。

内容はあまり変わりばえしないもので、殆んど数年前から多くの人が見知っているようなレベルである。
発症性指数(%)の測定の仕方があって、それは酒とタバコと体重と年齢であった。
飲酒量と喫煙量は明らかにこの指数を上昇させるそうだ。
それと肥満とか痩せ過ぎも良くないらしい。
モチロン、年齢が上がるほどこの指数も高くなる。
数年後に癌になる確率みたいなもので、とっても不気味であるが、あくまで確率であるので参考にとどめたい。

先日、友人の一人が肺癌で亡くなったが、タバコも酒もやらず、健康フリークで、サプリメントを大量に摂取していたと聞くが、サプリメントも、β−カロテンというのは肺がん発生を促進することのはよく知られている。
サプリメント(栄養補助食品)もあまり摂り過ぎると逆に有害であるとのことであった。

まさに「過ぎたるは及ばざるが如し」だ。

喫煙については、喫っている本人よりも、周囲の人が受動喫煙と言って有害であるので、旦那さんが喫っていて、奥さんが肺癌になったなんていう例は多い。
タバコの害については、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めることでも知られていて、発症性については周知のとおりだ。
極言するなら、全身の発癌に影響するということであった。
愛煙家には辛い話だ。

野菜を多く食べ、運動すると大腸癌のリスクが下がる。
大腸癌の発生に良くないのは、野菜の少食と肉魚食と便秘だ。
運動していると便秘をしにくいので、多分、体が揺れて、便が下に降りて来やすいだろうか。
そんな単純な理屈ではないだろうが。

タクシードライバーとか長距離トラックドライバーの方に大腸癌が多いが、これは便秘か食事の内容が適切ではない可能性がある。とにかく我慢せず食べるより排泄に熱心になることだ。

便秘をせず、食事の適正な人は、普通大腸癌にはならない。
適正な食事内容については、他項に譲りたいが、肉の加工食品、ハムやらソーセージは良くないらしい。

塩分の過剰摂取は胃がんのリスクを高める。それも血液型がA型のひとが多い多しい。Hピロリ菌との因果関係で発がんするらしいが、詳細は割愛。

年齢が高まる程、発癌のリスクが高まるということは、年を取れば酒もタバコもやめ、食事に注意し、運動も敢えて日課にするなど健康上の工夫は益々厳格にしていかなければならない。
ヤレヤレ。

年を取るということは、だんだん面倒くさくなるということか・・・。
昔から「ハマメ」と言って、人間の衰えは最初に歯とマラ(性機能、男根)と眼にあらわれる。
入れ歯だ、差し歯だ、眼も悪くなって、老眼鏡、白内障など、何だかんだと体のガタが来て面倒臭いことはなはだしい。
ついでに癌かなんかになったら、治療だ、手術だ、入院だとそれこそ面倒さの極致だ。

そのようにならない為には、上記の禁酒禁煙、運動など最低限の項目くらいは実践して予防を心がけたい。

ついでに健康の三要素を述べておくと、
1)遺伝体質
2)食生活(正しい食事習慣)
3)精神生活(ストレスなど)
これらの観点から、自らの生活をよ〜く振り返って、健康な毎日を送りたいものだ。

酒もタバコもめいっぱいやって、何の運動もせず、怠惰に暮らし、何とか楽しく生きていればと思うけれど・・・。
何だか世間的レベルでも「健康オタク」になってまで、生きているのも重苦しいなぁ・・・と思ったりするし・・・、あ〜ぁ、40にしてまどわずどころか、60にして迷いばかり・・・、こと健康問題については・・・。

年を取っても、ますます色気ばかり強くなって、そのくせ体力精力はついていかず・・・なんて、とにかく悩ましいことばかりである・・・。
年をとるということは。

最新癌予防術と銘打っても、特に目新しいものは何もなく、とにかく酒やタバコ、サプリメントの摂り過ぎ、加工肉に要注意・・・くらいのわずかな、良く知られている情報だけであった。
もともと病気予防というものは、その程度のものなのかも知れない。

最近では、肥満や糖尿病も発癌リスクになっているが、これも老化を促進させるからで、アンチエイジング、スローエイジングな生活法というものが癌予防術と言えるかも知れない。

ただし、若作りの人に短命な人も多いが、これは多分、自分で勝手に若いと思って無理を重ねているからだと思える。
見かけが若いから健康ということはない。
これには逆のことを書いてあった本もあったが、それもまたマチガッテいるということではない。
どちらも妥当性がある。

ありがとうございました
M田朋久


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