コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 人生を長く生きるコツ2011. 3.17

久々に風邪をひいてしまった。
内科の医者としては恥であり、油断であると思っている。
1月10日の祭日に3度も食事を摂った為ではないかと見ている。
デパートとかアーケード街とかの人混みの中あちこち見てまわったせいかも知れない。
3度の食事で免疫力の落ちた我が肉体に雑踏のまき散らす病原菌が免疫という防壁を破って侵入したのだ。

寒々と咳と発熱と誰もが年に1〜2回はひくと言われている。
普通感冒か流行性・伝染性の感冒か知らないが、不覚にも罹患してしまったというワケである。
ただこれは良い経験になった。
風邪を早く治すには食事をしないことである・・・ということをあらためて実感できたからだ。

ためしに感冒の真っ最中にラーメンとかギョーザとか寿司とかをたらふく食べたところ、2日間にわたって毎朝悪寒戦慄で苦しんだ。
寒さで全身がガタガタとふるえる。
早朝の5時頃から1時間あまりふるえにまかせていると、全身が少しあたたまりようやく少しウトウトと眠れる。
結構苦しかったあるネ。

翌日は薬をキチンと服用して食事を最小限にして水分ばかり摂っていたら、翌朝の気分がスコブル良好であった。
もちろん咳やら喉の痛みはあるものの発熱とか寒気は無い。

発熱というものは体内の過剰エネルギーが発生させるもので、余分なエネルギー、つまり炭水化物を中心とした高カロリーで酸性度の高い食品を摂取しなければ良いと考えてエネルギー摂取を試みただけのことである。
これはテキメンに予想以上の効果があった。

風邪の長引いている患者さんに早速食事を減量するように勧めると、たちどころに通院がやむので商売上はあがったりであるが、医者としては心理的な満足感に深いものがある。

今年の冬は例年の暖冬とくらべると少し寒気が強いようである。
あまりに寒いのでオートバイに乗れない。
それで国産の古いスポーツカーを寒中の田舎道に引き出し、高速道路をカッ飛ばしていると、鬱々とした冬の気分を幾分スッキリさせてくれる。
路面に過敏に反応するハンドルと固い足まわり、うるさいエンジン音と排気音が心地良い振動と音楽のように五感を痺れさせる。
群青に染まった冬の夜空も少しだけ明るくなって春の兆しを知らせてくれている。

初春からひいた風邪のお陰で1日1食の習慣が生まれ、益々心もカラダも軽くなり1日の時間もかなり増えて仕事以外のさまざまの活動にもまるで若者のように駆り立てられるように出動して冬の夜を楽しんでいる。

冬の夜も少しずつ短くなっている。
もう半月もすれば殆んど春である。
梅の花も咲き、陽光は輝きを増し、黄土色の冬枯れの田畑も緑色が混じりはじめる。

人生を長く生きるコツ・・・長生きするコツではない・・・は物理的時間(ニュートン時間)についても心理的時間(ベルクソン時間)についてもまず1日の食事の回数を減らすことで実現するのではないだろうか。
まず、睡眠時間が減り覚醒した時間が増える(物理的時間)、活動時間の増加により心理的時間も増える。
時間だけに限っても一石二鳥である。

健康上も体重が増えず、糖尿病にも高血圧にもならないかも知れない。

一日一食、それも昼食だけと決めてしまうと夜も殆んど空腹を感じなくなった。
人間の体はすぐに慣れてしまうものらしい。
夜のパーティーや会食もビールを一杯だけ飲んで刺身を1〜2キレ食べて早々に帰り、映画を観たり本を読んだりクルマに乗ったり、時々仕事をしたりと結構忙しい。

そうして1日の終わりにこうしたコラムを書いて春を待つ冬の深夜、星を眺めながら思い切り楽しんでいる。

ありがたいことである。
自由と孤独は普通不可分であるが、愛さえあればそれはどんな形であれ、人の愛さえ実感できれば幸せな孤独人と自由人となれるかも知れない。

星を眺め、地球を思い、月を眺め、世界中の人を思い、そうして神を思い、やすらかな気分に浸り心地良い眠りの世界に入っていく。
そこはもうウタタ寝の段階ながら夢の世界である。
この考え方の逆のシチュエーションというのがエコノミークラスでの海外旅行である。
海外旅行でファーストクラスというと片道でも100万円以上するらしく、ビジネスでも50万円とかするそうであるから、たかだか8時間か10時間飛行機に乗れるのに余程のお金持ちでない限りそんなお金の使い方は無駄遣いに思える。

睡眠薬でも服用して養鶏場のブロイラーのように3回も運ばれてくる食事を食べてただひたすら眠っていれば着くのであるから、こういう場合一緒に行く女性(男性)にその100万円だか50万円だかの航空運賃を払って飛行機が大きく揺れた時に手を握ってもらったり、ハイジャックに遭遇したり、もしかして墜落しそうになった時に抱きしめてもらったりセックスの真似事とか色々のお世話をしてもらったりする方が飲み放題の美味しいお酒とかフルフラットになるベッドよりもはるかに嬉しく楽しい喜びに満ちたものではないだろうか。
こういう場合の睡眠薬は眠りが苦痛な時間を取り去ってくれるから真実には長旅であるのにアッという間に目的地に着くので有難いツール(?)である。

時間についての先述したアイデアもそれに似ている。
人生最大の贅沢品である「時間」を最大限有効に使うのに3度以上の御馳走に大枚を消費して時間を失うのを避けるのと同じ考えで一日一食主義を現時点では選択して年令の割りには快適に暮らしている。

まとめ
@食事の回数と量をコントロールする
Aテレビを観ない
B覚醒している(今ここにいる)
C睡眠時間を減らす
@、Cは関連があり、人生を楽しく生きているという前提を要する大切な要件である。
ただし、個人の好みの問題であるので、控え目で少数派のアイデアと思っていただけると有難い。

ありがとうございました
濱田朋久



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