コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ フェアレディーZ2011. 3.16

自分の愛車のことを書くのは少し恥ずかしい。
だいいち貴婦人(フェアレディー)なんて言う名称からしてこっぱずかしい。
輸出車にも同じ名前が付いているのだろうか。

18才の時に免許を取った時からの憧れのクルマで、50代半ばで初めて手に入れた、欲しかった自動車の最良のモノである。

ベンツとかポルシェとかフェラーリではなくフェアレディーZは大学時代に筆者の垂涎の対象の最高のもので、何故30年以上もソレを手にしていなかった今もって不思議である。

クルマを何台も乗り換えて来て、なんで一番欲しい物をもっと早く手に入れようとしなかったのか・・・。
これは筆者の処世スタイル、人生全般にわたって特徴づけられるメインテーマが潜んでいるようで、敢えて表題に掲げてみた。

自家用車を個人で二台も所有しているなんて、今どきのご時勢で世間様に申し訳ないような物凄〜く贅沢な気がして、我が愛する深紅色の貴婦人を売りに出そうとしたところ、何とたったの40万円だそうな。
このクルマの筆者に与えるヨロコビの深さからするといかにも安い!!・・・と感じたので、多少後ろめたくても何とか車検を取りながら乗り続けようと一生懸命バイクに乗れない雨の日とか、今冬のように身を凍らせる冷たい晩にはここぞとばかりこの傷だらけでややポンコツ気味のオドメーター65,000Km、7年落ちの愛車をコロがしていると、これまたますます可愛くなって来て、クルマはやはり“女性”であるなぁ・・・と近頃つくづく思う毎日である。

4年のローンで月々2万円程で購入してソロソロその支払いも終わりに近づいているのに愛着が増すというのは何とも幸福な感覚である。

「また君に恋してる〜♪♪♪」みたいな・・・。

殆んど洗車もしないし、悪戯されて全身に深い切り傷を負いながらもエンジンはすこぶる快調で、素晴らしい排気音、心地良い振動音を響かせながら健気に走ってくれる。
正直言って乗り心地は悪い。
居住性も良くない。
スポーツカーの例どおり走りまわりが硬くて、低速では揺れが激しい。
ハンドルも敏感すぎてファミリーカーやラグジュアリーカーと較べてドライバーにいくらかの緊張を強いる。
これはバイクの替わりに乗っていると思えば逆に適当なドライブ感覚を体感できて嬉しいことではあるけれど・・・。

Z33型。
排気量3,500cc。
280馬力のフロントエンジンが僅か1,500Kgの全長4.30mのコンパクトな車体を思い切り良くグングン軽快に引っ張る。
その加速感はバイク並みと言える。

最初に乗った時にはまさに「ブッ飛ぶ」感じであったが、実際はレクサス600hLに加速性能も劣る。
ただ感覚だけはスポーツカーそのもので、その武骨な乗り味は「ソノ気」になって味わうとかなり「イケテル」。
コクピットも狭苦しい感じの二人乗りでもあるので居住性は悪そうであるが、普通の乗用車に較べて着座位置が低く、丁度畳に少し高めの座椅子を置いたようなポジションになり、意外に疲れないし、リクライニングもしないのにそのままリラックスして駐車場で仮眠もできる。

このあたりは座面の高いワゴン車より楽である。
ただし、時計が付いていないのは残念だ。
イチイチ腕時計を見ないとイケナイので危険である。
元々飛ばすクルマであるから時計は必須と思うのだけれど・・・。
GTカー。
つまり旅行用とは捉えられていないのであろうか。
純然たるスポーツカーとしても時計ぐらいと思うけれど、バイクにも時計は便利なので、ツーリング用には腕時計を貼りつけているバイク友達もいるので、小さなことであるが残念である。

新車価格も300万円台であるから、排気量その他から考えもあまり高価な車ではない。
むしろ国際的にも廉価版スポーツカーの代表であろうと思える。
フェラーリとかは別格としても、今ややたらに安価という程でもない。

お手頃感の強い高性能スポーツカー、それも名車と言えるほど出来の良いクルマと思える。
一度友人のポルシェ911に乗ったことがあるが、RR(リアエンジン・リア駆動)のこの特殊な作りのクルマの恐ろしい運転の難しさもあって、高価であるばかりではなく買って乗ろうとは今でも全然思わない。
ブランド力、格好、見た目は確かにポルシェは格別であるが、トータルには「良いクルマ」と全面的に首肯できない。
コストパフォーマンスとメンテナンスフリーの度合いを考えたら我らがZに優るスポーツカーはそんなにないのではないかと思える。今のクルマの性能レベルでは、その加速力はそんなに大したことはないのかも知れないが、コーナリングの性能は確かなものがある。全然ブレないのだ。
ハンドルさばきさえ良ければ道路のポイントや走行ラインを正確にトレースできる。
これは素晴らしい感覚で、かなりのハイスピードでコーナーに進入しても殆んど不安を感じない。
昔のクルマを知っているのでこの性能には驚嘆させられる。

又「揺れ」を気にしなければゆっくり走っても結構楽しい。
赤いクルマというのが気に喰わなかったけれど、このZ33型のスポーツカーにはシルバーや黒も良いけれど、赤が割りに似合う。
赤い色のせいで昔のガイシャのように曲線がセクシーに見えるし、銀色や白や黒よりも高価そうにも見える。
これは意外であった。

ところでこのクルマの楽しみ方は別にしても最も欲しいものを早く選択しないで残しておくという「心の手法」は筆者独自の性向で「お楽しみ」は未来に取っておく無自覚の習性であろうか。

職員の採用でも美人でアタマの良い素晴らしい女性を何度も何故か不採用にして来た。

これまた不思議である。

別にその女性と何らかの深い仲になるワケではないが、職場という身近に好もしい女性がいることは何の問題も無さそうなのに・・・。
筆者自身の不可解で不思議な性向である。
筆者の人生にとって最も美しい自然の恵みとして好もしいものは女性であるし、人工物ではクルマやバイクであるので、この二大重要創造物(失礼!)、最欲求するものを避けて先延ばしするというのが面白い。

しかし、それらが自然に手に入るという流れもまたあったりして、結局思ったとおりに人生が進んでいるので何だかとても有難いことであるなぁと思える。

近々の成功哲学でも欲求するものは手に入らず、イメージするもの・予感は実現するらしいので、心を中庸に保ってその美しいもの、好もしいもの、真に欲求するものをただひたすら無心に想像していれば、それらが全て手に入るようでもあり何だかウキウキするような人生の法則のようでもあり、重ね重ね有難いことである。

何だか「大人のオモチャ」みたいな風情と感覚を味わさせてくれるフェアレディーZには、今毎月乗り込んでハンドルを握っている。
この手のクルマは手軽に乗りまわすのは少し不便で、少しキツイんですけど・・・うそ。
ホントは・・・。

ありがとうございました
濱田朋久



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