コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ 医者バカ2010.12.22

医者は一部の人を除いて一般的にバカになる速度が早いように思える。
端的に述べるなら「自分は頭が良い」と勝手に思い込んでいるからではないだろうか。
それに医者の仕事は、特に専門医の場合ドンドン仕事が単純化され、アタマを使わないでするように本能的に持っていく傾向があって、これは自らのアタマの良さが効率を求めて逆にアタマを悪くするという結果を招来していると考えられる。
これは筆者を含めて医者全体に言えることで、特に国立大卒業の医者に多い。
田舎のエリートそのものである。
モチロン中央の国立大学を出た医者はこのような傾向が少ない。
今や殆んどの人々が医者を尊敬しておらず、一部の役人・ジャーナリストに至っては国のみならず地方の末端役人からもバカにされる。
いったい我々のどこがバカなんだろうか。
このことについて今回は検証してみたい。
一言でバカと言っても色々な種類がいるので、まず分類をしてみたい。

断っておくが筆者もこのバカに含まれるので自分だけ高見に登って見下しながら書いているワケではない。
医者の端くれとして一生懸命患者さんの為、スタッフや家族の為と日夜一心に頑張っているのであるから、これはただの自虐詩ではなく、お医者さんにたいしての応援歌だと思って読んでいただければ幸いである。

1)専門バカ
或いは学者バカと言われる医者達である。
自分の専門分野の知識しかアタマになく、他のことに興味を示さないバカである。
自分の尺度で人や社会を計測するので、非常識な人間。
頑固で偏屈な人間と見なされやすい。
自分の専門知識に酔っている。
溺れていると言っても良い。
オタクとも言える。

2)金儲けバカ
これも結構多い。
お金を儲けることしか興味がない。
お金で苦労した生い立ちか商売人の子弟で医者になった人が多い。
私立大卒、国立大卒に関係なく日本中に広く棲息する。

3)赤ヒゲバカ
自分はいかにも「医は仁術なり」を具現する人物であると思いこんでいて、心から算術医者を軽蔑し悦に入っているパターンで、いかにも自己陶酔的でコッケイでさえある。
将来は離島か無医村とかに行きたいとか「国境なき医師団」に入りたいなどとエラそうにのたまうことが多い。

4)ラロシバカ
これは筆者の造語でライオンズクラブとかロータリークラブとか商工会議所とか、何らかのボランティア団体に所属し、多分に自己満足的な社会奉仕活動や僅かな寄付行為で罪悪感を減じさせる活動に血道を上げている医者達のことである。

5)医師会バカ
医師会という本来は学術団体であるのに、医師連盟とかと同時加入していることになっているので主に政治的活動とか名誉職活動に身をやつしている医者で、ロクに挨拶もできない変人が多いが、会長になる人は割に人間的にバランスの取れた立派な人が時々おられる。

6)政治バカ
これは医師会バカと少しダブるが、政治家たとえば県会議員とか市長とか町長とかをめざす人で、道を間違えたのではないかと思えるくらいハッタリとパフォーマンスが好きな人だったり、周囲の人におだてられその気になってしまったおひとよしかただの名誉欲・権力欲だけで一般市民の為とか国民県民の為と口で言っているが、その実全くそれらのことに興味がなく、ただ利権と名誉欲だけでそれらの活動をしている。

7)グルメバカ
とにかくおいしい物に目が無い医者達で、金にあかしておいしい店をメタボリック症候群なども脂肪吸収を抑えるおクスリとか高脂血症のおクスリとかジムとかに通いながら「食べ歩き」なさるドクターである。
脳の動脈硬化が進行し、バカの進行もついでに加速していく。

8)オンナバカ
とにかく女にしか興味がない。
複数の女性と同時進行的にお付き合いをして携帯電話を2個以上所有し、仕事も家庭もほどほどに夜の店でもあまり酒も飲まずに女性目的で通いつめたり、時には外国人の女性とお付き合いをしたり何かと私生活のお忙しいお医者様である。

9)凡人バカ
医者という職業の割には特有のバイタリティーと魅力に欠け、平々凡々にもしくは小心翼々として存在感の極めて薄弱な人々である。
これは少数派ながら時々見かける。
「アナタは道を間違えたんではないですか」と言いたくなるくらい地味な生活と地味な見識を持たれていて「食べていければ良い」とか、昔の八百屋か魚屋の感覚で開業しておられる。
また、サラリーマン然とした医者も同種のバカである。
自分の職業の何たるかがよく分かっていないのである。

10)常識バカ
  とにかく普通のバカである。
  マスコミの話を本当のことと信じ、世間の評価を気にしてあまりにも常識人すぎて全   
  く生彩に欠ける医者である。

以上好き勝手に書きなぐってみたが、どんな職業人でも言えることで、専門職の人々の中に自らの仕事についての或る一定のレベルの見識を持たないか、全く読書や勉強や異業種の人々との交流を絶っていたり、素直さや社会に対する義務とか感謝とかを忘れるとどんな優秀な医者も陥る甘い罠のような「バカの穴」である。
自分もこれらの陥穽に落ちないようにして注意していきたいものだ。

最後に世間様におすすめできるバカがある。
それは、
11)医者バカというものである。
医者の仕事が好きで天職と心得、常に勉強を怠らず、
医学のみならず社会や人間についての広い知識を求め学習し、患者さんの為に良いと思うことはどんなことでも研究し、勉強し、名誉も地位も求めず一生をこの職業に捧げるバカである。
これは誇れるバカである。
私はそんな医者になりたい。

自分のことをふり返ってみて上記全部のバカが複合的に混在した普通のバカ医者とクールに自分のことを見ている。

追記@ギャンブルバカというものもある。
結構医者としての腕が良い人に多い。
何となく殺風景であるけれど家族以外にあまり害のない医者である。

追記Aアタマデッカチバカ。
何でも理屈をこねて得意になっている医者。
これは最悪であるが、条件として人の話を素直に聴くことができる人なら問題は殆どないし、周囲に悪臭を放つこともない。

追記Bそもそも馬鹿の語源は中国の故事にあって、或る帝王が或る特定の人物の言うことしか聞かなくなり「鹿」を「馬」と言い聞かされ、それを言い張ってとうとう鹿と馬と認定するまでに至った・・・というたとえ話からの言葉らしい。
これは「偏信」というらしいけれど暗君・愚帝の特徴であるらしく、これまた結構「アタマの良い」帝王にこの傾向があるそうである。

ありがとうございました
濱田朋久



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