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■ ペテン師たちよさらば | 2010. 7. 3 |
人に騙されてはじめて気付かされることは自らの愚かさが一番である。 けれども一方で金銭やプライドへの執着の強い人の中には、自らの過ちや不注意さよりも相手への憎しみや敵意、「悔しさ」や「悲しさ」の感情をより強く感じるに違いない。 そこで詐欺師やペテン師たちの特徴を少しく列挙して皆様におこがましくも注意を喚起してみたい。 これは世の中の多くの善良な無辜の人々の為にはなることなので、多少の勇気を持って以下に書きつづってみたい。 一般に多くの人々、概ね8割の人は人を外見で判断する傾向があって、これは当然でもあり自然な人間の傾向でもある。 ありていに言えば「ハッタリに弱い」という特徴を有する。 これは詐欺師にとって極めて好都合な一般人の性質であるので、まずは整った身なり、たとえばスーツにネクタイと七三に分けた短髪・黒髪、いかにも清潔に白いハンカチや高級な腕時計やバッグなどの身装品と高級車、立派なオフィス、容姿の良い秘書と、極めつけは世間一般で認められているRとかLとかJとかのボランティア団体への所属、または医師とか弁護士とか会計士とかの有資格者たちとの親交、一流企業や高級官僚・役人との面識とかとにかく社会的地位を確立して、それを名名刺に刷り込んで喜んでいる人々がこれらのペテン師達の重要な脇役達であり、格好の餌食・カモでもあるのだ。 ペテン師・詐欺師達の仕事初めはこれらの人々との親密な関係を勝ち得ることから始まる。 それは当然家族ぐるみ・企業ぐるみとなり、時には「チャン」づけの呼称などでいかにも深い親交を得たような錯覚をカモ達に持たせる。 つまり相手の身も心も完全に信用させる・・・というワケである。 そうした基礎づくり・土台づくりが終わると自然に収穫の時がおとずれる。 或る組織や個人の「お金を自由に使える状態」をいつのまにか築いてしまうのだ。 そうして最終段階にとうとう牙を剥き出す。 まず手始めに業界用語である「揺さぶり」というステップを踏む。 即ち脅しをかけて思考停止に持って行くワケである。 恐れによって前頭葉の働きを麻痺させた頭に「洗脳」とも呼ばれる「刷り込み」を脳の深部に繰り返しかけるのだ。 これを「強化」と呼ぶ。 @信用させる A脅す B刷り込む C言葉の繰り返しによる強化 これらのステップの為に言葉とナリ(身なり、服装)と多少のお金を使ってさまざまな演出をする。 時には高級ホテルとか外国旅行とか、知名人との親交をほのめかせる舞台装置を用意する。 要するにすべて架空、虚構の世界をまるで大がかりな映画のセットのように準備するワケであるが、中には大手の銀行や一部上場の企業もその配役の一部を担わされ、後で大迷惑をこうむる。 完全に騙してお金を絞り取ってしまった後は逃げの一手で一目散に霧散してしまうのであるが、一匹狼的に動く人間の場合には成功した場合、結構な金銭と地位を一人占めすることができるが、これが失敗に終わると詐欺師としてその筋から告発を受けるだけでなく、世間の信用も失い、普通その「犯行現場」周辺では生きて行くことはできない。 それでも日本も広いので、このような人物はまたゾロ性懲りもなく、全く同じ手口で他の地域に移り住み、同じような犯行を重ねるのが一般的であるが、全国レベルの詐欺師であると普通は再起できない筈であるが、それでも他人名義で会社を起こしたり、他人になりすまして同様のことが出来るのでナカナカしぶとい人間が多い。 そもそもペテン師・詐欺師というのはツラの皮が一般人よりも2枚から3枚くらい厚くなっていて、多少の誹謗中傷くらいでは少しもひるまないようだ。 これらのエジキやカモにならない為には、いくつかの注意点があるのでそれを列記したい。 @人物の判定に身なりや態度やふるまいや肩書きや名刺などに妙に不自然でハッタリめいたものがある場合には不可とすることである。 ホンモノの人物は、所謂「辺幅を飾らず」普通は質素朴訥である。 A脅しに簡単に乗らないこと。 その為には日頃から正々堂々と白日の下で天や人に恥じない生活をしていくことである。 それでも誰の私生活にもいくらかの汚濁があるもので、そこもつかれた時もそれが犯罪でなければ開き直って堂々として揺るがないことである。 そうして思考停止だけは起こさず、冷静に対処することであるが、これは結構難しい。 B甘い言葉や誘惑に簡単に乗らないこと。 おだてられたり持ち上げられたり、異性問題(英語ではハニートラップと呼ぶらしい)にも注意する必要がある。 いずれにしても世の中には悪人がいるもので、誰でもかれでも疑ってかかる警察官あがり、それも公安とか2課(詐欺担当)か4課(暴力団担当)かの経験を有する人物を側に置いておくという用心もいるかもしれない ありがとうございました 濱田朋久 |