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■ 逆追突事件 | 2010. 4.15 |
3月末ながら花冷えの日がつづく桜花満開の午後のチョットした事件ながら、何となく心に残る可愛い話なので少し書き残してみた。 舞台は熊本市内の路面電車のカーブしながら通る街路。 車の通りの多い交差点で右折しようとしたら、途中で黄色信号が赤信号になって前のクルマが止まってしまったので、前車の後ろに待機していたら、電車の通る路線レールを前車が跨いでいたらしく、突然こちらにバックして来た。 一旦止まったもののドンドンバックして来て筆者の運転するレクサスという高級国産車の前方にコツンと逆追突してしまった。 結構な衝撃であったけれど、急いでいたのでそのまま走り去ろうとしたらぶつけた車の方が路肩に寄せて待っている。 ドンドン知らぬフリをして走っていたらついて来るので、とにかく何かを「話し合い」せねばなるまいとコチラも車を脇に寄せてその逆追突した国産の箱型の小さなクルマに近づいてみたら若い女の子二人が恐縮して座っているので「大丈夫?」と声をかけて「俺もバックすりゃあ良かったから・・・」と言って彼女達のクルマの後ろを見たら殆んど傷もない。 「ジャア、気をつけてネ」と言って自分のクルマに乗り込んで走り去ろうとしたらバックミラーの中で深々と最敬礼をする女の子二人の姿を見て、何か良いことをしたような、そしてその何を言われるか恐れていたのが何事もなく安堵したのかあんまり可愛いかったので少し記録しておこうとここに書きつけている。 実は追突されたのはここ10年であと3回あって、高速道路の料金所で止まっていたらガチャンとやられてしまったこともある。 この時は相手のクルマは派手なスポーツカーでキレイなお姉さんを乗せた若い男であったが、この時も何も文句を言わず走り去ったが、件の若い男はとくに謝りもせず憮然として黙していた。 助手席の彼女も無表情で何となく後味は悪かったが、こちらの気分を害したほどでもなかったので「ま、いいか」と何も文句を言わず走って行った。 ただ小さな罪を「ゆるす」というのがとても気持ちが良いことを知ってしまったので、クルマの接触事故でたとえこちらが被害を受けても余程なことでない限り相手を責めたことはない。 筆者の赤いスポーツカーは恨みを抱いたであろう何者かの手で車体全体にドアからフェンダー、トランク・天井まで釘で傷だらけにされたこともあるがそのままにしている。 塗装しなおすのにお金がかかるのと面倒臭いのと、その人の気の毒な心の痛みを憶えていようと、とにかく傷だらけのままで乗っている。 幸か不幸かそういうことが気にならない性格なのかお陰でとても気楽な日常を送っている。 こういう出来事でイチイチ頭に来る人は少し気の毒に思える。 「被害」を実際受けた上に心まで「被害」を受ける。 二重の損だ。 それを長く思いつづけるなど愚の骨頂に思えるが、時には一生残るような後遺症で苦しむ人もあり、この場合は恨みつらみ、被害者意識や復讐心も理解できないワケではないけれど・・・。 いずれにしても寛容さと鷹揚さは自分の心を平安にするし、人から好かれるし徳にもなるので是非身につけた方が良いと思える徳のひとつと思えるが、人を責めたり攻撃したりするのがお好きな方もおられて、客観的に見ると何となく揉め事が次々と起こりそうで不気味であるし、かかわった人は可哀想に思える。 とにかく街中で接触事故を起こして動転していた二人の若い女の子を安心させ、ホッとさせ形として感謝されたという意味で自己満足ながらすごく嬉しかったのでチョット書きつづってみた。 何だかイヤなことがつづくここ1カ月であるのでさらに嬉しく感じたのだ。 こういう気分が味わえるならドンドンぶつかって来て欲しいくらいだ。 チョットくらいの傷などあまり気にならないというのはクルマを運転する全ての人に持っておいた方が良い心構えのような気がする。 自らの神経や心を守るに。 どうでも良いストレスをかかえない為に。 ありがとうございました 濱田朋久 |