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■ ビジネスとペテンの間 | 2010. 3.22 |
これは結構深い問題であると思える。 たとえば「お金儲け」だけを目的とした業であるならば、これはもうどんなビジネスも限りなくペテンに成り下がってしまう。 流通業、物販を例にとるならできるだけ安く仕入れたものをできるだけ高く売ればその「儲け」は確実に大きくなる。 「儲け」だけが目的ならば、ただで仕入れたものをできるだけ高く見せかけて売れば良いわけで「ブランド品ビジネス」などはその典型で、品質などを全く考慮しないでその品々を客観的に判定して見れば、或るブランドの価値付けを高い位置に勝ち得たならば、そのブランド名を商品に冠するだけで高く売ることができる。 これをペテンと呼ばずして何と呼ぼう。 有名人ビジネスもペテンのひとつだ。 或る高名なタレントさんとかを呼んで何か話しをさせれば膨大な人間が集まって来て、その面白いかどうか分からない話しをありがたく拝聴させられることになる。 日本の文壇の重鎮であられるIという文士は話しは全く面白くなく有益でもないが、その登壇料(ギャラ)は数百万円と聞く。 モチロンその文士の納税額を考慮するとそのくらい払ってもらわないと間尺しないのかも知れないが、何となく腑に落ちない。 それこそ聴衆は何だかペテンに合ったみたいになるだろう。 しかしながら一方では素晴らしい歌のうまい歌手とか演奏者とか、物凄くウケの良い噺家などもいてまぎらわしい。 どんな物品やサービスでも激しい競争にさらされたもの程ペテンではなくまっとうなビジネスになってくる筈であるが、今はみんなテレビという巨大なパワーを持つ媒体に騙される。 テレビを或る意味ペテンを応援しているかに見える。 一世を風靡した有名企業も有名人も殆んどテレビで製作(?)される。 日本でまっとうなビジネスというとやはり自動車産業である。 いくらリコール騒動があろうとトヨタの自動車は世界で一番故障をしない。 その上どこのクルマも激しい競争にさらされて、その情報も性能もデザインも厳しい消費者の鑑定の俎上に載らなければならない。 消費者を魅了する素敵な自動車をできるだけ安価で売れないと会社は潰れてしまう。 これは電機産業にもその他多くの製造業にも言える。 決して一部の高級品のようにブランドにあぐらをかいているワケにはいかないのだ。 ブランド品というとすぐに頭に浮かぶのがベンツとロレックスとルイ・ヴィトンであるが、これらはその名の割に故障が多くデザインもダサイ。 ベンツは安全性がウリで故障の多さなど二の次かも知れない。 ロレックスは丈夫さがウリだが、これまたよく壊れる。 モチロンキチンと直してくれるので、ヴィトンと同じくその信頼性は修理にかかっている。 しかしながらいずれも修理代・メンテナンスにお金がかかる。 これらのブランドはペテンとまではいかなくても、立派に見える・リッチに見えるという満足度とか錯覚を売っているので何らペテンとは言えないのかも知れない。 一部の高級ブランド商品がややペテン臭いのはその値段である。 ハッタリの仕方である。 売り込み方である。 「高級に見せる」ための仕掛けをいっぱいつくってその品物の価値以上の値段で売っているという意味ではペテンに近いが、それはブランド品というものが競争をさせない仕組みをつくっているからで、たとえば生産しすぎないとか値段を下げさせないとか色々な手練手管を使って、その見せかけの価値を維持している。 或る意味で大したものである。 このような世界的な販売網を持つ商品群と違い、一般の中傷零細企業や個人にはペテンまがいのビジネスが巷にあふれている。 たとえば中古車販売だ。 大量のオークション出品の行われる競売車の売買はいくつもの騙し合いが生じる。 つまり二足三文のオンボロ車をできるだけ高く売りつけるという裏技を駆使して堂々と駆け引きという騙しあいをやっている。 悪徳弁護士とか悪徳医者も時々いて不正請求とか不当請求というものを堂々と行っている。 弁護士や医者がお金儲けに走ったらとんでもないことになるが、利益が出ないと生きてイケナイけれども、両者共に高い倫理観があってはじめてクライアントや患者さんの為の「人助け」という業であるという本質を忘れてはいけない。 こうして考えくると、ペテンとビジネスを分けるkeypoinntはやはり競争と倫理観しか無さそうである。 倫理観というと何だかカタ苦しいが、簡単に言い換えると自分の利益の為に人を苦しめないという原則を持つということである・・・と考えている。 人を騙して利益を得るというのは論外で、その騙した人の損失も計り知れない。 人を騙して得た儲けなど真の利益とは言えない筈である。 人にマイナスを与えるということは自分がマイナスの人間である、つまり社会にとって有害な人物と見なされて、そのマイナス額が大きければ最終的にはその人を社会的に抹殺されてしまい利益や儲けを継続することができないからである。 モチロンギャンブラーとか一発屋とかの場合、例の外かもしれないが、末路に繁栄とか成功とか待ってはいない筈だ。 ありがとうございました 濱田朋久 |