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■ テレビ | 2009.12.21 |
日本人の90%は平均3時間もテレビを観ているそうだ。 凄い。 それなら、テレビの人気番組に出さえすれば、一躍有名人になれそうである。 有名人になっただけではモッタイナイから何らかの儲けにつながる仕組みを造って、スポンサーから広告料を取って売り込むというのが、このテレビという巨大なマスコミュニケーション媒体の正体であるのだ。 大昔から有名人=高収入というカラクリがあるけれど考えて見れば、その母数が大きければ大きい程「有名人」は圧倒的に少数派になる。つまり1億の人口がある国の有名人というのは、1万人の町の有名人より、はるかにお金持ちになるチャンスが少ないかわりに一旦なってしまうと、莫大な富を築くことができる可能性がある。 1億人から1円ずつ集めたら1億円であるが、1万人なら1万円にしかならない。 このような理屈で、全国版のテレビ人気番組、例えばNHK紅白歌合戦などお金を出してでも出演したい歌手とかウジャウジャいるような気がする。何せ、1億近くの人々が観ている。テレビの高視聴率番組なのだ。少なく見積もっても1000万人以上は観ているであろう。 筆者はテレビを観ない。 第1の理由は時間である。1日3時間半だ。これは、人生にとって莫大な時間の浪費であると思える。特に勉強しようとする人にとっての3時間半とは相当なものだ。案外知られていないがテレビの情報量というのは、一見多いように思えるが、ニュースなど、同じことを繰り返し仰々しく述べ立てているだけで一日の出来事など、まとめた文章にすると、三行にもならない。 それに、年収一千万円以下の人々を対象にして製作しているとも聞く。 逆に表現するとテレビを多く観る人は年収が少ないとみることができる。 これは或る意味当然である。勉強をしないで怠けていると見れば・・・。 結構厳しい見方であるが、自然な理屈と思える。 一方「本」の情報量は莫大である。 そして、その情報摂取時間の短いこと・・・。 良い本になるとこれはもう感動的ですらある。 今の世界情勢なども本屋に行ってその手の本を数冊買って来て一晩パラパラと拾い読みするだけで膨大な知識を得ることができるし アタマの訓練にもなる。 第2の理由として読書と比べてテレビを観ているとアタマが怠けるような気がするからである。 読書というのは結構能動的な行為である。まず文字を読んで理解し時には記憶し、それを他者に伝えるとか自らの日常生活に役立てるとかをするワケであるから、テレビのようにただ黙っていて、声や文字や図や絵や画像や時には音楽まで付けられて、流されるものと違い、人間の五感のウチ、視覚、聴覚、という最も大事な感覚がいつのまにか自然に没頭させられ、思考力まで奪われ、呆けたようになったアタマに無鉄砲にそれも無理矢理に、色々な有害無益な情報ばかりとは限らないが、どうでも良いような内容の情報を流し込まれ、所謂洗脳されてしまう・・・のではないかという恐れを持つからである。 良い洗脳ならまだしも、悪い洗脳というのが結構多いように思える。 テレビで家庭内暴力とか幼児虐待とか、学級崩壊とか自殺者数とか飲酒運転による事故とか報道されると、現実にはそれが増加するものであるらしい。 報道の番組とは異なるが、例えば映画などで、主人公がタバコを喫ったり酒を飲んだり、コーラを飲んだりSEXをしていたりすると、それを無意識的に「したくなる」という原理と同じである。 「梅干を想像するな」と言われて想像してしまうのが人間の脳である。 それを画像と音つきで流されるワケであるから、これはもう大変な洗脳力である。 今上映中の「2012」というハリウッド映画も不気味である。まだ観ていないが、西暦2012年に地球規模の大災害が起こって、人類が滅亡する危機に見舞われるという内容らしいが、この所謂パニック映画では、大金持ちとか一部の特権階級の人のみが助かる仕立てにしてあると聞く。 先年の9,11事件アメリカの同時多発テロの先立つ、半年前か1ヶ月前に放映された「パールハーバー」という映画では、ハワイの真珠湾攻撃を受けた後に復讐のためにアメリカ空軍のドゥーリトル大尉率いる爆撃隊が、日本のいくつかの都市を見事に空襲して小規模の「復讐」を遂げた。 英雄として描かれてあったが、件の9,11テロの後にも、テレビニュースでアメリカ国民の「リメンバーパールハーバー」なる言葉が盛んに飛び出してそれにつづく米軍のアフガニスタン侵攻を、世間に簡単に容認させる為の洗脳映画ではなかったかと筆者は考えている。 今や、あの米国における飛行機自爆テロは自作自演であったという説も出てきており、そうなると 2012年には何らかの宇宙規模の人工的な大災害を引き起こそうとするケシカラン輩がいないとも限らない。 目的は不明であるが、戦争にしろ災害にしろそれに乗り、金儲けを企む人々というのは必ずいるものだ。 テレビの惹起する洗脳の内容というのは、極めて意図的で、決してありのままの報道ではなく、必ず何らかの加工された内容しか流さないらしい。 「クライマーズハイ」という堤真一主演の映画を観れば分かるが真面目な新聞記者達が、あの8月の夏の夕、日航123便の長野県御巣鷹山への墜落という大事件を中曽根総理の靖国参拝とかとか、地元高校の夏の甲子園での活躍とか、同レベルで報道されるのであるから報道人のモラルというは読者への迎合とか販売部数の問題とか、総合的に判断されるものかも知れないが、極々良心的な報道人ですら、その程度の倫理感覚しかないのには全く驚くべきテレビも含め報道というものと 危険さ、いい加減さと同時に視聴者や読者の興味のうつろいやすさも相まって、すべての報道番組について、媒体の種類を問わず、何かしら、空恐ろしい薄ら寒い心持ちにさせられる。 その上、本と違い責任者、製作者が個人でなく企業となっているのでさらにいい加減に感じる。 筆者はそれらの洗脳を受けずに自分のアタマでしっかりと考えていたいし、テレビを観て、前の官房長官だったカミソリ後藤田正晴氏のように腹を立てたくないのでなるべく、観ないで専ら読書と思索と体操やストレッチで時間を過ごしている。 映画は観る。 これはアタマを休ませてくれる。 先述したテレビの理屈と同じである。時々は良いであろう。 つまり怠慢でいられるから楽である。 ありがとうございました。 濱田朋久 |