コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

[戻る]
■ 黒白主義者礼賛2009.12.10

これまた皮肉めかした表題である。
物事には常に白か黒かの評価は、世の中に厳然とした状態として存在するものだ。
それは特に勝負の世界ではそうである。
昨今では特に「勝ち組」「負け組」とか、「金持ち父さん」「貧乏父さん」とかいちいち分別がうるさい。
人間はゴミではないのだ。
所謂「格差社会」だそうで、もともと人類は大昔から格差社会だったのであるけれど、割合に所得配分の均等であったヨーロッパとか、アフリカの未開地とかまでも「格差」について敏感になったようだ。

国際経済の側面からこの事態を見ると、1989年に起こったベルリンの壁の崩壊に象徴される「東西の統合」が政治的に生じたために、本来「差」があった西と東で個人や企業のバランスが崩れて、主に労働者の賃金の格差に目を付けた企業が生産拠点を所得の低い「東側」に移した為に発生した生産過剰の問題と、それに拍車をかけたのが中国の改革開放路線である。

それ以前にもオイルショックとかドルショックとか日本の不動産バブルとか色々な金融上のトラブルをバネに金融資本主義というものが産業資本主義に取って代わり、実態経済とキッチリ連動しない、言わば幻のような金融経済が出来上がって、近々に起こった米国のサブプライムローン破綻の問題と、それにつづくリーマンショックとで金融経済というものの危うさが露呈していたところ、案の定ドバイショックというのが先日起こったようである。

経済人は余程「ショック」という言葉がお好みらしい。
ショックというのは人間の心をパニックに陥れると同時に、何らかの損害と同時に利益を生むものらしい。
「格差」も「ショック」も特殊な経済人から見ると純粋なビジネスチャンスなのではあるが、このことは公には誰も言わないようだ。

物事は全て二面性があって、裏と表、光と闇、勝ちと負け、上と下、外と内、男と女などなどキリがない。
これらを上手に操ることができるならば、莫大な利益と富や財を生みだすことができるのであるけれど、アタマの良い一部の人達はこれを巧みに、実際に操作して自分達の富をドンドン増やしていると聞く。

ごく皮相的に見れば、今の同時世界大不況というのは人工的なものであるが、あと5年はつづくらしく、経済人から見れば「長期大不況」であるらしい。
そしてその原因も世界の消費の4分の1を請け負っていたアメリカの個人消費のサブプライム問題に端を発した過激な落ち込みということになっている。
アメリカの個人消費は、GDPの72%に上がると見られ、日本の55%、中国の18%と比べると圧倒的な金遣いの荒さだ。
今のところ、生産過剰よりももっと興味深い「金あまり」現象というのがあって、これは金融経済の中の株式相場、債券相場、商品相場などの中の主に石油とか金とか穀物などの食料とかに対してのそれが異常に作為的になっていて、実勢価格など関係なく乱高下しているというのがこの問題の実態であるらしい。
「ドバイショック」というのも実は、所謂オイルマネーが大量に余っていて、アメリカだけに使わせてはならじと中東産油国の成金どもが自分たちの地だの一部に贅をこらした夢のような大消費基地をつくろうと目論んだのがこの紅海に面する誠に雑風景な街ドバイであるらしいのだ。

ドバイがいきなアメリカ並みに上手にお金を使えるかというとこれまたドダイ無理なハナシである。
お金というものは稼ぐよりも貯えるよりも本当は使い方が一番ムズかしいのだ。
お金は上手に使えばドンドン逆に増えていくことがあるらしい。
筆者もそういうレベルではないけれど、投資とか資産という意味では変な見知らぬ人の資本(株とか商品取引とか為替相場とか)に投じることはせず、もっぱら読書やら勉強やら講演会やらに出席して自分の仕事に実際のお金と時間とエネルギーを投じているので、或る種自己満足的優越意識はある。

話を戻すけれど、黒白主義と経済とがどういう関係があるかというと、まず世間やマスコミで伝える経済の動向の情報に黒白主義者が真っ先にだまされるということをお伝えしたのである。
たとえば日本における明治維新時の幕府と薩長同盟の争いの時に、イギリスとフランスの代理戦争でもあったワケであるけれども、これは長い歴史を見れば英仏のあいだの百年戦争とか日露戦争とか第一次、第二次の世界大戦も東西冷戦も白か黒か、勝ちか負けが普通の人間は大好きであるので、城にも黒にも、東にも西にもお金を出す人がいて、両方のうちどっちが勝っても得をするシステムをつくっておけば、どっちが勝とうが負けようが、実のところ全く関係がなく、白でも黒でもない言うならば透明な位置にいて人々の心を操り富を得ている一部の人がいることを頭の片隅に置いておくのも世の中を達観するのに役立てるかなぁと思った次第である。

ギャンブルも主催者(胴元)が一番儲かるのである。
しかしながらパチンコをやっているよりパチンコ屋も競馬場も競輪場も競艇場もそういう黒白主義であふれ返っている・・・ように思える。
つまり白か黒か(勝ちか負けか)決着したい人々である。

今現在も日本人同士のボクシング中継があっていて、それはマスコミが煽って視聴率を得るためにどっちかを悪者にし、どっちかをヒーローにして戦わせてお金を取ろうという魂胆がミエミエで、ある友人から何故この映像をテレビで観ないのかとの問いに「どっちだっていいじゃないか。同じ日本人だし」なんてエラそうに返答して悦に入っているワケである。

だいいち説明するのが面倒くさい。

結論を述べるならば「格差」とか「東西」とか「競争」とか白か黒かを煽っている連中が一番タチの悪い「悪人」ということになるが、別の表現をするなら「バランス感覚の優れた人」と呼ぶこともできる。

世の中のありようを宇宙の摂理と共に少し超越的に眺めて見れば、本当の意味のバランス感覚というものは正邪善悪、貧富、上下、右左、左右、男女、明暗などなどあらゆる二つに分断されたものと捉えて人間の錯誤を見抜けるかも知れない。
そして少しは心の平安を得ることができるかも知れない。

ありがとうございました
濱田朋久



濱田.comへ戻る浜田醫院(浜田医院)コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせいよくある質問youtubeハッピー講座