コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ 世界遺産2009. 7.23

こういう言葉をいったい誰が考えたのであろうか。
国立公園とか古代遺跡とかの類に世界中で美しく、文化的科学的にとても貴重なものを遺産として残しておきましょうヨ・・・というような意図であろうか。

「アマルフィ」という映画を観たが、この作品はフジテレビ開局50周年を記念して製作されたもので、何故かイタリアが舞台となっている。
余程、フジサンケイグループの中にイタリア好きがいるのであろうか。
「アマルフィ」とは、イタリアの西海岸にある「街」の名前で、世界遺産に指定された、それこそ「美しい」景観の砂浜と地中海特有の白々とした小さな箱型の家の立ち並ぶ、謂うならばただの寒村である。
筆者の感覚では、日本の瀬戸内海の小島にある貧しい漁村の方が余程美しいと思えるが、世界中どこへ行ってもそのような景観があるらしくモチロン瀬戸内海を世界遺産にしようという動きは全くない。

それでも「アマルフィ」という映画はナカナカの出来で、織田裕二を主役に配し、天海祐希、佐藤浩市などを脇役に、オールイタリアロケでめずらしく一人も「死人」の出ないロマンチックなアクションサスペンス映画になっている。
少々日本人らしいクサさが目立ち、ストーリー展開にもやや無理があるものの真保裕一原作のスピード感あふれる味わいがいたるところに表現してあって、結構見応えがあった。

ちなみに、同じく真保裕一原作の「ホワイトアウト」でも織田裕二が主役を演じ、その後の「踊る大捜査線」「県庁の星」につづく新いヒット作の第一弾になり得そうな敏腕外交官シリーズ化が期待できそうな作品ではあった。

サラ・ブライトマンのヒット曲が主題歌として使われ、日本人の大人気イタリア人や、イタリア語、イタリアの都市が満喫できて或る意味で日本人のイタリア好みテンコ盛りみたいなみたいな、異国で撮られた純然たる日本人の映画となっていて、同じイタリアものとしては竹ノ内豊を主演に制作された「冷静と情熱の間」という作品が思い出される。

日本人は余程イタリアが大好きらしい。
今はイタリアも日本人の観光客だらけだそうで、友人のツアーコンダクターに聞いてもイタリアが一番印象が良いらしい。
不思議である。

筆者としては、イタリアやギリシャやスペインの南欧はやや苦手である。
地中海の文化というのは確かに日本人から見るとエキゾチックではあるが、何となくキタナク嫌である。
何でもかんでも混ぜこぜみたいなところがあり、中国大陸から朝鮮半島から日本と同じように混ぜこぜの文化という意味では似た者同士のようであるけれども、イタリア人の気質と日本人の気質には、たとえばとても家族的であるとか、マザコンが多いとか、いい加減なところがあるとか、一方で武士道であるとか、清潔好きであるとか、規律的であるとかの、どちらかというと個人的な好もしいと感じる日本人の気質と相容れないので、筆者としてはかの国についてはあまり好印象は持っていない。
世界で一番好きな国は?と問われれば「日本」と答えるし、世界で一番好きな町は?と問われても「人吉(筆者の住む人口4万足らずの町)」と即答してしまう。
海外に出かけても殆んど良いなぁと思ったことはあまり無い。

やはり、日本人の大好きなハワイなど仕事の関係(心理学の勉強)で4回程行ったけれども、着いたとたん肩の力が抜けるほどガッカリさせられる場所はない。
海岸や海などの、こちら九州の宮崎やら同じ熊本県の天草あたりの方がはるかに美しく、食べ物もおいしく海もキレイで暖かい。
その上、美人も多い。

ほんのわずかな海外旅行の経験だけでも、アジアの中国や韓国はまだしもフィリピンとかタイとかマレーシアとかはイメージだけで言ったことはないけれども、お金を出してもらっても行きたい国々である。
世界で一番日本が大好きな純粋な日本人である。
よくよく問い詰めれば殆んどの日本人も心の中ではそのように思っているのではないだろうか。

個人的には世界遺産というと日本国全体であって、その他は遺産とは呼べない。
これは考えてみれば当たり前であると思える。
自分の家は自分が死んだら遺産になるが、隣の家がいかに豪勢で立派でも遺産とは言えない。
世界中の人々の未来の子供達に残しておきたいものが世界遺産ということになるかも知れないけれど、イタリアの田舎の海岸町が世界遺産ですヨと突然言われてもどうも釈然としないし、面食らってしまう。
余計なお世話かも知れないが・・・。
やや狭量な考え方かも知れないが正直な感想だ。
人間の世界で後世に残せるもので最も貴重なものと言えば、やはりまずは記録とか文字(もんじ)とか知恵とか知識ではないだろうか。
目に見えるもの、触れられるものなど仏教的に見れば実にはかないものなのだ・・・。
人の死後に残された遺品というものも、その故人の「生きざま」にくらべたら取るに足らないツマラナイもののように思える。

ありがとうございました
濱田朋久


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