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■ 易学入門 | 2009. 7.21 |
「易学入門」という講座を今月から始めることになった。 全く身分不相応に浅学の極みであるけれど、実人生の実生活に役に立つ易学もどきを取り入れたひとつの理論体系を筆者なりに構築しているので、それをその講座でしみじみと披露してみたいと考えている。 特に中国の古典の中でも難解で哲学的とされる「易経」の解読ではなく、単なる「易学」である。 俗化し、大衆化した「占易」と捉えてられても良いが、先述したように実学としての「実用性」はかなり高いものであると内心自負している。 易経を中心とした体系的学問を論じようと意図しているワケではないので、そのような学問を求めている人々には少し物足りないかも知れないけれど筆者なりにまとめた経験知とか仮説とかを取り混ぜた独自の「易学」である。 乞うご期待である。 中国五千年の歴史を誇る「易経」という経典があって、これは「四書五経」つまり四書とは論語・孟子・大学・中庸であり、五経とは詩経・易経・書経・礼記・春秋のことである。 これらの中でも中心的で高位にある経典が「易経」である。 易経を最終的にまとめたのは孔子と言われているが、本当のところはさだかではない。 伏儀(ふっき)、周公旦、周の文王など計四人の人物がかかわっているということになっている。 これらの人々のうち立てた「易」の理論というのは、素晴らしく数学的、統計的、理論的で内容的には極めて難解であると共に精緻で霊妙な英知にあふれていて、単なる学問としてもかなり興味深いものである。 これらの英知のいくつかを医者として、社会人として、人間として、また家庭人として「いいとこどり」的に取り入れてそれなりに、特に「人間関係」に応用しているのであるが、易経でも繰り返し記されているように「時」もっと専門的には「幾」つまりタイミングとか流れとか時運とか時流とかの諸問題や空間的な難問を解き明かし「宿命」を「運命」や「立命」に変えていくのは人生をより良く生きる為の「ツール」としてはかなり有益性の高いものである。 単なる「占い」と捉えていただいても良いのであるけれど、「取り扱い」には注意を要するので、くれぐれも悪用や乱用は避けていただきたいものである。 その的中率はほぼ100%であるのに、その根拠(エビデンス)については「理由」がないので、さらに怪しい学問と考えられがちであるが、時の宰相や皇室でさえも「師」と仰ぎ重んじた東洋哲学の碩学、有名な「安岡正篤」氏も易学を最高のものとして高貴な人々、身分の高い人々、志の高い人々、どちらかというと高尚な人々に対してそれを説き、人間を高いレベルに導いていこうと考えていたフシがあるので、我々一般大衆としてはますますこの学問のほんの僅かな切れ端でも手に入れたいと願い、辻占い的な取り入れ方をしているということににはもっと寛容でなければならないと思える。 内容については追い追いそれこそ「時」を選んで書いていこうと思う、まずは大まかな「易学」のガイドラインについて述べておきたい。 第一に、これはあくまで宇宙(時間と空間)や、人間や世界や人間の心やありとあらゆるものの秘密を解き明かそうとしたひとつの体系的理論であって、それなりに理実の世界にピタッと当てはまることが多いものの「すべて同一」ではなく、それは易(変化する)というくらいで「それそのもの」ではないということである。 つまり、現象を予測し推量するものという意味では天気予報(今は卑怯にも気候情報などと表現している)みたいなもので、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」、まるで辻占いの前口上のようなもので、当たらなかった時の言逃れは充分な予防線として敷いておいた方が良い。 つまり「疑い」の心構えはあった方が良いということである。 第二に、総合人間学であるばかりでなくこの世界のあらゆる現象を解き明かすヒントになるので、大宇宙とかビッグバン(宇宙のはじまり)くらいの大局的感覚を持って取り扱った方が良く、そういう意味では逆に物凄く「いい加減」なものと捉えられるかも知れない。 というのは、解釈次第ではどのようにでも受け取れる世界という意味では私たちを取り巻くこの宇宙そのものと同じであるのだ。 第三に、この世界や人間のその時々の状況判断の道具としての「易学」には判断技術としての側面があり、その的中制度が極めて高いので、それらを知るものはその技術の使用の仕方によっては危険視されることもあり、またかなりの危険を伴う可能性があることは強く申し述べておきたい。 そのような意味で、この「易学入門」は色々な秘密を含んでおり、重複するが「取り扱い」注意のマル秘知識が山のように盛り込まれているということは知っておいていただきたい。 昔から口伝でしか伝えられなかったように、巷間に売られている「占い本」とくらべて理論やスキルは単純でもその精度が全くちがうのである。 というワケで学問的には中国古典の易経の専門家の書物やセミナーに参加すれば良く、このたびの易学入門ではまさに秘伝中の秘伝になりうる実人生における「易」の理論と手法とそのエッセンスについての講義である。 特に人間関係や人間の判断については特に有益であると考えている。つづく ありがとうございました 濱田朋久 |