コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 再び、読書について2009. 7. 4

書を読むというと、若い女性の場合、小説や物語を読むこと意味することが多いようだ。
中国の古典については「歴史書」を読むということで、一般的にキリスト教徒にとってそれは「聖書」を読むことで、同じくイスラム教徒にとっては「コーラン」を読むこと。
つまり、やや宗教的な色合いを帯びるようである。

さて、日本人にとっての今の読書傾向というものはいったいどうなっているのであろう。
ジャンル別に良書をピックアップした雑誌などを拾って読んでみると、最近はビジネス書・自己啓発書の類や推理小説・時代小説、知名人や芸能人の伝記モノなどが多い。
本当に読みごたえのあるものは意外に少ないが、それでも人気ベストテンに長く君臨する小説などは結構面白い。
この世界でもどちらかというと「古典」のの方が出来が良いようである。

歴史書を読むと確かにそこにはドロドロとした男女の愛憎劇があり、男共の権力欲があり、親子や兄弟間・さまざまの男女間の酷い血みどろの争い事があり、愚かなもしくは勇気ある人々の戦いがあり、そして何よりもそこにはおびたただしい幾万の人々の死がある。
歴史書を読むと勇気が湧くそうであるが、結局はどんな愛や冒険や戦い、美しい人間たちのドラマであれ、最終的に「死」というものが厳然と横たわっているので、勇気というよりは確かとした諦観みたいなものは心の中に出来あがってくるのかも知れない。

自己の完成に向けていくら奮闘努力しても、それは個人の経験としてしか、一個の人生として経験できるに過ぎず、書物や映画や音声の記録は、いくら上手に残されたとしても一個の人間としてそれをありありと体験することはできず、どうしても最終的にはそれぞれのに人間の持っているそれぞれのごく個人的な想像力にゆだねられてしまう。

それでもブッダとかキリストとか、はたまた過去の偉大な人間たちの残した言行の記録や、それぞれの思想の受け継がれたものを読み込んでいくと何かしらの感銘を受けて感化され、人間としての成長が促進されたりするので、ごく限られた個人の経験のみで生きている人々よりもいくらかマシな知性と頭脳をひょっとしたら持つことができるかも知れない。
「偉大な知性に触れる」という意味では確実に、少なくとも新聞や雑誌よりも古典の方がはるかに人生にとっての有益性という立場からもより濃密な気がする。
新聞は新聞なのである。
新しい風聞という世間一般の情報なのである。
テレビもまたしかりである。
話はそれるが、評論家のW氏も述べているので少し自信を得て書いておくが、最近のNHKの報道は○○スペシャルとか○○特集とか、ニュースも含めて嘘が多い。
少しく真実も混ぜてあるのでさらに悪質である。
まさか天下のNHKが虚偽の報道はすまいと多くの人々は思っているかも知れないが、明らかに根拠の真実性の薄い事柄や理屈をいかにもまことしやかに放映するので、時々面喰ってしまう。
唖然としてしまう。

一介の町医者の話などより、NHKの方がはるかに権威に満ちて見えるかも知れないが、内容は極めて幼稚なものが多いように思える。
別にエラそうに批判して悦にいっているワケではない。
つまり、他者を批判して優越感に浸ろうというようなものではなく、何かしらの怒りを感じるのだ。

民や大衆をあざむいたり、煽動したり意図的に操作しているのではないかと、一人の国民として心配をしているワケである。

所謂、古典というものを読みながら、この今の現代の世相をしみじみと眺めてみると、時々背筋が寒くなるくらい恐ろしくなることがある。
筆者はテレビを長年見ていないのであるが、たとえば行きつけの食堂や床屋さんなどでチラッと見たり、その店の人に世相を聞いてみると、はなはだしく見解を異にするが、そこはまた口をつぐんで話に聞き入るワケであるけれども「どうもオカシイ」

どこかしら邪悪な感じのする人相風態の人が○○大臣とかだったり、知性のかけらもないような人物が報道番組の中心の席に座っていたりして不気味であるが、街を歩く日本人の人々のいかにも不幸せそうな表情を照らし合わせると、一種暗澹(あんたん)たる気分にさせられる。

筆者の心の反映かも知れないが、何となく重苦しい感じがするので、やはり古典の文学や思想書や哲学みたいなものを紐解くか、静かに瞑目して思索にふけるというようなことをしている。
読書というものは筆者の場合、最近は思索と組み合わせないと何となくバランスが悪い気がして、こうしてペンと紙を使ってモノを書きながら実践している。

或る人に言わせると、読書は人を保守的にし右傾化させるそうで、思索は反動化させ左傾化させるそうである。
ナルホド。

読書には思索を組み合わせないとイケナイし、読書の対象も時々は古典に向けてはいかがであろうか?

ありがとうございました
濱田朋久



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