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■ 汝の希望を星につなげ | 2009. 6.12 |
筆者の出身大学は、神奈川県にある東海大学で、この大学の創始者は熊本県出身の松前重義という社会党の黒幕とまで言われた知る人ぞ知る立志伝中の人物である。 確か、東北大学を卒業して海底ケーブルか何かしらの成功を収め、大学経営に乗り出して、慶応大学の福沢諭吉や早稲田大学の大隈重信までは有力ではないようであるが、大学の規模としては、それらと肩を並べるまでに育て上げた。 卒業者の有名人としては、巨人の原辰則監督、柔道の金メダリスト山下氏、そして作家の夢枕莫という人々がいるが、数としては政財界や芸能界など著名人は、東大、早稲田、慶応などの有名大学には全く及ぶべくもない。受験時の偏差値などの数値も平凡な、どちらかというと、マイナーなマンモス大学である。 しかしながら、我が母校、東海大学はその卒業してからの経年が増すにつれ、ますます好もしさを深めている。 先日、観た「風のガーデン」という医者もののテレビドラマの主人公の働く大学病院も、テロップを見ると、我が母校の東京にある医学部の分院を使用していたようである。 医者やナース達の仕事ぶりやら、室内やら機械に何故か、親しみと懐かしみが生じて、「もしかして」と思ったら、終幕のテロップに我が母校が確認できたとき、何となくうれしく感じた。 その大学の創始者の言葉が表題の「汝の希望を星につなげ」なんて・・・少々クサイ言葉である。 よく考えてみるとやや意味不明な言葉だ。 一体、希望と星とどういう関係があるのだと・・・。 しかし、スターとは星のことであり、確かに特定の人物を指して「希望の星」という風に表現することもある。 ピノキオという物語のディズニーアニメ映画の主題歌は「星に祈れば」である。 中島美華のヒット曲「雪の華」の歌詞にも、「♪星になってアナタを照らす♪」というところがある。 「巨人の星」というスポ根映画もある。 このように、星にまつわる人間の文化や思想や言葉や生活の中には、それこそ星のように散りばめているのに多くの人々は日常的には殆んど、星には全く無関心に見える。或る意味とても不思議なことである。 我々凡人は、あまり星に祈ったりはしないし、死者が星になって自分を守ってくれたり、「自分の星」というものがあったりとは考えないようである。 それでも、占いの世界では、六星占術や四柱推命学でも星という表現をしているが、それは信じたりする。 また宇宙物学などでも、星の話は学問の中心的な研究材料であり、それらの観測や計測は宇宙の本質を解き明かすのに最も重要な要素なのである。 ・・にもかかわらず、繰り返し出てくるこの星について普通の人間たちの何かと無頓着なことか・・・。 筆者とて全く例外ではない。 花火大会でもない限り、夜空を見上げて、星を眺める人なんていう人は、ロマンティックに見える。夜空をみたりすることに、その貴重な人生の時間を使う程エネルギーは使わないようだ。 毎日「星を眺める時間」というのをもうけてみようかしら・・・ ただ、希望や死者や自らの出生の秘密に「星」というものが深くかかわっているとすれば、たとえ、それが手に届かないものであったとしても、おろそかにできない問題を含んでいるようにも思える。 人生と星の関係はいかなるものであろうか?人間は死んだら星になるのであろうか?星に祈れば願いは叶うものなのであろうか? 天空には人間の希望や願望の要素がまるで、「取ってください」と言うように、そろえてあるという説もあったりして、ますます、星というものの存在が気になる。 ムチャクチャ遠いところにある星。 意外に、すぐそこに在るのかもしれない。 心でつなぎさえすれば・・・ ありがとうございました。 濱田 朋久 |