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■ 長寿健康への道 | 2009. 5.18 |
筆者も医者のハシクレであるので、少なくとも自分の患者さんについては、表題の長寿健康という目標を提供しようといつも心がけている。ついでに、あわよくば何らかの幸福とか生きる喜びくらいは与えられればなあ・・などと考えている。 長寿者についての研究はWHO(世界保健機構)でも日本の医師であり、病理学者であるが中心となって行われているらしい。その研究を参考に筆者自身の知識と経験をつけ足してここに少し書いてみたい。 長寿には遺伝体質があって、それは30%くらいで決して100%でないらしい。最も、長寿健康に影響するのは、@食事である。 食事は運にも影響を与えるが、そのひとつの要素は、人間の気分とか心の調子を大きく左右させるからではないだろうか。 食物と気分については、自分自身の実験的考察では、前の晩の食べたもの、飲んだものが翌日の気分をほぼ80%は決めてしまうことを知って、最近は少し慄然とさせられている。 話を元に戻そう。 次に大切なのはA運動である。運動というよりいかに肉体を使って生活しているか、働いているかという風に言い換えても良いが、現代の文明社会では、肉体労働が極端に減少する傾向にあり、@食事A運動の不足によって生じるのが、所謂メタボリックシンドローム(代謝異常症候群)であり、この特徴を一応述べておくと 1) 高血圧 2) 高脂血症 3) 肥満 これが進展して 4) 糖尿病(全身の神経・血管合併症) 5) 脳卒中(広く脳の機能低下を含める) 6) 心筋梗塞 7) 癌 1) から7)については全くリンクしておりこれらの病気にかかる人は、これらのいくつかを重複に持っていることが多い。たとえば4)」の糖尿病の人なら1)高血圧も5)脳卒中も6)心筋梗塞も7)癌も合併しやすい。 付け加えるならば 8) うつ病であるが、一般的には全く関係なさそうであるが、この疾患も詳しく聞くと食生活の乱れている人が多く、自分は乱れていると思っていなくても、マチガッタ情報とか個人も社会も少しずつしている、一種の誤解や誤解釈のようなもので栄養とか医学知識の偏った理解がこれらの蔓延の原因となっている気がしている。 象徴的なのは、所謂、「無理なダイエット」というのがあって、肥満になるような食品を山のように摂取している人が、奇妙なダイエット法であるとか或る種の薬物とあやしげな健康食品でもって、安易に体重だけ減少させようというトレンドである。 確かに肥満体質というのが明らかに存在しているが、それでも戦争中とか飢餓の時には肥満は少なく、戦中戦後の動乱期には、糖尿病と肥満は殆んど、日本人ではなかったらしいことが、この事実の明確な裏づけとなっている。健康長寿の人の食事は、低カロリー、低ナトリウム(塩分)、低脂肪、高蛋白質、高カルシウムということだが、これらは、大豆などの植物性の良質のたんぱく質と野菜や果物を魚介類や海藻などを多く摂取することが特に日本人には良いらしい。 基本的には、その人の持っている体質はその地域環境に左右されるらしいので半径20キロで採れたものを1)蛋白質( 大豆、魚) 2)野菜と果物 3)炭水化物(米など)を上手にバランスさせて、食べると良いらしい。 ついでに述べるならば、以前、パン食は何故か良くないと書いたが一般のパンにはラード(油)と塩分が多く含まれるのでどうも健康上好ましくないようである。 Aの運動についてであるがあまり激しいものは好ましくない。軽い運動を毎日か週3日以上「つづける」 ことが大事で週1回、激しいスポーツというのは健康長寿には逆に不向きである。 脳卒中・心筋梗塞には過労やストレスが要因というまでもないが、それ以上に見逃されやすいのが便秘である。 或る研究者(名前を忘れてしまったが・・・)によれば、便秘によって生じた毒性の高い物質か、脳や心臓への強烈なアタックになるということで、筆者の経験でも便秘の子供は熱を出し、セミナーや研修など、長時間の拘束のストレスは、排便でかなり軽減されるものであるようだ。 気分が重苦しく、疲れた感じのときや緊張がとれない時には浣腸でも何でもよいから、排便をするとかなりスッキリするので試してみるのもよかろう。 そのような意味で、ヨーグルトビフィズス菌etc)を習慣的に常飲する人も、一般的に長寿であるらしいが、「便秘をしない」というのは、快眠・快便・快食の中でもとても重要なものであるといえるので、それぞれの工夫で解決するようにしたい。 体にとって便秘というのは大変なストレスであるらしいのだ。 そういう意味でも「食事に気をつける」ということになるが、 例えば、食物繊維などは大切な「栄養源」というワケではないが、快適な便通のための物質であるようだ。 まとめ @ 食事の内容 ・ 塩分・糖分を控える ・ 良質な蛋白質を摂る ・ 野菜や果物を摂る ※ 女性ホルモンは動脈硬化(血管の損傷)を抑制するが、大豆に含まれるイソフラボンという物質には、女性ホルモンの抗動脈効果作用を持つらしい。 ※ 塩分の制限は高血圧を抑制する ※ 野菜や果物には高血圧作用がある A 運動・リラックス B 心の安静 追記1 ゴマとお茶に抗酸化作用がある。若さを保つ力があるそうだ。 アイチエイジングの日本の研究者が言う。 追記2 大食漢は、長命ではない。あまりの小食者もまた良くない。 追記3 極端なベジタリアン(菜食主義)も長命ではない。痩せこけて 容姿も体力も知的能力も衰えるようだ。特に男性では精力が落ちる。 ありがとうございました。 濱田 朋久 |