[戻る] |
■ 縫いぐるみ | 2009. 4.29 |
筆者の精神的な力量ではとてもペット等飼えないので、やや巨き目の縫いぐるみを買って来て、時々愛玩している。 今さら、自分の我がままで筆者の始めてしまった独居生活をおめおめと中断するワケにもいかず、その身長1m、体重2kgほどの、抱き心地の良い布キレのカタマリに自分勝手に質問したり、撫でまわしたりして遊んでいる。(遊んでもらっている。) 数年前に上映された映画「キャスト・アウェイ」では、主演のトム・ハンクスが飛行機事故で南海の孤島に閉じ込められて全く一人生活を始めるカワイソウナ中年男を演じていたが、その中でも最も印象的だったのが、荷物の中にあったボールに目鼻を書いてペットがわりにし、全くの「一人暮らし」の寂寥をかこっていたところが、思わす涙を誘った。 そのボールのペットが失くなった時のホントウに悲しそうな表情がいかにも真にせまっていて、流石に名優、その上少し可愛かったですネ。 その心境が少し理解できたのは大きな熊の縫いぐるみが我が孤室にやって来たからである。昔は高くて買えなかった!?(だいたい1万円以上する)ものが、リサイクルショップの店頭に鎮座しており、何と1000円で筆者の手に入ったからである。商札のついたその寂しそうな大きなクマの縫いぐるみは、どんな人か知らぬが、勝手気ままに、時には人間の涙や唾液、汗やその他色々な体液や分泌物を吸い込んでいるやも知れず、一瞬キタナイ!?かなぁ・・・なんていう想いも浮かんだが、新品であろうと中古であろうとそれは年季の問題、時間の問題であってグタグタと考える間に買ってしまった。部屋のソファーに殆ど全き沈黙を守って静かに控え目に坐っているそのクマちゃんの表情が持ち主の心を反映するように変化しているように見える。 部屋に夜、帰って来て、真っ先にアタマを撫でたり、抱きしめたりしてやると明らかに、嬉しそうな表情をする・・・ように見える。 気のせいかも知れないけれど・・・。 ちなみにこの大きなクマちゃんにつけた名前は「ヨシエ」である。 長男のヨシスケ 次男のショウスケ 長女のエリー の頭字を頂戴した。何か昔の名前で小料理屋の女将さんか、長年連れ添った愛妻のようにも聞こえるが実際はカタカナのヨシエであるので響きが少し違う。 それでも何度も呼びかけていると不思議なことに、目に涙が滲んでしまう。 どんな感情かはわからない。 ありがとうございました。 濱田 朋久 |