コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 株式会社2009. 4.29

先日、在る雑誌を読んでいたら、オヤッと思うような記事に出会ったので、急いでこのコラムを書いている。

この記事を載せた方というのはSという高名な日本人の経済学者で
よくテレビにも出演していて某大学の教授で、所謂、識者と呼ばれている人である。
この人のお説は農業振興がこの国(日本のこと)を救うということらしいが、確かにお説はごもっともであると思う。先進国でも食料自給率が20%という低さは、日本だけらしいが、この島国日本で輸入がストップしようものなら、我々日本人の食料事情というものは空恐ろしいもんがある。

自給自足という立場は、貿易立国としての日本の立場では、経済的な保護主義となり世界中の非難を浴びる政治方針となってしまうが、「我が家の台所」ともいうべき「食料需給」に対して諸外国からいくら文句を言われてもヘコタレずにキッチリと言い返しても良いのではないかと思うのだが・・・。
「農業振興と食料自給率アップ」という方向性については筆者として全く異論はないが、この学者先生に言わせると農業に株式会社を参入させよということらしい。思わず唖然としてしまった。

そもそも株式会社というのは営利を目的としておりその出資者たる株主を儲けさせるために存在するらしいのであるが、農業というものはこれに、全くそぐわない。なぜならば、水とか空気とか電気とかガスとか、はたまた、教育とか医療というものは極めて、公益性の高いものであるから「公」ではない「私」のものである株式会社などに任せてしまっては、その需給体制として危険すぎるのではないかと思えるのだ。

先年アメリカで起こった電気需給バランスを単純な営利企業にまかせてしまって、大都市の大停電が生じ、少々喜劇的とも言える顛末に驚かされたが、決して他人事笑い事ではないのである。

社会のインフラというものにはできるだけ営利目的の企業というものは参入させないようにしなければならないし、法律にもこれはキチンと謳ってあることだ。こんなことを本気で述べる学者先生はアタマがオカシイのではないかと思えるのであるが、経済至上主義、市場原理主義者、所謂「見えざる神の手」によって自由に競争させておけばすべてうまくいくという嘘みたいな理屈を素朴に信じさせようというのがグローバリゼーションの本質であるのでその風潮に意図的か無意識かに冒されている人物とみた。

ところでこのお説はかの有名な竹中平蔵という少し世間知らずに見えるトッチャン坊屋の何と前金融財政担当大臣も述べておられる。

日く、島根県で1個1万円で売れたすいかがあり、そんな風に農家が営利を目指して頑張れば日本の農業は再生するだと・・・。

バッカじゃないの・・・。

1個1万円のスイカが出て来た。1kg10万円の米なんていうのもでてきそうだし、そもそも、水や食料をやたらに営利目的にするというのは、商売人にやることだし、その生産者である、農家というものはマジメにコツコツと働いて、出来るだけ価格の高くなりそうな生産物を選んで自然に作っているから成り立っているのであってこの業界に株式会社が参入しようものなら社会は混乱するにちがいないと思うのだが・・・。
素人のタワ言であろうか?
ちなみに水をうるというのは「冒涜」いう語源からなっているそうである。(つまり水を売る(涜)を冒すということ。)
今はコンビニでただの水をペットボトルにいれて100円で売っているから、この不気味な、世の中の到来に向けてのプロローグかも知れない。

前出の竹中元大臣も農業株式会社化論者である。
中国の古典にもきっちりと書いてあるが、「学者」を政治に携わらせてはならない。隠れた常識である。ノーベル経済学賞受賞者の企業した会社が見事に失敗したが、理論理屈ばかりのアタマデッカチに本物の経営はできないのである。

件の元大臣は、最近はしょっちゅうマスコミや書籍に登場していてワケのワカラン事をいかにも、もっともらしく知恵者ぶって、持論や勉強法を説いているらしいが、チャンチャラおかしい。国民を幸福にした政治家としてに実績は殆ど皆無なのであるから・・・。

NHKのテレビ番組で「竹中さんは大臣時代の仕事ぶりをどのように評価されましたか」と問われ「精一杯やりました」と繰り返しておられたが、まず質問の答えになっていないし、プロ中のプロでなければならない国家や国民に重い責任を担っている元大臣の言葉とも思えない。今や、アマチュアスポーツ高校野球の監督ですらそんなボケた返答はしない。

結果を出してナンボなのだ。その結果や業績について尋ねられて、「精一杯やりました。」だと・・・テレビにティッシュの箱を投げつけてしまった。バカモン。

みなさん識者という人々とか地位をもった人々、知名人の言うことを簡単に信じてはいけません。自分の頭でしっかり考えましょう。

あらゆる事業には公益的な要素があるのであるが、こと株式会社については営利追求が最大の目的とアメリカの有名な経済学者がハッキリと明言しており、件の竹中大臣も不思議な事にアメリカの大学に遊学されている。多分洗脳されたのであろう。

小泉―竹中の両氏の担当した内閣は、この「公」と「私」 をグチャグチャにした人物として永く人々の記憶にとどめられるであろうし、人々の脳裏や歴史に国家の公益性を棄損した国賊と呼称させられるかも知れない。

国の財政を建てなおしたという結果は出ていないし、長く好景気を演出したという好評判もあるらしいが、企業人に言わせると主な経済好調の要因は中国の「特需」であったらしいし、米国の好景気であったらしい。またその好景気の期間ですら国民の暮らしは一向に良くならなかったのは周知のことである。

ありがとうございました。
濱田 朋久


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