コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

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■ 生物の寿命と時間感覚2008. 7.26

盛夏。
今や盛りとかしましく鳴りわたっている蝉の声も、その地上に降り立ってからの生命のわずか7日間程と知れば、いかにも悲しげで来たりくる秋のおとずれをその声に含んで、早くも死の予兆を感じさせるけれど気のせいかも知れない。

7日間だろうと70日だろうと、7ヶ月だろうと7年であろうと700年であろうと、時間には長短があるというのは一般的な人間の感覚であるが、蝉にとっての7日間とは人間にとっての70年と殆ど変わらず、一生のだいたいの長さと自覚していて、さしたる不平も不満も持っていないだろうことは誰にでも容易に想像できる。
その寿命というものは、あくまでその生き物の時間の感覚に支配されるのではないだろうか。
この仮設に立って話を進めてみたい。

このことは多くの成書にもキチンと書いてあって、鶴や亀の寿命は正確には把握していないけれど、「寿」の豊かな生物として、特に日本人には吉なる縁起の生き物と捉えられている。
象とかクジラとか比較的大型の生物の寿命は長いようであるが、カラスとか鯉とかいう身近な魚・鳥がほぼ70年は生きると聞けば、犬や猫やライオンや虎などとくらべて思ったより長い気がする。
筆者は動物にはもともと余り興味が無いので、不明にしてこのあたりぐらいの知識になってしまう。
子供用の動物図鑑を見れば詳しく載っているのでご参照下さい。
話しを人間に当てはめてみて、その人の時間感覚を意識的に遅くすれば、その寿命はひょっとしたら延びるのではないかという仮説を立ててみたというだけの話しである。

人間の場合も、個人々々にそれぞれの寿命を、例えば「今人生を山にたとえれば何合目ですか?」とか「今何%人生を消費しましたか?」などと尋ねてみると、案外無意識に即答される方が多くて、概ねそれは筆者の研究どおり星による寿命の差とか生活習慣による寿命の推定時期とかとほぼ同期同調するので、いつも驚いてしまう。

それでも長寿を望んでいる人に対しては、この時間感覚を遅くするという具体的な方法をお伝えしているが、長寿健康な人々の色々なケースに基づいているのであくまで参考の為にであるが、以下に列記してみたい。

1)呼吸をゆっくり行う
  呼吸というものは生命の活動の根源的原初的な現象であるので、これを意識的にゆっくりすることで、寿命が延びていくのではないかという単純な理屈である。
ゆったりゆっくりした呼吸の人のおだやかな気分や、それに同期した心臓の拍動の数の少なさは、何だか寿命をのばしそうではある。
ただし、この呼吸も心拍数も非常にゆっくりしていたあまり肥満もなく、喫煙も飲酒もしなかった方が突然の悪性の病気に見舞われ夭逝(早死)した例もあって、これは絶対ではない。
しかし、現時点での筆者の研究によれば、このゆっくりした呼吸の彼の人の早世は或る理由があって何の不思議もない。

2)食事の量と回数を減らす
  これは医学的にも肥満を促すホルモンであるインシュリンの絶対量を減らすという意味もあるが、一生に食べる回数と量が同じと仮定すればそれを減らすことで長寿を達成できるのではないだろうか。

3)カラダの力を抜く(リラックスする)
  人間のカラダは緊張すると血液の循環が悪くなり、血圧は上昇し、神経系も同じように緊張しアドレナリンという毒性の強い物質(必ずしもそうとは言い切れないが・・・)を体内に増加させ、カラダも気分も不快な気分にさせるので、普段から良くカラダの力を抜いて心地良いリラックスをしていたい。
よ〜くリラックスして気分が良く心地良いと、怒りとか悲しみとか恐れとかのネガティブな感情が湧き起こりにくくなり、いつも落ち着いておだやかな気分でいられる。
ただし、あまり抜きすぎると油断と無警戒とか、または余計な精神的エネルギーが心や肉体に侵入してきてカラダを弱らせると言う場合もある。
このあたりの頃合いが結構難しい。
仕事とかスポーツとかセックスとか趣味とかは多少のストレスを伴うものであるが、それが適当な刺激となり心地良い緊張を生み出すものなら、その件のリラックスもさらに心地良くカラダに良果をもたらすように思える。
緊張とリラックス。
さらに緊張している状態もリラックスして受ける。
ネバーナーバスがお勧めである。

4)欲望や感情や理性を上手にコントロールする
  このように書くと、コントロールを抑圧とか無視と混同する人がいるが、そうではなく欲望や感情や自分の考え方(理性)もそれはそれで全く否定もせず無理もせず、キチンと認識してこれまたキチンと処理をしていく。
これには知識と知恵と思考力がいるけれども見方を変えれば結構楽しい作業である。

5)アタマを鍛える
  意外なことに人間に限らず、その長命を保ち、それを促進するのはその生き物の頭脳である。
アタマである。
人間でも知的障害や認知症でアタマの働きの低下した人々はその寿命を大概短くしてしまうようだ。
生命維持のコントロールセンターはやはり頭脳・アタマであるのだ。
その理屈から少しだけアタマを鍛えて、アタマの健康を保ち冴えた頭脳を持っておけば、寿命は延びると考えられる。
データ的にも知能の高い人は収入も良く寿命も長いそうである。
アタマを鍛えるというと音読だとかカンタンな計算でも良い   が、やはり複雑な仕事や創造的な趣味やスポーツやそれに類する活動で自然に鍛えるのが楽しくてよかろうと思う。

6)何でもかんでもゆっくり動作する
  亀とか象とか長命の生物達の動きがスローモーである。
これを見倣って少し力を抜いて呼吸を遅く静かにして、できるかぎりゆっくりと歩いたり作業をしたりすると良いのではないかと思える。
家事全般やこの文字を書くという作業などもそうであるが、思考は早く、行動や時間感覚は遅くゆっくりにすることも良いアイデアではないかと思える。
ゆっくり話すというのも良いかも知れない。
よく支配型人間と言う人々がいて、これらの人々は自然にしていて社会や集団で注目を集め、リーダーとかボスとかになるらしいが。アタマの回転は物凄く早くても、その歩き方や動作はあくまでゆっくりとゆったりとしており、腕はダラリと力無く揺らされ、その話す言葉は少々ふざけているくらいにゆっくりだそうである。
  この支配型人間も多く長命だそうだ。

7)集中する
  一事に集中して物事をひとつひとつ丹念に丁寧に処理していけば、自然に時間感覚は一瞬短くなるように感覚されるかも知れないが、「充分に時間をかける」というのは「急ぐ」ことの対極にある考え方・行動のあり方であるので、何事も時間をかけて集中して行うことは時間感覚を伸ばすだけでなく、まさに「急がばまわれ」のように着実に多くの事柄・目標を達成するヤリ方と言えるのではないだろうか?

8)時計を絶えず見る
  これは時間を意識する為と時間から自由である為に結構有効な方法と考えている。
一般的には何だか逆に思えるかも知れないが、始終時間感覚を意識して、それを伸ばすという観点に立てばおのずと筆者の述べたい意図はお分かりと思える。
急ぐ為に時計を見るのではなく、時間を意識する為に時計を見るのだ。
「残り時間」ではなく「使える時間」を意識するので、時間をより濃密にする為に時計を見るのだ。
よく南国でのバカンスであるとか特殊な缶詰常態になるようなセミナーに行くと時計をはずすことを強制されるが、これは筆者にとって物凄く不自由な時間と、逆に時間感覚の短縮を促進する。
時計を常に見ることで、人生=時間を意識し管理しておきたいというのが筆者のいわば思想であり、生活全般人生に対する態度、心構え・工夫である。

ありがとうございました

たくま癒やしの杜クリニック
濱田朋久




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