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■ 真夏の夜の夢 | 2008. 7.18 |
いきなり真夏になってしまった。 水っぽい涼やかな6月から一転して例年になくいかにも夏らしい夏が今そこにある。 蝉の声も賑々しいギラギラとした陽射しの灼熱の夏だ。 こんな夏は、あまり眠れない筈だ。 人間のエネルギーが急に高まってしまって、若い人々にとっては、欲望の夏と言えるかも知れない。 まさに「太陽の季節」だ。 夏はあまり眠らなくても意外に元気だ。 うつ病特有の中途覚醒も早朝覚醒も割りに辛く感じない平気な時期である。 恐らく太陽の光のエネルギーが高まって、人間の精神のエネルギーも上昇するのであろう。 先述したこともあるが、赤道直下の国々では、貧しいながらうつ病とか自殺者が少ないのは太陽のエネルギー、もっと言えば光のエネルギーが強いからではないだろうか。 光のエネルギーを最も敏感に感じるのは眼であるが、多分全身で受けているのであろう。 真夏の直射日光の下では、生き物たちはしおれて枯れ果てるどころか、そこに水でもあるとモクモクと緑々と生命力が繁茂するように見える。 それは生物の盛りであるが、人間の寿命からすると壮年期で、性的には峠を越えて成熟し、秋の衰えを含んでいる。 どこか哀しげな陽気さにも思える。 ハワイとかフロリダとかアメリカの南国は、言わば老人の国だ。 リタイアした人の土地だ。 激しい戦いを過ごしているリッチなビジネスマンの保養地としてはあまりにも枯れた気が充満した土地に見えるが、その明るい陽光だけは若さを少しだけ感じ取ることができる。 真夏の夜の夢は、やはり日本人なら海であろう。 山の夢でも海の見える山だ。 来生たかおという歌手が好きであるが、この人のデビュー曲ともいえる「浅い夢」は、夏の海の宿の若い男女の甘い出逢いとふれあいを歌ったものだが、「浅い夢」と表現するところが心理的に深いなぁとあらためて思う。 夏の眠りは概ね浅く、夢も多いが忘れ去るのも早い。 ぐったりと横になっているが、深い眠りのようで夢ばかり見ている・・・。 そんな季節である。 「海の家」「海水浴」「夏休み」「帰省」「花火大会」「同窓会」 「夏祭り」「川遊び」「浴衣」「恋」そして「お盆」「精霊流し」 日本の夏は、甘くせつなく、そして悲しく懐かしい。 ありがとうございました たくま癒やしの杜クリニック 濱田朋久 |