コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ 富と幸福について2008. 6. 9

最も国民の「幸福感」が強かった国は、というとブータンという仏教国だそうだ。
一時期は何と国民の97%が自分達は幸福だと考えていたらしい。

先進国中最も富が公平に分配され、一人当りの国民所得もかなり高い国民の多い日本人の「幸福感」が20%そこそこで最低なのにくらべると、驚異的な数字である。
一人当りの国民所得が300万円台の日本と、僅か8万円程のブータンというアジア山中の辺境の最も貧しい国の人々とのこの差は一体何かと言えば、やはり想像どおり情報の問題であった。
この国は長い間、情報鎖国政策がとられていて、殆どの国民はテレビやインターネットでの国際的な情報を知らされていない無邪気で素朴な王国の民であったのだ。

察するところ情報は人を幸福にしないのか?

というと、そういうワケではない。
情報の内容の問題であるのだと思う。
テレビなどを見ていても、真の意味で生活に役に立つのは、筆者の個人的レベルではせいぜい天気予報か死亡欄である。
知っていても知らなくても良い、どうでも良い情報ばかりか時には偽善に満ちた正常な金銭感覚を麻痺させるような有害な情報がハンランしているように感じる。

これは視聴者の購買行動を促す為とも思えるから、現代の経済情勢からすると納得できる仕方の無い傾向かも知れないが、一般庶民の立場からすると、少しも景気は良くなって来ないので尚更無益な情報のタレ流しに思える。

人間の思考の80%から90%は無駄なこと、余計なことに費やされるそうであるから、常に油断せずに自らの思考や欲望や感情の動きを良く監視し、見張って、善なる思考、自他にとって有益な思考を選択するように心がけるべきかも知れない。

筆者の敬愛する母方の祖父は、度々「バカの考え休むに似たり」と周囲、特に孫である私に口説いていた。
子母沢 寛の「勝海舟」と言う小説の中でも、主人公の海舟は事あるごとによく考え込むということはあまりせず「フテ寝」をしていたが、これは「果報は寝て待て」と言う諺ともよく合致する行動であるので、結構洗練された所作であるかも知れない。

今や世界一の長者、ウォーレン・バフェットですら、「やるべきことよりやらざるべき行動の方について注視している」
やや中国古典の老荘思想にも通ずる無為自然という立場を選択しているようにも見える。

多くの歴史や大衆レベルでの事件簿を読んでいくと、愚者というものはそれこそ愚かな行動を、猟奇や変奇に満ちたさまざまの想像を超えた愚行をその激情と激しい欲望に駆られて、衝動的に「ヤッテ」しまうものであるらしい。
「知らないで良いことは知らない方が良い」
「良書を読む為には悪書を読まないこと」
「歴史からの教訓の一番大きいものは多くの人々が歴史から学ばないという事実である」
これらの言葉はいずれも無益で有害な知識や情報より、「何も知らない」方が人間はある意味とても幸せなのではないだろうかというテーゼを示している。

そういうワケで筆者の場合、家族を含め他人の秘密など有名人も含め、殆ど全く興味も感心もなく、知らせようとされても時には言わないでくれ懇願する程である。

先述したブータンの国民も優しい王様の配慮で、テレビもインターネットも解禁されたが、国王の意に反し、国民の幸福感はどんどん下がって一部の国民などは先進国並に異常で不道徳で美しくない言動や行動が増えているそうだ。

こういう話を聞くと、多くの判断力の無い国民や、特に子供達に余計な情報は無益で有害な情報をタレ流すテレビやケータイ、インターネットは廃止した方が世の中の為にも、その情報を受け取る個人としても幸せなのではないだろうか。

筆者の場合、いつも幸福で
ロマンチックな気分で一日を、人生を過ごしたいと思っているので、テレビやケータイやインターネットに接しないで星空をしみじみと眺めたり、月を愛でたり、本を読んだり、モノを書いたり、瞑想や快楽に誘導する妄想をしたりして過ごしている。
個人的に情報を遮断している。
週刊誌の医療崩壊の記事も買ってきてはいるが読む気がしない。
読まなくても内容は想像できる。
それは極論するなら政府への不平不満を煽る内容だ。
殆ど建設的アイデアは無い。
私にはそれは実は少しはある。
カンタンに言うと、国民の国民による国民の為の医療制度である。
「広く汎く適正な価格で平等に医療が正しく行きわたり、そのサービスを提供する側もされる側もとても満足である」
というとてもシンプルでまっとうなシステムであるとおもうのだけれども・・・。

一番の問題はお金の問題であるが、その医療現場とそのシステムのカラクリを明々白々と国民の目にさらし、国民全体のコンセンサスが得られ、みんなで納得すればすべてうまくいくのではないかと考えている。

追記@
今日は小泉竹中政権の時の政府の中枢にいたTという内閣参事官の本を読んだが、意味が少しも理解できなかった。
先述したウォーレン・バフェット氏の著述物とくらべあまりにも不明瞭で分かりにくく買ってはみたが捨ててしまった。
何も生産的なものは得られなかった余計な本の典型である。
東大出の官僚は多く愚者であるということは分かった。
少なくとも多くの国民を説得できるような内容ではなく、彼らの心が「国民の幸福」という至極自然で当然な目的に向かっていないことが理解できた。
ただの自分史、個人史、他者の批判批評にとどまっていた著作物であった。
こういう本も実は書店にいっぱい良書と一緒に並んでいてとても紛らわしい。

追記A
このTという著者(内閣参事官)も自らも属していた官僚集団は東大卒の思考停止集団ではあるけれども、だからと言ってどんな政治家も勝てることは無いと書かれていた。
この国の政治というのは一体どうなっているのであろう。
次々と繰り出される制度は景気を減速させるものばかりである。

ありがとうございました

たくま癒やしの杜クリニック
濱田朋久


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