コラム[ひとくち・ゆうゆう・えっせい]

コラム:ひとくち・ゆうゆう・えっせい

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■ ペランペラン2008. 5.15

昔からいるフランスの俳優で、ジャック・ペランという人がいるが、先日購入したアラン・ドロンの刑事物ドラマ「フランク・リーバ」に出ていたが、少しドロンさんに比べて老けていた。

その人とは全然関係のない話である。
ペランペランとは、薄っぺらい軽い物をさして個人的に呼称している形容詞であるが、最近は自分のモノを選ぶ時はこのペランペランした安価で軽快なモノを購入するようにしている。

そういう意味で昨年色々な事情で購入してしまった新車の高級外車というのが、見かけは重厚で豪華でリッパなのであるが、何となくお荷物に感じられて少しうとましい。

クルマは国産の中古車が一番良いと思う。
いわゆる高級外車とくらべ、故障も少なく性能も抜群で、その上とても乗り易い。
今や自動車の品質においては日本車というのが最高なのだと思える。

最近デパートというところに行ってみたが、案の定お客さんも少なく何となく閑散としていた。
売り子の女性達も手持ち無沙汰にしながらも、色々な整理やら片づけやらでヒマに見せないようにしていたが、実質的にはやはりヒマである。
地方の都市でデパートの高級品など買えるのは一部のお金持ちだけであるし、そういう人はあまり多くない。
値札を見ると今時驚く程高く感じる。
ディスカウントショップや百円ショップで全く同じ機能のモノが売ってあるので尚更だ。
少しクールに考えると、コストパフォーマンスの観点からディスカウントを選びたくなる。
けれども世の中には重厚で豪華でいかにも高価そうな高級品を好む人が多いようで、日本のブランド品嗜好は相変わらずのようだ。
殆どの電気製品を除いて主にヨーロッパ製の高級品、特に靴やバッグ、女性の服飾、男性のスーツなどアパレルやワイン、腕時計などの宝飾品は相変わらずの人気商品だそうだ。

近頃はそういう高級品には殆ど興味がなくなって、「高級」というものを少しも好まなくなった。
世の中には見栄やハッタリの張り合いみたいなところもあって、経済が発展しているという面もあるが、例えば映画なんかに出てくる
大金持ちの人の住む大豪邸であるとか、超高級車であるとか、召使つきの豪華な食事とか、時には自家用のジェット機だとか、全く羨ましいとは思わなくなって、全く興味も感心もなくなって、とても気楽で良い心持ちである。
心が殆ど動かないし、逆に維持管理や税金が大変なんだろうなぁなんて心配もしてしまう。

実際にそういう生活をした経験がないので、ぜいたくな生活の喜び知らないからかもしれないけれども、それでもそうなりたい、つまり経験したいという欲求も自らをかえりみて殆ど全くないことに気づいて我ながら驚いている。
世間一般では誰もがそういう生活に憧れているような風潮に見える。
若い時には、巨万の富というものに憧れというものもあったのであるが、いつのまにか見事に霧散消失してしまった。

筆者の親戚にも、事業が大成功して数10億からの個人資産を所有している者が少なくとも4人はいるが、いずれもそのようなテレビに出てくるような暮らしをしているということはない。
平凡な国産車に乗り、普通の家に住み、高級ブランドの装飾品やバッグを持っているひとは皆無であるし、毎日豪華な夕飯を食べるわけでもなく街で派手に札ビラを切って遊びまくるということもない。
中には帰ったら農作業かなんかしそうなくらいジジ臭い格好をした者もいるが、全く頓着する風でもない。
海外旅行もエコノミーが殆どだそうである。

私の場合、もう少しサッパリした身なりや生活を心がけているが、それでもスーツは量販店のブラ下がりでブランド品も300万円相当のロレックスの金時計と、100万円相当のブランド時計を所有しているが、いずれも嘘みたいな話であるがもらい物である。
ペランペランのスーツと1000円以下の半袖のディスカウントショップのカッターシャツで年中過ごしている。
だからとても気楽である。

物には支配されたくないのだろうと思う。
というより物をキチンと管理できないので、高価なものの所有を無意識に避けているのであるのかも知れない。

或るグルメの飲食にお金をかける仕事関係の尊敬する相当の資産家である
会社社長に「先生は何が好きですか?」と食べ物の好みを尋ねられた時に、即答したのが「ご飯と味噌汁です」であった。
ご飯に生卵をかけたらそれは最高の大御馳走ですと付け加えたところ、あまり驚かれた風でもなく「そうでしょうネェ」と幾分力なく肯かれた。
少しガッカリさせたのかも知れないけれど、全くのホンネであった。

生活全体を見まわしても、地味な生活とまで行かなくても自分なりに質素に暮らしているつもりである。
倹約もしているがケチにはならないようにしている。
ケチとは人の為に一切金を使わない人のことであるが、これは他者を豊かにしないだけでなく自らも豊かにも幸福にもならないらしい。

今日は手提げの小さなバッグを買ったが、これはとてもお気に入りだ。
とにかく安物っぽくペランペランして薄っぺらく軽いのであるが、とても使いやすそうで大満足である。
デパートで見た重々しい高級そうなバッグの約1/3の値段で気に入り度は約10倍である。
薄布と薄皮で造られたそのカバンはそれこそ良くペランペランしてとても使いやすい。

追記@
人間も深沈厚重は最高の徳などと中国古典には書いてあるが、それよりも軽快で重く見えないけれど内実はしっかりしている人が好きだ。

追記A
年中半袖のシャツにネクタイ、スーツも3〜4着の夏物を着まわしているのでとても軽快、快適、気楽だ。
何と言ってもすべからく重々しいのは最近好まない。


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